ユイノットらぶ式会社 > 作品 > ショートコント:3/3 vs 5/5


ショートコント:3/3 vs 5/5
(2011/03/03作)


ギィ……

? 「ふふふ。待ちかねたぞ」
? 「やはり一階の仕丁たちでは相手にならなかったようじゃな」
五月「!! 誰だ!」
右大「我は二階の番人、右大臣」
左大「同じく左大臣」
右大「五月人形よ、貴様をこれ以上先に進ませるわけには行かぬ」
左大「この二階で朽ち果てるが良い!」
五月「俺は負けない! ここは押し通らせてもらう!」
右大「させぬ! 右大臣パンチ!
五月「くっ…なんて重いパンチだ!」
左大「食らえ、左大臣キック!
五月「ぐあっ。くそう、調子に乗るんじゃねぇ!」
左大「…ふっ」
五月「!! …な、何!? 俺のパンチが止められた…?」
左大「ふふふ。お主のパンチも、この菱餅シールドの前には手も足も出ないようじゃな」
右大「そして私からはこれだ! 甘酒ビーム!
五月「ぐああっ、熱い!!」
右大「ふはははは、参ったか若造が!」
五月「くっ、強い… だが俺は負けられない…!!」
右大「もう一度、食らうが良い、甘酒ビーム!」
五月「なんのっ、鯉のぼりスラッシャー!
右大「なっ…! 我の甘酒が、鯉のぼりの口の中に…」
五月「そして鯉のぼりの体内を通った甘酒は、そのまま尻尾から…!」
左大「ぎゃあああ! 熱い!」
右大「なんてやつだ…鯉のぼりで甘酒ビームの軌道を逸らすとは…!」
左大「くっ、菱餅シールド!」
右大「ば、馬鹿者! そんなことをしたら…!」
左大「ああっ、熱で菱餅がぐにゃぐにゃに!
五月「かかったな! 食らえ、五月ブレーーーードッ!!
右大「ぎゃああああああ!!」
左大「うわああああああ!!」
五月「…ふう。手ごわい相手だった」
右大「……ふ、ふふふ…」
五月「!! まだ生きていたのか!」
右大「見事だ…だが、我々はこの雛壇の中でも下っ端に過ぎぬ…」
左大「これから先…我らより遥かに強大な壁が立ちふさがるであろう…」
右大「ククク…せいぜい足掻くが良い…わ…」
左大「……」
五月「…息絶えたか… しかし俺は、進まなければならないんだ…!」

〜三階〜

? 「…♪〜」
五月「なんだ? 笛の音が聞こえる…」
? 「…よく来たな、哀れな武者よ…」
五月「!! 誰だ!」
太鼓「我らは親王に仕える五人囃子」
大鼓「そして雛壇の三階を守護する者である」
小鼓「この雛壇を荒らした罪、我らが粛清してやろう」
笛 「ピー」
謡 「参る! 大歌・五節舞!!
五月「ぐぅっ…!? な、なんという音のプレッシャー!!」
大鼓「ふふふ…貴様の動きは封じた…ッ!」
謡 「まだまだ行くぞ… 大和歌・大和舞!!
五月「ぐ、ぐぉぉおおおおお…!!」
謡 「トドメだ。神楽歌・人情舞ィィィ!!
五月「ぎゃああああああ!!」
小鼓「…くっくっ、他愛無いものよの」
太鼓「我らの力、思い知ったか」
笛 「ピー」
五月「…ま、まだまだ…!!」
太鼓「諦めの悪いやつだ。何度やっても同じだというに」
大鼓「そんなに苦しんで死にたいというのなら、良かろう」
笛 「ピー」
小鼓「我らの演奏、たっぷり聴かせてくれるわ!!」
謡 「死ぬが良い、東遊・駿河舞!!
五月「…………」
太鼓「な、何!? 効かない…だと!?」
五月「…お前たちの攻撃はもう、俺には通用しない…」
小鼓「そ、そんなバカな!?」
謡 「ありえぬ…何故だ…!?」
五月「悪いがここは通らせてもらうぞ! 菖蒲アターーック!!
太鼓「うわあああああ!!」
大鼓「ぎゃあああああ!!」
小鼓「ぐおおおおおお!!」
笛 「ピーーーーーー!!」
謡 「ぶるぁああああ!!」
五月「危なかった… 咄嗟に耳に柏餅を詰めたおかげで助かったぜ」

