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DB……DRAGON BUSTER
DB追……DRAGON BUSTER追補

 

 

西瓜屋の親父 DB

右の袋で西瓜屋を営んでいるが、その店先で羅寸たちが暗殺を実行したために客足が遠のき、さりとて取り決められた場所を移すこともできずに難儀をしている。

 

桶屋の親父 DB

涼孤と月華の取っ組み合いに割って入ろうとしたが、手も無く跳ね飛ばされてしまった近所の人。

 

磨胡(マルコ) DB

一番手講武所の弟子の一人。学も金も身内も無いが、剣の腕前はまあまあ。

 

荒蛇(ゴーダ) DB

一番手講武所の弟子の一人。学も金も身内も無いが、剣の腕前はまあまあ。年齢的に修行期間が終わりに近づいており、最後の機会として洞幡の大比武に出願するつもりだった。しかし同じ一番手講武所の阿鈴が出願してしまったために、慣例上彼の出願は取り下げられるはずだが……? 阿鈴は真剣勝負に挑もうとする彼を、侮れない相手だと評価している。

 

蘭芭(ランバ) DB

一番手講武所で、阿鈴とは同期・同年齢の仲間。一見、どこぞの商家の馬鹿な二代目といった身なり。大比武に出るという阿鈴を心配して説得を試みる。南邑の激辛料理は口に合わなかった。

 

甘葉(カナハ) DB

一番手講武所師範の娘で阿鈴の許婚。病弱だが頭も気立てもよく、かなりの美人。阿鈴との婚約は親が打算で決めたことだが、彼女は真剣に阿鈴に惚れている。阿鈴が危険な大比武に出ようとしていることはまだ知らない様子。

 

一番手講武所師範 DB

武臣倫院内部の政治闘争から落ちこぼれた小人物。阿鈴に娘の甘葉を許婚としてあてがい、再度出世をもくろむが、阿鈴が危険な大比武に出ようとしていることを知って慌てている。

 

阿鈴の父 DB

南邑の大きな酒蔵の主人。数年前に阿鈴を勘当した意地っ張りのカミナリ親父。しかし現在はそれを後悔しているらしく、酒が入ると阿鈴の自慢話が止まらなくなってしまう。戻ってくれば勘当を取り消し、閃閣武林に口をきいて指南役の席を用意するつもりでいる。

 

阿鈴の叔父 DB

身なりや物腰は爺やのようだが、本職は南邑府に軍属扱いで雇われている薬学者。兵要地誌の作成に協力して各地の辺境を常に飛び回る仕事なので、昔から神出鬼没のようだ。二年ほど前に勘当された阿鈴と偶然出会い、なんとか阿鈴と父親の間を取り持とうとしている。

 

阿鈴(アレイ) DB

一番手講武所の一番弟子。十五歳で元都にやってきて四年間で今の位置にまで登り詰めた才能ある剣士。もともとは南邑の大きな酒蔵の三男坊で、勘当されて以来一度も帰っていない。ただ、南邑特有の激辛料理は今でも好む。酒も博打も女もやらない堅物。なにか目標があるらしく、南邑人独特の願掛けとして髪を切らずに後ろで束ねてある。一度こうと決めるとてこでも動かない性格で、周囲の反対を押し切って洞幡の大比武に出願した。勝手に決められたこととはいえ、許婚の甘葉のことを多少気にしている様子。当サイト管理人の中では死相の出ている人ナンバー3。

 

來王 DB

素仏国時代の王。洞幡の大比武につながる真剣試合を開催する、千尋衆の母体となる組織を作った姿蘭を見出すなど、軍事関係の業績が目立つ。

 

我州幡(ガスハン) DB

通念意心門の達人で月華の二人目の師範。世間では剣よりも槍の使い手として有名。もとは軍にいたようだが、政治的暗躍に巻き込まれて野に下ったらしい。月華の相手をして一刻もしないうちに、陰謀の匂いを嗅ぎ取って帰ってしまった。

 

参渦(シャンガ) DB

月華の三人目の剣の師範で、六身仙合剣の使い手。ただし群狗の指示で、月華の稽古はお遊びレベル。禿頭の丸顔で、もうすぐ六十という齢に似合わぬ餅肌の男。科那国の生まれなので身振り手振りが卯人より大袈裟に見える。肺病を病んでおり立ち居振る舞いも衰えていて、なにかにつけて金銭を要求するがめつい面を見せるが、群狗が月華の師範として選んだ以上、本物の達人であろう。孫が七人いて、そのうち一人が近々嫁に行く予定。

 

劉徒(リュウド) DB

蘭家剣の達人で月華の一人目の師範だったが、月華の相手をするのに耐え切れず断った。

 

番頭 DB

里久と駆け落ちした男だが、珠会の客になったことも何度かある。多額の金を着服して逃げたため、里久共々手配されることに。

 

里久(リク) DB

珠会と長屋で同室で先輩格だった女郎だが、金灯楼と取引のある店の番頭と駆け落ちして行方不明になってしまった。

 

赤帽の男 DB

寧馬幇の元幹部。貧相な外見で、自分が尾けられていることを察してひどく脅えていた。真っ赤な雅帽は猛足に被るよう指示されたもので、ターゲットであることを示すあからさまな目印だが、本人は気づいていなかった。何か重大なしくじりをしたらしく、羅寸たちに暗殺された。

