
『源氏物語』は世界最古の恋愛小説である。
400字詰め原稿用紙で2300枚、登場人物400人をこえる長編小説。
なぜ今年(2008年)が『源氏物語』の千年紀なのか。

その根拠は2つある。
☆ 1008(寛弘5)年11月1日から1000年。
その年の11月1日、「紫式部日記」の記述によると、
当時、一流の文化人だった藤原公任(きんとう)が紫式部のいる部屋にやってき
ていった。
あなかしこ、このあたりに若紫やさぶらふ
(怖れ入りますが、このあたりに若紫がおいでではありませんか)
そこで紫式部は答えた。
源氏に似るべき人も見へたまはぬに
(源氏にゆかりのある人もお見受けしないのに)
この教養のある受け答え、洒落の分かる会話!!
(上の絵巻はその場面である)
『源氏物語』を読んで浮かれている藤原公任に対して、それと同等のユーモアでこたえる
紫式部もさすが。
これが『源氏物語』に触れた最初の記述とされ、一般にはこれだけで千年紀とされる。
さらにいうと
☆ 同じ1008(寛弘5)年11月17日のこと、
藤原道長の娘・彰子が男の子をうみ、その王子誕生を祝って道長が一条天皇に
『源氏物語』を献上した日。
当時、天皇に献上するには特別な紙や墨を膨大に用意しなければならず、権力とお金が
ないとできない。
時の御堂関白・道長だからこそできたのである。
道長は、そのために紫式部をスカウトして『源氏物語』を書かせたのだ。
どちらにしてもちょうど1000年前のこと、まぎれもなく千年紀ということになる。