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ショートコント:鏡よ鏡
(2005/5/20作)


妃「鏡よ鏡。世界で一番美しいのはだあれ?」
「それは白雪姫です」
妃「なんですって。でたらめ言うと承知しないわよ」
鏡「あ、いえ、今の質問では恐らく正しい答えが得られていないものと思われます」
妃「どういうこと?」
鏡「美しいという状態は本人の素養だけで決定する物ではございません。
  その時の体調、着ている衣服、お化粧の具合、身につけたアクセサリー、
  もっと細かい所では、光の当たり具合から見る角度に至るまで
  様々な要素が絡み合って為すものでございます。
  従って、たった今中庭で花と戯れている白雪姫
  薄暗い地下室で鏡に向かってぶつぶつ呟いているお妃様とでは
  単純に容姿の比較など出来ないのです」
妃「なるほど。なら質問を変えるわ」
鏡「はいはい、なんなりと」
妃「鏡よ鏡。いつどこであっても世界で一番美人なのはだあれ?」
「それは白雪姫です」
「ちょっと。どういうことよ」
鏡「あ、いや、あのですね。
  美人と言う概念は多分に文化的な要素を含んでおりまして
  極端な例を挙げますと、首長族では首が長いほど美しいとされております。
  また以前日本で行われた調査によりますと、
  全ての人が理想の美人と思う顔を統計して作り上げたら
  意外にどこにでもいそうな普通の顔になったという例もございます。
  従って美人という定義では単純に比較できないと言いますか」
妃「もういい。わかった。もっと答えの明確な質問に変えます」
鏡「そうしてください」
妃「鏡よ鏡。世界で一番この国の男が美人だなと思う女性はだあれ?」
「それは白雪姫です」
「表面やすりで削るわよあんた」
鏡「まま待って待って待って!
  ああああのですね、人には趣味嗜好というものがありまして、
  それがたまたまより若い娘の方に偏っているだけのことで、
  もっと本質的な美しさまで見抜いている男なんてほんの一握り。
  挙句の果てにはロリ萌えー、貧乳萌えー、料理下手萌えーなどと」
妃「あの娘、料理下手なの?」
鏡「いえ、恐らく某有名妹ゲーの情報が混ざっているのかと」
妃「何それ」
鏡「知らない方が良い世界です」
妃「とにかく、だったら私はどうすればいいのよ」
鏡「ええと。もっと具体的な項目に絞ってはどうでしょうか。
  鼻が高いとか、背が高いとか、胸がでかいとか、態度がでかいとか」
妃「そんなのあんたに聞かなくても見ればわかることばっかりじゃない。
  ていうか今どさくさに紛れてなんか言わなかった?」
鏡「いえいえ滅相もない」
妃「ふん。わかったわ。なら徹底的に条件を絞って質問しようじゃない」
鏡「お願いします」
妃「私と白雪姫、全く同じ条件で比較して、
  顔立ち、スタイル、気品の上で本質的に美しいのはどっち?」
「それは白雪姫です」
「叩き割る!」