 

胡久梨(コクリ) DB

最後の千尋衆の一人で、羅寸の部下。気のいい書生風の容貌で、へらへらといつも笑っている。若く見えるが歳は二十台後半。

 

羅寸(ラスン) DB

最後の千尋衆の一人で、元の階級は禄長。年齢は三十半ばだが、短く刈った髪はほとんど白髪。千尋衆解体時には四人の部下がいたが、一人は死に、二人は去り、現在は胡久梨一人だけとなっている。今は暗殺業などの汚れ仕事で生計を立てている。

 

姿蘭(シエラ) DB

卯の前身である素仏国の來王の時代に現れた五来剣の達人で、五来剣の名を一気に知らしめた人物。武臣倫院の情報武官として転戦し、各地の高手を集めて特務機関を創設、これは後に千尋衆の母体となった。

 

論戸(ロド) DB

三福館の主。彼が淹れた果鈴茶はお茶にうるさい珠会のめがねにかなうもの。本編では暑気あたりで倒れてしまう。

 

面弟(マンデ) DB

三十六番手講武所に属する朱風の弟子の一人。蓮空や背守と同じく上位の兄弟子らしい。

 

背守(セス) DB

三十六番手講武所に属する朱風の弟子の一人。蓮空や面弟と同じく他の弟子たちの兄貴分。卯人にしては色の薄い髪、起伏の乏しいつるりとした顔、癇の強そうな細い目、薄ら笑いを浮かべた口元というちんぴら然とした男。以前はもっと番手の若い講武所にいたが、あまりの素行の悪さにここまで落ちてきたという噂がある。かなり短気で涼孤に対する態度もぞんざいだが、涼孤自身は彼のことをさほど嫌っていない。

 

商人 DB追

大虎に襲われていたところを力剛に助けられた男。黒白のいる山の麓の街に屋敷を構える。命の恩人である力剛を半月ほども歓待し、その間に千年長老酒を入手して力剛に渡してくれた。

 

栴の堂我(せんのどうが) DB追

叩頭百度したことで達人猟善に弟子入りを許されたという故事が伝わっている人物。

 

農夫 DB追

童欄千年長老酒を求める力剛に黒白を紹介した、学は無いが親切な男。

 

黒白(こくびゃく) DB追

山の峰にある一本杉の根元に結跏趺坐している老人。一見すると積み重ねられた枯れ枝の束にしかみえないというとてつもない年寄りで、なんでも知っていると近隣で尊敬されている。難解な詰め碁が大好きで、一度解き始めると飲まず食わずで何年だろうが熱中し、その間近くに人が来て何か話しかけてもまったく気がつかない。童欄千年長老酒を求める力剛に、「弑王」というヒントを与えた。

 

涼狐(ジャンゴ) DB

三十六番手講武所の下男で、それに加えて右の袋の外れで行う似顔絵描きで生計を立てる十五歳の少年。すれ違う女性がよく振り返ったり、似顔絵の女性客がちょっかいを出してきたりするところを見ると美少年の模様。生まれも育ちも元都の貧民街。被差別民の「言愚」で、言愚の身体的特徴である碧眼を持つ。捨て子であり、三年前までは蛇楊に、蛇楊が死んでからは老婆に育てられ、二年前老婆が死んでからは天涯孤独の身となっている。その出自からつまはじきにされて育ったせいで、自己を主張したり目立ったりすることを避けたがる。そのため正式に道場に入門しろをしろという蓮空の誘いも重荷に感じているほど。七年前から五年間に渡って老婆に無人剣の手ほどきを受け、その後も一人修行を続けていたため半年前には『龍を呑む』域に達し、今ではかなりの使い手に成長している。また客待ちの暇つぶしの間に聴剄を習得しており、足音から性別・年齢・およその素性まで判別できる。剣の練習風景を月華に見られてしまったのだが、そのことにまったく気づいていなかったため、彼女の怒りを買う羽目になった。金灯楼の雄札をまだ持っているようだが、使う機会は訪れるのだろうか?

 

史児(シージ) DB

貧民街で野菜を商う露天を持っている男。露天を持っているだけでも貧民街では一目置かれている。

 

蛇楊(ダヤン) DB

涼狐の育ての親である絵師。涼狐が物心ついた時にはすでに初老で、ひどく無口な男だった。「他人の目をまっすぐに見るな」と涼狐に教える。三年前の暮れ流行り風邪にかかってあっさりと死んでしまった。

 

狐憑きの女 DB

右の袋の外れで占い師をしている中年の女。大仰な衣装を着込み、護神である狐を引き入れてお告げを下す。

 

無人剣を教えた老婆 DB

一人で棒切れを振り回して遊んでいた子どもの頃の涼狐に声をかけ、無人剣を伝授した謎の老婆で、目は青く無いが彼女もまた言愚である。涼狐に五年間に渡って無人剣の指導を行い、最後の一年は育ての親である蛇楊を失った涼狐の面倒を見つつ、つきっきりで教えた。二年前の冬の終わり、龍の双剣を遺して死去。おそらく六十七年前に八門関を襲撃した女と同一人物。

 

喪主の老婆 DB

朱風の喪主を務めていたのでおそらく彼の妻と思われる。蓮空にはけち婆と言われていたが、厄落としの雄札ではいい遊郭と契約して見直された。

 

