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ショートコント:シンデレラ
(2005/6/1作)


シンデレラ「ああ。私もお城の舞踏会へ行きたいわ。しくしく」
魔法使い 「呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん」
シンデレラ「きゃっ。ものすごいパクリなセリフを吐いて登場したあなたはどなた?」
魔法使い 「ワータシーハ、トーリスガリノー、魔法使いデース」
シンデレラ「なんで片言なんですか」
魔法使い 「おほほほ。ジョーク。イッツジョーク。ここはジョークアベニューでーす」
シンデレラ「ペリーさんネタて。もういい加減古いですよ」
魔法使い 「おめでとうございます! あなたは記念すべき65536人目!」
シンデレラ「めっちゃデジタルなキリ番ですね」
魔法使い 「65536人目のモルモットとして選ばれました!」
シンデレラ「モルモットって何だ」
魔法使い 「とにかく私があなたの願いを叶えちゃいますですよ。半額サービスで!
シンデレラ「金取るのかよ。じゃあいいです。お金持ってませんから」
魔法使い 「あー? 金がないだぁ? 内臓売れやコラァ!」
シンデレラ「嫌ですよ。なんで悪徳金融業者みたいになってるんですか」
魔法使い 「うそうそ。冗談冗談。マイケル・ジョーダン」
シンデレラ「うわ、カビの生えたギャグだ」
魔法使い 「マイケル…ジャクソン?」
シンデレラ「マイケルの方は関係ありませんよね」
魔法使い 「マイケル富岡?」
シンデレラ「懐かしっ! ヤキソバンだ」
魔法使い 「んー。じゃ言う通りにしてくれたらタダにしてあげる」
シンデレラ「は、はぁ。物によりますけど」
魔法使い 「んとねんとね、まず服の袖を余らせて、それで手を半分隠すように埋めて」
シンデレラ「はい。こうですか?」
魔法使い 「いいですねー。じゃその状態でぐっとこぶしを握る」
シンデレラ「はぁ。ぐっ」
魔法使い 「では私の後に続いて同じ言葉を言ってください」
シンデレラ「はい」
魔法使い 「魔法使いさん、応援しますからがんばってっ」
シンデレラ「ま、魔法使いさん、応援しますからがんばってっ」
魔法使い 「ぐっはー! たまんねっスー! 激萌えー!」
シンデレラ「なんなんだあんたは」
魔法使い 「ではではお願い事を叶えちゃいますですよ。ヘイ願い事カモーン!」
シンデレラ「…えーと、私も舞踏会に行きたいです」
魔法使い 「え、あんなのに行きたいの? 変なの」
シンデレラ「人の願い事を即行で変なの呼ばわりしないでいただけますか」
魔法使い 「まぁ見応えあるとは思うけどねー。特に第22回」
シンデレラ「は?」
魔法使い 「いやあの亀仙流と鶴仙流の激突は燃えた」
シンデレラ「天下一武道会じゃなくて! 舞踏会!」
魔法使い 「ああ、なんだ踊る方か」
シンデレラ「踊る方です!」
魔法使い 「行きゃいいじゃん。歩いてでも行ける距離っしょ」
シンデレラ「いや、物理的に行くだけじゃなくて…出たいんです」
魔法使い 「あー。はいはいはい。そういうことね」
シンデレラ「わかっていただけましたか」
魔法使い 「うんうん。つまりあなたは舞踏会に出たいけど、
       ドレスもないし靴もないし水虫が痒いしで出られないと」
シンデレラ「水虫以外はそのとおりです」
魔法使い 「よっしゃ。事情はようわかったで。まかしときー」
シンデレラ「なんですかその微妙な関西弁」
魔法使い 「ちゃちゃちゃちゃん、魔法のステッキー」
シンデレラ「わざわざお腹のポケットから出さないでください」
魔法使い 「魔法の素敵なステッキー」
シンデレラ「ダジャレを言うためだけに言い直さない」
魔法使い 「正式名称、ステッキチョコー(チーリン製菓)
シンデレラ「ただの駄菓子だ!」
魔法使い 「いいんだよ。ステッキなんてただの飾りなんだから」
