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日ごろ新聞を読むとき、3面記事のページの下側にある訃報欄はわりとマメに目をとおしていたりします。
特に作家・俳優・映画監督・音楽家などに留意しています。
今年特に気になったのは矢野浩三郎さんと青木日出夫(青木秀夫)さんの死亡記事で、略歴が数行記されただけの小さなものながら、私にとっては結構大きなショックを受けました。
それぞれ、「待伏部隊」「抹殺部隊」を訳した翻訳家で、私にとってドナルド・ハミルトンが師匠というか神様だとすれば、この2名に加えて小鷹信光さんは伝道師のような存在だからです。
多感な中学・高校のころ、感傷に振り回されがちだった我が身を「もっとしっかりせんかい!」と背筋をしゃきっとさせてくれたのは特にこの3名による訳出作品であっただけに、その動向は25年以上たった今でも気にかかっていました。
一介の読者が駆けつけても失礼なだけでしょうが、心情的には、焼香だけでも訪れて表敬したかったほどでした。
それから数ヶ月たって昨日のこと、書店をのぞくと小鷹さんの「私のハードボイルド」というエッセイが新刊コーナーに並んでいるのを見かけました。
戦後ミステリ史を解する上で氏の文献はどれも貴重なので中身も見ないまま購入したのですが、喫茶店でコーヒーを飲みながら開いたところ・・・
この2名の立て続けの訃報についても触れられていて、一コマとはいえ、矢野さんの「しのぶ会」の光景を垣間見ることができたのは実に幸いです。
それにしても、この「しのぶ会」で青木さんに
久しぶりに会って、顔をみたとたんに、考えもなしに「少しやつれたみたいだな」
などと思いやりのない言葉をかけてしまったのがいまとなっては悔やまれる。
とあるのが、結構ずしりとこたえました。
残る小鷹さんには、まだまだ訳出してもらいたいものがたくさんあるので、ぜひ長生きしてもらいたいものです。
(悪党パーカーの新刊の訳出ご苦労さまですが、マット・ヘルムの13冊目、まだ出ていませんよ!)
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007を書いたイアン・フレミングが64年に亡くなった後、その後継的な物語としてジョン・ガードナーのボイジー・オークス・シリーズが登場しました。
気弱で平凡なボイジー・オークスがなぜか冷酷で凄腕のタフガイと誤解され、イギリス情報部へ殺し屋としてスカウトされるのですが、結果的に全ての任務をキッチリこなしてしまうから、情報部との腐れ縁は嫌々ながらも続いていきます。
喜劇仕立てなものの、これが結構フレミングばりにスリリングで、007タイプのスパイ・スリラーの中では最も私のお気に入りで、3冊だけですがポケミスで訳出されています。
いずれ、「このスパイ小説が面白い」というコーナーを作る際に取り上げようと思っています。
ところで、第1冊目の「リキデイター」はロッド・テーラー主演で66年に映画化され、「殺しのエージェント」という邦題で公開されています。
ビデオ化もされていないようで、あいにく私はこの作品を観たことがないのですが、最近サウンド・トラックがCD化されたので、早速買ってきました。
作曲はラロ・シフリンで、スパイ・シネサウンドが好きな方にはこれだけで充分たまらないと思いますが、テーマ曲を歌うのはなんとシャーリー・バッシー。
「ゴールドフィンガー」同様に腹の底から頭頂部へ突き抜けるように太くて力強い、そしてきらびやかな歌声に、完璧にねじ伏せられてしまいました。
加えて、いったん耳にすると3日ぐらいは脳裏にぐるぐると旋律が回り続けてしまいそうなほど、へばりついてきます。
1枚4000円近くするので、誰彼なしに勧めるわけにはいかないのが残念です。
ところでラロ・シフリンはディーン・マーチン主演の「サイレンサー/殺人部隊」でも音楽担当していました。
シリーズ中、いちばんカッコいいテーマ曲なのでぜひともCDが欲しいところなのですが、まだCD化されていません。
でも、そのデモ版CDというものが存在するらしいため、そう待たないうちにCD化されることと思います。
楽しみです。 |
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