珠会(シュア) DB

街における月華の唯一の友人。おんぼろ長屋に住む下層の女郎で、金灯楼で働いている。まだ個室を与えられるほどの身分ではない。安ぴか物の腕輪をじゃらじゃらと身に着けた女郎丸出しの格好をしているが、月華はその格好が意味することについてまったくわかっていない。職業柄か大人びた仕草をするが、実は月華とあまり歳は違わない。同じく女郎という職業柄、男の手を見てその素性を察することができる。月華とは正月に祭りの屋台で一つだけ売れ残った饅頭をめぐって見物人が出るほどの大喧嘩をして以来の仲。面倒見のよい性格で、なにかというと騒ぎを起こす月華の世話をしてやっている。月華に仲直りの方法を教えた。月華は彼女に自分のことを「饅頭を扱う商人の娘」と名乗っているが、珠会はお城への出入りが許されている大臣の妾腹だと推測している。茶の味にはかなりうるさく、三福館や蓮家を贔屓にしている。他に好物として、寒州豚の肉饅。休みの日にはいつも昼過ぎまで寝ているようだ。声は甲高い。当サイト管理人の中では死相の出ている人ナンバー1。

 

卯王 DB

月華の父親。芸事に否定的で三十年前に臣の奢侈を禁ずる勅命を出したりしたが、今はあまり守られていないようだ。

 

蓮空(デクー) DB

三十六番手講武所に属する朱風の一番弟子で、朱風が死去してからは次の師範が来るまで事実上の師範代。しかし普段は船着場の蔵屋に夜回りとして詰めている。守神は未。幼い頃、来候地方で患った熱病のために禿頭で、両頬には深い笑い皺があるせいもあって、実際は二十二歳なのに十も年上に見える。理不尽な偏見やしがらみに囚われない熱血漢で、涼狐の才能を買って彼に正式な入門をさせようとしている。気のいい男ではあるが、その分世の中の悪意に対して疎いところがある。師の名誉を重んじて、朱風の愛用していた椅子を庭にそのままにしておいた。月華が最初に尋ねて来た日に涼孤の実力の片鱗を目の当たりにし、それをきっかけに洞幡の大比武への出場を決意する。当サイト管理人の中では珠会に次いで死相の出ている人ナンバー2。

 

朱風(スーファン) DB

三十六番手講武所師範。通称「一刀の朱風」だが、三十番台の講武所師範ということで世間の評判は芳しくない。六国大戦にて智安将軍の先陣を先駆けたと称しているが、どう考えても嘘。野垂れ死ぬ寸前の涼狐を下男として雇った。近年は杖を手放すこともできないほど老いさらばえており、道場には時たま顔を出しては柳の木陰に揺り椅子を持ち出して練習を眺める程度。涼狐は剣を持った姿すら見ていない。地方の成金などに武術指南役として招かれては精神訓話をし、謝礼を貰っていた。一月前、旅籠でとった夕食の油にあたり、七十一歳で死去。葬式の喪主を務めた老婆は妻か。

 

月華の兄 DB

十七で死去。大旺殿で行われた大葬には月華も参加した。「忌送行」では宮殿を絶縁旗が埋め尽くし、一千の楽師たちが退魔の調べを奏でた。

 

梢家の若君 DB・DB追

凌州にある大金持ちの名門梢家の息子で、燕の若様ともあるが、八門関の近くにあった燕家と関係があるかは不明。贅沢三昧をして過ごしてきた百貫でぶの男だが、その肥え太った体には磨けば光る一指功の才が隠れている。酔狂で力剛の話を聞くものの、習得に何十年とかかる武術に興味は無く、『童欄千年長老酒』を手に入れてこいと無理難題を押し付けて追い返そうとする。

 

一指功の精 DB・DB追

力剛の指から煙と共に現れた若い女で、その正体は一指功の技の化身。一門を皆殺しにした上、拳を封じて地獄に落ちようとする力剛の前に現れ、後継者を見つけて一指功を伝授しなければ極楽往生させると力剛を脅す。力剛の親指に宿り、神通力で後継者を探知して力剛を国中引っ張りまわす。

 

克子(カッシ) DB

月華の家庭教師。礼奉式所の末席に身をおくうらなり瓢箪で、十日に一度、宮中の礼儀作法を教えにやってくる。月華には花瓶を投げつけられたり授業前に逃げ出されたりと嫌われている模様。その後、月華の屋敷に住み込みをしようとしたが、伊仁が寝歩きする姿を見て腰を抜かし逃げ帰ってしまった。

 

伊仁(イニ) DB

月華や群狗が暮らす屋敷の使用人の一人。十五歳にもならない少女だが、四年前から勤めているので使用人の中では古株に入る。苦労性な性格で、月華がなにかしでかしたのを群狗に報告する時はひどく脅えてしまう。寝歩き(夢遊病?)の癖があり、その姿は知らない人にとってはかなり驚くものらしい。

 

無人剣の女 DB

六十七年前、糞樽に入って八門関に侵入、龍の文様が彫られた二尺の双剣を振るって砦を全滅に追い込んだ女。当時およそ二十歳、日に焼けた細腕、豊かな胸、長い髪が特徴。八門関の兵士たちを殺戮しながら誰かを探していたようだが……? 涼狐に無人剣を伝授した老婆と同一人物。