シンデレラ「そうなんですか」
魔法使い 「えらい人にはそれがわからんのですよ」
シンデレラ「はいはい」
魔法使い 「んー、じゃあまずはドレスが必要ね」
シンデレラ「お願いします」
魔法使い 「まかしときー」
シンデレラ「だからなんで関西弁」
魔法使い 「では魔法の呪文を。ビビディバビディ…」
シンデレラ「……」
魔法使い 「高木ブー!」
シンデレラ「余計な単語が混ざった!」
魔法使い 「いいのよ。呪文なんてただの飾りなんだから」
シンデレラ「えらい人にはわからないんですね。はいはい」
魔法使い 「あーん、先言っちゃだめー」
シンデレラ「うるさいです。で、何ですかこれ」
魔法使い 「え。ドレス」
シンデレラ「いや、ドレスはドレスだけど。ウェディングドレスでしょこれどう見ても」
魔法使い 「ありゃ。だめか」
シンデレラ「はい。踊れませんよね、これじゃ」
魔法使い 「折角格安のをレンタルしてきたのに」
シンデレラ「レンタルなんだ」
魔法使い 「じゃあダンス用のドレスがいいわけですね」
シンデレラ「そうです。お願いします」
魔法使い 「わっかりました。ではビビディバビディ…」
シンデレラ「ボケる。絶対ボケる」
魔法使い 「ひでぶー!」
シンデレラ「ほらきたー!」
魔法使い 「はい、これでどうかしら」
シンデレラ「明らかに社交ダンス用の衣装ですねこれ」
魔法使い 「情熱の赤を基調としたセクシー系。タンゴやマンボはこれでばっちり」
シンデレラ「お城の舞踏会に多分マンボはないかと」
魔法使い 「ジャイブでもいけるよ?」
シンデレラ「そもそもラテン系じゃありませんから」
魔法使い 「えーまじで。つまんねー」
シンデレラ「あなたが楽しむ必要はないんです」
魔法使い 「じゃ何、ワルツとかそういうの?」
シンデレラ「そうですね。多分」
魔法使い 「ふーん。OKー。じゃ衣装チェンジするね」
シンデレラ「お願いします」
魔法使い 「テクマクマヤコンテクマクマヤコンー」
シンデレラ「うっわ、とうとう呪文までパクりはじめた」
魔法使い 「はい、これでどうでしょか」
シンデレラ「あー…うん、いいと思います」
魔法使い 「ラジャ! じゃ、えーと、次は靴?」
シンデレラ「そうですね。私今裸足ですし」
魔法使い 「それはそれでマニア心をくすぐっていいんじゃない?」
シンデレラ「マニア心をくすぐりたくて行くわけじゃありませんから」
魔法使い 「なるほど。一理ある。水虫もあるしね」
シンデレラ「だから水虫は違いますってば」
魔法使い 「ピピルマピピルマプリリンパー」
シンデレラ「ほんとにパクってばっかりですね」
魔法使い 「ジャンピングシューズー」
シンデレラ「ドクター中松さんの発明は求めていません!」
魔法使い 「0.1秒ツッコミですか。なかなかやるね」
シンデレラ「いちいちボケなくていいから」
魔法使い 「ほんとはこっち。ガラスの靴ー」
シンデレラ「まぁきれい」
魔法使い 「でも正直さ、ガラスの靴って厄介だよね。割れるし」
シンデレラ「え。割れるんですかこれ」
魔法使い 「安物はね」
シンデレラ「いろいろあるんだ」
魔法使い 「これは強化ガラス使ってるから大丈夫だよ」
シンデレラ「そうなんですか」
魔法使い 「なんせブランド物の高級品だから」
シンデレラ「へえ」
魔法使い 「ちゃんとNikeのマークも入ってるし」
シンデレラ「余計なもの入れないで! ていうかNikeなの!?」
魔法使い 「しかもあなたの足に合わせて作られたオージービーフだよ」
シンデレラ「オーダーメイドね」
魔法使い 「それそれ。あなたの足にフィットしつつ走ると脱げるよう調整してあるんだから」
シンデレラ「なんでわざわざそんなことを」
魔法使い 「ん。こっちの都合」
シンデレラ「はぁ」
魔法使い 「じゃあ後はお城へ行くための馬車が必要ね」
シンデレラ「そうですね。お願いできますか」