〜四階〜

五月「…さて、今度の相手はお前たちか?」
盃 「いかにも。我ら三人官女が貴殿をここで止める」
長柄「親王の下へは行かせぬ故、覚悟召されよ」
加銚「…………」
五月「!! お、お前…まさか、お前が敵だったなんて…!」
加銚「…ごめんなさい。私はあなたを倒さなければならない」
五月「そんな…嘘だろ? お前と戦うなんて…俺には…」
盃 「ふん、甘いやつじゃ。騙されておったことも解らぬのか」
五月「なんだと…ッ」
盃 「彼女は、最初からお前の動向を監視するための間者だったのじゃ」
五月「そ…そんな……」
加銚「……ごめんなさい…」
盃 「ほほほほほ。傑作じゃのう」
長柄「愛する者に裏切られ、絶望に打ちひしがれて――死ぬが良いわ!」
五月「くっ…!」
盃 「ほほほほほ、そぉれそぉれ」
長柄「どうした? うぬの力とはその程度かえ?」
五月「くそっ、なんてスピードだ…! うおおっ!」
長柄「ふん、そんな遅い攻撃なぞ当たらぬわ!」
五月「!? しまっ…!!」
盃 「ほーほほほほほほ! トドメじゃあああっ!」
五月「っ!!! ………?」
盃 「な…」
長柄「か…加銚、お前…」
五月「!! 加銚っ!!」
加銚「…ごめ…なさい…私…本気であなたのこと…愛し…て……ぐふっ」
五月「加銚! 加銚ーーーーー!!」
長柄「ちっ…間者のはずが、まさか本当に男に溺れてしまうとはの…」
盃 「職務を捨てて男を取ったか。使えぬやつじゃ」
五月「…貴様ら…加銚のことを悪く言うんじゃねぇぇぇぇーー!!
盃 「ぐっ!?」
長柄「何っ!?」
五月「うおおおおおお!!」
長柄「くっ。ええい、怒りの勢い程度で我らに勝てると思うたかっ!!」
五月「ぬおっ!?」
盃 「これでも食らうが良い! ひなあられボンバー!
五月「くそっ、激しいつぶてで近づけない!」
長柄「鎧で防いだか。ならばこれでどうじゃ、桃の花ランス!
五月「なっ、桃の木の槍だとっ…!」
盃 「ほーほほほほほ!」
長柄「無駄な足掻きじゃ。お主の力量では我らに勝てはせぬ!」
五月「…くそっ、ダメなのか…? やっぱり俺の力では…」
加銚 (諦めないで)
五月「!?」
加銚 (大丈夫。貴方なら勝てるわ)
五月「加銚…」
加銚 (貴方ならきっと…節句の王者になれる…! あの技を…)
五月「そうだ…オレは加銚と約束したんだ…負けるわけにはいかない!!」
盃 「ぬ!?」
長柄「やつめ、まだそんな力が…!」
五月「うおおお! 必殺・柱の傷は…一昨年のぉぉぉ!!!
盃 「ぎゃあああああ!!!」
長柄「ぐわあああああ!!!」
五月「…はぁ、はぁ。苦しい戦いだった…」
加銚 (…………)
五月「ありがとう、加銚…勝てたのはお前のおかげだ…」

? 「ほう…三人官女を倒すとは…大したものじゃ」

五月「!!」
? 「余の元まで辿り着く者が現れようとはの…褒めて遣わそう」
五月「…出たな…貴様らがこの雛壇の主か!」
男雛「ククク…いかにも」
女雛「なかなかやるではないか、五月人形」
五月「貴様らを倒して、俺が節句の王者になる…!」
男雛「果たして、お前に出来るかな?」
女雛「その信念だけは認めてやろう。…来るが良いッ
五月「うぉぉぉぉぉぉっっ、覚悟ォォッッ!!」


 五月人形の勇気が世界を救うと信じて…!
 ご愛読ありがとうございました!(ネタが切れたので打ち切り)