 

迂琉(ウル) DB

八門関の兵長の一人。見るからに酷薄そうな顔つきで、下の者には何かにつけて威張り散らす。五人で女を取り囲んだが、あっさりと斬殺される。

 

王朗(オーロ) DB

八門関の首領で円将。当時の八門関は戦地から遠く、執務室すら粗末なつくりだったので、流刑も同然だと不満を抱いて転属願いを何度も出していた。鼻持ちならない貴族根性の持ち主だが、そのため戦線から離れた他の駐屯地と違い、規律正しく砦を指揮していた。女の襲撃で命を落としたかどうかは不明。

 

月華(ベルカ) DB

卯王朝の第十八皇女で末妹。月華はあだ名で、大変な無作法とされている思い出し笑いをよくしてしまうためつけられたものだが、本人は気に入っている。本名は『禁呪迷魔発 畏山 卯皇尊珀礼門天詩操宇慎望神狗守康倫下清姫 敬海 禁呪迷魔結』。珀礼門は屋敷のある場所も示す。略して「珀礼門」「珀礼門清姫」と呼ばれることも。十五歳だが童顔で世間知らずのため年齢より幼く見える。天真爛漫な性格で窮屈や退屈を嫌い、しょっちゅう屋敷を抜け出しては、上等の服を汚しつつ街をふらついている。お姫様特有の浮世離れした振る舞いと我儘な言動が目立つが、その一方で世間ずれした偏見を持たず、一途で無邪気な面もある。また、肝心要の土壇場では意外と思慮深いところがあると群狗は思っている。なにか納得のいかないことがあるとつい、両足で一緒に地団太を踏みつつその場でぐるぐる回ってしまうため、「珀礼門の独楽姫」のあだ名がある。本人も恥ずかしく思っているのだが感情が激すると無意識にやってしまうようだ。焼き場で涼狐が套路を打っている姿に一目惚れして、剣の修行を始める。かなりの才能があるようだが、群狗の何かの思惑により、お遊び程度の相手しかしてもらっていない。笑い声は「にははは」。

 

群狗(グング) DB

八十歳を越える老人で、月華のお守り役。生国は卯、護神は申、正確な年齢は本人もわからない。地方の警務長官もしくはそれに類する肩書きを得ているため、鴉眼と呼ばれることも多い。六十七年前、当時雑兵として詰めていた八門関で『龍』と遭遇した事件をきっかけに、大きく人生を変えた。十指に余る様々な偽名を使い続けてきており、群狗も偽名である。かつて天下一を目指していたこともあり、老いてなお剣の達人。そのため現在でも高名な武術の達人たちとの人脈や、諜報の伝手がある。元千尋衆の一員で、血生臭いことも多くやってきたため、周囲からは少々怖れられている。とはいえ、現在は荒っぽい言動なども無く、思慮深い人物である。月華の剣術指導に関して、何か思うところがあるようだが……?

 

力剛(リーゴン/りきごう) DB・DB追

卯でポピュラーな芝居の演目「一指力剛」の主人公で、一指功の達人。幼少より厳しい修行を行って一指功の奥義を授かるも、その直後に本性を現し、師を含む一門を皆殺しにして一指功の秘儀を独り占めにした。間もなく盗賊の首領にのし上がって非道の限りを尽くしたが、尼僧の法力に敗れたのをきっかけに改心、僧となって山奥に篭り、懺悔と読経の後半生を過ごすことになる。ところが老境に入ったところで一指功の精霊が出現し、一指功の後継者を育てなければ極楽往生させると脅される。無間地獄に落とされるのが望みの力剛は慌てて人里に下りて後継者探しに奔走することになるが、すでに世の中は武を必要としない太平の時代。さまざまな困難が力剛に立ち塞がり……DBにおいて珠会は「要するに笑い話」と言っているが、DB追では冒険活劇として語られている。

 


 

地名

 

千華萬礼 DB

右の袋の外れをさらに進んだ場所にある古い茶館。月華と涼孤が最初にデートした場所(笑)。貝抱を使い、調度もけちけちしておらず、客層は文人風の役人や商家の旦那衆と、そこそこの格式がある店。

 

炭屋の道 DB

右の袋の外れの外れにある路地。ここの階段の一番下が、涼孤の似顔絵描きの所場である。

 

占雅殿 DB

素仏來王の時代に洞幡の大比武につながる真剣勝負が行われた場所。

 

琉河の刑場跡 DB

洞幡の大比武につながる真剣勝負が行われた場所。

 

洞幡(ドーハン) DB

広い演武場があるらしく、毎年秋にはここで洞幡の大比武と呼ばれる真剣試合が挙行される。

 

南邑(なんおう) DB

卯の地方の一つ。大仙江下流の土地で、元都から見ると遠い田舎。気候が暑いらしく、料理に火辛油を多く使うためその味付けが非常に辛い。独特の風習として、願いがかなうまで髪を切らずにいるという願掛けがある。

 

素仏国 DB

卯の前身となった国。馬厨地方に位置する。

 

根連堂 DB

時を知らせる鐘を打つ場所らしい。

 

六路門の参道 DB

月華と珠会が初めて出会った場所。最後に残った饅頭を取り合って大喧嘩した。

 