魔法使い 「おっけー。ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー」
シンデレラ「よりによって撲殺天使」
魔法使い 「はい。バナナを馬車に変えてみました」
シンデレラ「細長っ! 乗れませんよこんなの!」
魔法使い 「またがる形で」
シンデレラ「めちゃくちゃかっこ悪いじゃないですか」
魔法使い 「ちょっとエロティックな感じがイカすと思うんだけど」
シンデレラ「そこはかとなく嫌です」
魔法使い 「んー、じゃこれは。ドリアン」
シンデレラ「臭いよ! ていうかなんでドリアンがこんなとこにあるんだよ!」
魔法使い 「いちいち注文がうるさいね」
シンデレラ「あなたの発想が斬新過ぎるんです」
魔法使い 「あー、じゃその辺にかぼちゃが転がってたんでこれにしときますね」
シンデレラ「なんか適当感が気になるけど、はい、じゃそれでお願いします。」
魔法使い 「ベントラベントラー」
シンデレラ「それUFO呼ぶ呪文」
魔法使い 「あとはー。あ、馬車を引く馬が要りますね」
シンデレラ「あー。そうですね」
魔法使い 「了解っす。じゃその辺の家からかっぱらってきます
シンデレラ「待って待って待って! なんでそこへきていきなり外部調達なんですか!」
魔法使い 「手っ取り早く」
シンデレラ「魔法で出してください。犯罪はやめて」
魔法使い 「めんどいなー」
シンデレラ「飽きるの早っ」
魔法使い 「えーと。月に代わっておしおきよー」
シンデレラ「それ呪文?」
魔法使い 「はい、馬ー」
シンデレラ「わぁ。ほんとに馬ですね」
魔法使い 「うん。適当にその辺歩いてた人を変えてみました」
シンデレラ「わああああ! それダメ! すぐ元に戻して!」
魔法使い 「ええー。せっかく馬面で馬並みな人選んだのに」
シンデレラ「人間はダメです! っていうか馬並みって何が!」
魔法使い 「ちぇ。キャンセルー。ばいばーい、またねー、円楽師匠ー」
シンデレラ「円楽さんだったの!?」
魔法使い 「それじゃ何を馬に変えようか」
シンデレラ「ええと。あ、ほら、そこにネズミがいますからあれで」
魔法使い 「ネズミでいいの?」
シンデレラ「構いません。馬になっちゃえば一緒でしょ」
魔法使い 「ん。ドラゴラムー」
シンデレラ「その呪文だとドラゴンになっちゃいませんか」
魔法使い 「はい、馬完成ー」
シンデレラ「わぁ。馬だ」
  馬   「ちゅうちゅう」
シンデレラ「鳴き声がネズミのままなんですが」
魔法使い 「細かいことは気にしない。あとおまけでトカゲの従者もつけといた」
シンデレラ「あ、はい。これで舞踏会に行けますね。ありがとうございます」
魔法使い 「よきにはからえ」
シンデレラ「では早速行ってきます!」
魔法使い 「あーちょっとお待ち」
シンデレラ「はい?」
魔法使い 「ひとつだけ注意があります」
シンデレラ「はぁ」
魔法使い 「12時を過ぎると私の魔法は解けてしまいます」
シンデレラ「そうなんですか」
魔法使い 「はい。ですから、12時頃に馬車の中にいたら大変なことになります
シンデレラ「あーかぼちゃの中だから」
魔法使い 「馬にまたがっててもダメです」
シンデレラ「ネズミ潰れちゃいますもんね」
魔法使い 「ガラスの靴は消えちゃうとガクッてなって危ないので、これは消えません」
シンデレラ「そこは配慮してくれてるんですか」
魔法使い 「これでシンデレラの話の矛盾点も解決? みたいな?」
シンデレラ「誰に何を言ってるんですか」
魔法使い 「ん。こっちの話」
シンデレラ「はぁ」
魔法使い 「注意点は以上です。行ってらっさーい」
シンデレラ「はい。いろいろありがとうございました」
魔法使い 「水虫お大事にー」
シンデレラ「違いますからっ」

♪ リンゴーン リンゴーン

魔法使い 「あ、なんだかんだやってるうちに12時過ぎた」
シンデレラ「ぎゃー、まだ私かぼちゃの中ー!」