来砂の番所 DB

珠会と涼狐が初めてあった場所。馬厨の武家屋敷を若干広くしたような造りで、周囲には高い石塀と狭いながらも一応の堀がめぐらされている。元都が戦場になった場合は、五十人の部隊が一月篭城できるだけの装備と備蓄があるはずだが、ほとんど横流しされていているのは公然の秘密。堀沿いの道端には傷痍軍人が欠けた手足をこれ見よがしに晒してうずくまっている。

 

蓮家 DB

端真道にある茶館で、お茶にうるさい珠会が贔屓にする店の一つ。

 

馬厨地方 DB

おそらく卯の前身である素仏国のあった地。その方言は宮中での公用語となっている。また、月華の屋敷も馬厨様式。五来剣の発祥の地。

 

焼き場 DB

貧民街で死者が出た時、その遺体を火葬する場所。「三途のどぶ川」と呼ばれる運河に面した場所にあり、地面は石敷き。見知らぬ神が祭られた小さな祠が不規則に点在する。晩春には翅禍虫が無数に飛び交い、犬の方の群狗もたむろしている。一人につき八十貫の銭で薪屋が支度をしてくれ、焼け残った骨は運河に流す決まり。涼狐の剣の練習場でもあり、迷子の月華と出会った記念すべき(?)場所。涼狐はそのことに気づきもしなかったが。ちなみに、当サイトのトップ背景はこの焼き場のイメージである。

 

元都 DB

DBの舞台となる都市。月華の屋敷や三十六番手講武所がある。四季を通じて雨が少なく、湿度が低い。

 

左の袋 DB

本来の名前は西忌門の市場。軍放出の刀剣の売買に端を発する古物市場。

 

右の袋 DB

本来の名前は東祭門の市場。屋台を中心とした多種多様な露天がひしめく市場で、大道芸人や芝居の一座が芸を見せたりもしている。

 

卯(ウー) DB

DBの舞台となる王朝で、大仙江流域に位置する軍事大国。前身は素仏国といい、おそらく卯家が政治の実権を握ってより、馬厨地方から勢力を広げていったものと思われる。白陽天大動乱を平定して以降は軍縮に方針転換したが、未だに天下の軍国のようだ。男女の交合には魔を退ける力があるという風習がある。

 

羅金(ラーゴン) DB

八門関の兵士たちが利用する繁華街と思われる。酒家や旅籠、夜鷹たちが兵士相手の商売をしている。

 

白陽天 DB

かつては独立国だったが、現在は卯の属領となっている土地。七十一、二年前に勃発した白陽天大動乱では、四年半に渡って卯の討伐軍と戦い、敗北した。その後もいくつもの戦が起こったため、その地に住んでいた人々はおびただしい難民となって中原に四散した。白陽天の多数派である天爬人たちは外見や言葉に大きな違いが無いことから、迫害を受けつつも卯人に同化していっているが、言愚だけは例外である。

 

延覇山(エルハさん) DB

ここにいる坊主は千尋衆の本名を葬り去る役目を持つ。

 

八門関 DB

白陽天は黄山の麓に置かれた卯の砦。首領は円将王朗。六十七年前、群狗(当時は二年兵の雑兵)や迂琉など、約三百名の兵士が配置されていたが、前線はすでに遠くへと移動していたため、戦の功名とは縁遠い場所のはずだった。しかし潜入したたった一人の女によって全滅させられ、あまりに不可解かつ不名誉ということで卯の歴史からは抹消されてしまう。現在はろくに痕跡も残っておらず、そこに砦があったことを記憶している者もほとんどいない。

 


 

技術

 

聴剄 DB

足音の特徴から相手の情報を得る技術。涼孤が知らず知らずのうちに暇つぶしに習得している。

 

六身仙合剣 DB

参渦が月華に教えている剣法。技には以下のようなものがある。

陣突:柄尻に左の掌を当てる形から、突き上げ、斬り下ろす。

仙先扇:後退しつつ胴払いをする。

六王突:踏み込んで突きを連続して打ち込む。

通天大嶺千仙皆合:参渦が銀十流と引き換えに月華に伝授した怪しげな奥義。独楽のように回転しながら何度も斬りつける。

他に基礎的な技として、具体的な型は不明だが欄観突や泰猿奪桃がある

 

翻身盤肘 DB

徒手拳法の技の一つで、相手の下腹に左肘を当てるもの。

 

五来剣 DB

馬厨地方発祥の一刀流の剣法。創始者については諸説入り乱れているが、卯の前身である素仏国の來王の時代に姿蘭という達人が現れて有名になった。おそらくその頃に、民間で伝承される「馬厨五来」と、姿蘭が創設した千尋衆の内部で伝承される「千尋五来」に別れ、前者は次第に廃れていく。

 

震刃剄 DB

兵器剄のうち、硬剄の一種。刀身に震動する剄力を通して鎧や盾を切断するための技法で、靭性の高い武器に使う場合は通剄は用意だが威力は低く、硬度の高い武器を使う場合はその逆となる。龍を呑んだ状態の涼狐は、剣撃を受け止めた相手の爪が全て内側から出血したり、剣の腹で相手の頭を軽く叩くだけで昏倒させられるほどの功夫。

 

兵器剄 DB

武器を使う際に、破壊力を上乗せするために行う発剄だと思われる。人体をより徹底して破壊するための「柔剄」と、人体以外の対物破壊にその効果を発揮する「硬剄」に大別できる。

 

一心拳(一心剣?)  DB

涼狐の無人剣に対抗して、これから月華が習う剣法。一心拳の「拳」の字は誤植か?

 

虎血 DB

大壷の油のことで、南方の鉱山から出る廃液を精製したもの。親樽から小分けした虎血は適度に「息抜き」をさせないと急速に油質を落とす。壷は多数を地面に埋めて罠にすることも。

 

占術 DB

呪札を燃やしたり玉石を転がしたりして吉凶を占う術。古代には他国の王を傀儡にしたり、敵将を呪殺したりすることもできたようだが、DBの時代にはかなり廃れつつあった。しかし旧白旗軍系の術師集団の一部には本気で復興を目論む者たちもいる。六十七年前の事件では、なぜか大凶が北東からやってくることを予言している。

 

無人剣 DB

六十七年前、八門関を全滅させた女が使っていた恐るべき剣術。間合いに入った者の存在を決して許さない「人で無しの剣」。もしくは相手を人ではなく斬って捨てるべき自分以外のなにかとしか認識せず、反射的に斬りつける「無人」の剣。双剣を使った受けの太刀で、背後からの攻撃にすら後の先を取れるほど。踊るような定石を持たない身のこなしを特徴とし、自らを囮として同士討ちを誘う身法もある。使い手は剣を振るう間、なにもかもが遠のいて、自分を中心とした双剣の間合いだけが世界のすべてだという感覚になり、間合いに入った者を誰彼構わず反射的に斬り捨てるようになる。これを『龍を呑む』と表現する。套路の中に創始者の単なる癖が相当残っているため、まだ若い剣法のようだ。涼狐の推測によれば、創始者は左利きでそれほど背の高く無い男。右足に古傷か何かがあり、背面の受けに独特の「粘り」があることから長く伸ばした髪を後ろで束ねているのではないかとのこと。その套路は五来剣のそれと似ており、天才が創始した天衣無縫の剣法を常人が真似るために、五来剣の套路に落とし込んだもののようだ。老婆から涼狐へと、龍の双剣と共に伝承された。

 


 

組織

 

一番手講武所 DB

阿鈴や蘭芭が所属する講武所。序列第一位だけあって、かなりましな賄いを出す宿舎も備わっている。

 

千尋衆 DB

卯の歴史の闇で暗躍した、破壊工作や諜報、暗殺を任務とする特務機関。現在まで卯では公式にその存在を認めていないが、公然の秘密となっている。主力剣法は五来剣。入営時には延覇山の奥殿で本名を葬り、「どこの誰でもない者」となるのがしきたり。最盛期には二千人を擁する組織だったが、卯の軍縮に伴って次第に縮小されていった。最終的には三十七人まで減り、七年前に完全に解体されている。しかし巷では未だに、千尋衆の名は人さらいなどを行う恐ろしげな集団として語られている。

 

金灯楼 DB

元都にある珠会が働く遊郭。武人筋の客も多いらしく、蓮空の言によれば「ここらの廓にしちゃあちょっとしたもの」。涼狐が受け取った雄札に書いてあった暗号は「六百貫」で、これは大金灯詩集の全六百巻とかけたもの。

 

講武所 DB

武臣倫院が補助金を出す市井の兵法道場で、先の卯王の発案で五十年ほど前に始まった。番手が若いほど強いとされ、一桁台は誰もが認める強豪、十番台も概ね悪くないが、二十番台以降はかなり怪しい。弟子たちは謝礼を払う必要が無い代わりに、「命金」と俗称される保証金を納める。修行後に卯軍へ入隊するとこの保証金は還付される仕組みで、貧困層に埋もれている才能の発掘が期待されたが、あまりうまくいっていない。肝心の命金も複雑な利権が絡み合ってつり上がってしまっている。なお、出所後には最高で兵長の地位が約束されているが、多くはその地位で止まってしまうようだ。

 

武臣倫院

卯において高等武官を教育したり兵法道場の後援をしている組織。

 

伍頭一誠党 DB

白陽天軍の崩壊によって山賊化した勢力が、この地に人脈を持つ侠客崩れを担いで立ち上げた無法者の集団。伍頭は頭目の通称。女の侵入に呼応して八門関侵入に呼応して砦の扉を封鎖し、兵士たちを閉じ込めた。

 

燕家(エンけ) DB

八門関の近くにあった白陽天の豪商。八門関の平坦の一部を委託されていた。栗近種を使った四頭曳き以上の大型貨車は軍事転用を防ぐために禁止されているのだが、燕家は鎧板をつければ戦車の代わりになりそうなものを使っていた。

 


 

文化

 

観湯扇 DB

客に茶の煮出し具合を選ばせるための道具。節の数が十あり、左から右へと段階的に濃い褐色で色分けされている。

 

六国大戦 DB

三百年前に行われた戦争。智安将軍が活躍した。朱風が参加したと言い張っている。

 

五角銭 DB

五角形をした銅銭で、贈答品として用いられる呪物の一種。銭秤を用意している商人なら通貨としても使えるが、普通は精巧な細工物としての価値の方が高い。しばしば文字が刻まれるようで、頂点から五芒星を一筆書きする順で読む。「大比武登第」の文字と守神の未が刻まれたものが蓮空の部屋から出てきて、彼に洞幡の大比武への出場を決意させるきっかけとなる。

 

洞幡の大比武(だいひぶ) DB

単に大比武というと、大規模な軍事演習のことだが、洞幡の大比武と言った時には洞幡の演武場で挙行される真剣試合をさす。素仏來王の時代に占雅殿で始まったのが、琉河の刑場跡へと場所を移され、現在では洞幡の大比武で毎年秋に行われている。参加資格は在野の武人であることのみ。真剣試合ではあるが、降参も認められている。観戦する将官に認められれば初戦敗退でも相応の軍籍が与えられ、能力次第で一足飛びの出世も可能。頂点まで勝ち上がると独峰と呼ばれて尊敬され、出身地の地名には「嶺」という尊称が冠される。ただし、ある程度の腕があるものならばすでにそれなりの地位についていたり大金を稼いだりしているので、本当の実力者はわざわざこんな危険な催しには出ないという意見も多い。出願期間は回暑から先涼までの三十三日間。一番手から五番手までの講武所は、慣例として毎年一人ずつ名代を出すことになっており、二名以上が参加すると弟子の束ねが利かないと噂されかねない。

 

手配書の人相書き DB

罪人の怨念で絵師が呪われるという言い伝えがあるため、たいての絵師が嫌がる仕事。その分、報酬が高いので、涼狐はしばしばこの仕事を引き受けている。

 

銅滴・銀流・金海 DB

DBにおける通貨の単位。銅千滴で銀一流、銀千流で金一海。おそらくは銅本位制である。銅滴は鋳造された時代の卯王の御名一文字が上部に掘り込まれ、据わりをよくするために底面が平たい。銀流は細長い板で長さは大人の手で握って両端が少し余るくらい。表面には川の流れを表す三本の波線が刻まれ、裏面には卯室が認めた正式な貨幣であることを示す刻印がある。金海は顔よりも一回り小さい金の円盤で、卯室とその周辺王朝では主として外債の決済に使用される。銅滴は平民の貨幣、銀流は貴族の貨幣、金海は国家の貨幣とも。狐の面が七滴、スイカ一切れが二滴、手配書の人相書き一枚の報酬が二十滴。

 

夏姿(かし) DB

水深が浅くなる夏に使われる、小型の平底舟。それでも座礁がしばしば発生するため、人足たちは卑猥な労働歌を歌いつつ舟を引っ張って戻す。その光景は夏の風物詩になっている。

 

童欄千年長老酒 DB追

童玄山の名水に欄把原の糯米を使い、仕込みに千年、酔いも千年という美酒で、商人が倉一つを手放してようやく手に入るかどうかという天下の珍宝。ちなみに「千年の老酒を求む」とは「千年経ったら出直しな」という意味で、俗に門前払いを意味する言葉。

 

厄落としの雄札 DB

葬式の際に喪主が独身男性の弔問客に配る札。大人の掌に少し余るほどの大きさで、黄色の香粉が全体にまぶされているので黄札とも呼ばれる。家に持ち帰って一晩厨房の隅に貼り、翌朝に庭先で燃やすという雌札と同じ始末の他に、廓の無料券としての使い道がある。札の表には朱書きされた死人の戒名と経文と通し番号が書かれ、裏には喪主と契約を結んだ遊郭の屋号が暗号で記されている。建前としては遊郭の主が後日札を喪主に返し、その際花代に色をつけた礼金を払うものだが、通常は特定の遊郭と契約して割引料金を払う。卯では男女の交合には魔を退ける力があると考えられているため、このような風習ができた。

 

言愚(ゴング) DB

白陽天の山岳地帯に住んでいた民に対する蔑称。生活習慣も信仰携帯も白陽天の多数派である天爬人とは大きく異なっており、言語上の類似点から西方の遊牧氏族の末裔ではないかと言われている。最大の特徴は十人に一人の割合で碧眼の持ち主が生まれること。白陽天の支配を拒んでいたが、白陽天が卯に滅ぼされてからは卯に対して頑強に抵抗し、一部は現在も駐留軍と戦い続けている。そのため卯では被差別民として迫害を受けている。寺院を始めとして、元都には?病持ちと言愚が歩いてはいけない道が数多くある。

 

天爬人 DB

白陽天の多数派民族。卯人たちと外見も文化も余り差は無い。白陽天が滅んでからは卯に同化しつつある。

 

八方寿 DB

月華が習わされている百八種類のお辞儀の仕方。

 

鴉眼(あがん) DB

地方の警務長官もしくはそれに類する者への尊称で、伊仁など屋敷の使用人の多くは群狗をこう呼ぶ。しかし群狗は自分を老いぼれだと思っているのであまりこの呼び方を好んでいない。

 


 

動植物

 

貝抱 DB

沌平より南でしか取れない刺激臭を発する香木。日陰で寝かせて水分と臭いを抜いた貝抱は良質な乾燥剤になる。元都のまっとうな店は茶を入れる甕にこれを入れて管理する。

 

離寄虫(リイム) DB

蜻蛉に似た虫で、乱破者が連絡手段として使うことがある。群狗も時々利用しているようだ。

 

蚊母の古木 DB

風化して残った心材は、木剣の材料としては一級品のものらしい。

 

妖虎 DB追

童欄千年長老酒を手に入れて油断している力剛を襲った虎で、先に力剛が殺した大虎の妻。大虎と同じく毒気を含んだ咆哮を使うのみならず、人語を解し、人間の女性に変身することもできる。

 

大虎 DB追

黒白のいる山に住む巨大な人食い虎。体格は牛ほどもあり、鬚は針のように尖り、歯は鋸のようで、目は金色に光り、尾はしなやかな鞭のようという恐ろしい姿をしている。額の縞模様が「王」の字に見える。毒気を持つ咆哮で獲物を身動きできなくしてから平らげるのが流儀だが、力剛にはかなわず一撃で倒される。

 

群狗 DB

火葬の匂いに釣られて焼き場に集まってくる犬たち。あの世からの使者の化身と考えられているため、追い払ってはいけないとされる。もちろん縁起はよくない。

 

翅禍虫(ハカム) DB

親指の爪ほどの大きさの羽虫で、幼虫は泥水の中で暮らす。晩春になると一斉に羽化して闇夜に薄緑色のぼんやりとした光を放ちながら飛び回るため、人魂のようで卯をはじめとして多くの国で縁起がわるいとされる。

 

月華(ベルカ)

月華のあだ名の由来になった植物。昼の花である孤仙花の一種だが、この花だけは夜に咲く。そのため月華は女官たちの使う「思い出し笑い」の雅語になっている。大人の腰ほどの丈があり、根元から放射状に葉を伸ばし、白い可憐な花を咲かせる。珀礼門の方の月華もこの花を気に入っているため、彼女の屋敷の庭先に多く植えられている。

 

栗近種(グリゴンしゅ) DB

輓曳馬の一種。四頭曳き以上の大型貨車は軍事転用を防ぐために禁止されている。

 


 

その他

 

ケルベロス(仮)

トークイベントで古橋と秋山がふと漏らした、龍盤七朝シリーズ作品の仮タイトルらしき言葉。古橋が担当する。DBに合わせて一対一の対決を主題にしたものになる予定。

 

アジト

秋山と古橋が龍盤七朝企画のために借りている仕事部屋。資料置き場やネタ出しミーティングに使う場所。六畳にしては狭すぎて机二つと本棚一つで一杯になるらしい。伊里野のフィギアも住んでいる。

 

DRAGON BUSTER追補

電撃hp43号に掲載された掌編。著者は古橋。DBの作中劇である「一指力剛」の別の段を、芝居のシナリオ形式で書いている。力剛を始めとして固有名詞のルビが訓読みだったり、笑い話というよりは冒険活劇であることから、演じられた時代・地域が本編とは違う可能性も大。

 

パワード三国志

古橋が構想中の話で、十万対十万の軍隊がパワードスーツを着てカンフー対決をする話らしい。「厚めの本で8巻ぐらいになるといいなと思ってます」と古橋はコメントしているが、彼は3巻より長い話を出した前例が無いためファンは期待半分不安半分である。『ブラックロッド』東方編として構想されていたサイボーグ仙人のアイデアを使ったものになる?

 

毒女(仮)

秋山が構想中の話。古代王朝を舞台とした呪術戦記+貴種流離譚となる予定だとか。最初から長くする気マンマンだというが、ファンの中には寡作の秋山がそれで本当に完結できるのかと首を傾げる者も。

 

龍盤七朝シリーズ

秋山瑞人と古橋秀之によるシェアワールド企画。シェアワールドとは複数の作家が同一の世界設定を共有して書くものだが、本シリーズにおいてはそれほどカッチリとした設定は作らず、相互にインスパイアしあって間のつながりは読者の想像に任せるといった手法をとる。二人のデビュー当時(90年代後半)から一緒になにかやりたいという話はあったようだが、実際に企画として成立したのは2006年。

龍盤世界には、一(いつ/イー)、螺(ら/ルオ)、平(へい/ピン)、凌(りょう/リン)、鍠(こう/ホァン)、該(がい/ガイ)、電(でん/ディエン)の七つの王朝が存在し、時代や地域によって呪術が出てくることもあればパワードスーツが出てくることもある。ただ、上述のようにこのような設定は大枠だけのもので、秋山と古橋で七朝の数え方を変える展開もあるという。作品間で矛盾が出た場合は、それぞれの作品の舞台における歴史観の違いや伝承の過程で内容が変わってしまったと解釈してもらいたいとのこと。

基本コンセプトは「ダメ出し無し」「俺のと矛盾するけどまぁそこはなんとかしとくよ」「面白いと思ったらなんでもやれる」

 

古橋秀之(ただひたすらに唯一無二!)

第2回電撃ゲーム小説大賞にて大賞を受賞してデビュー。電撃文庫出身作家の中でも特にコアなファン層からの支持を受ける作家の一人。詳しくはこちらを参照のこと。「この人もうちょっと売れればいいのにね」「売れるもの以外ならなんでも書ける」等の評価を欲しいままにする。ハードカバー版『ブラックロッド』の解説によれば生来躁鬱のケがあるらしく、それを裏付けるかのように『ソリッドファイター』がコケた後に『ブライトライツホーリーランド』を出し、『タツモリ家の食卓』が不振に終わった後に『サムライレンズマン』を出し、『ノウェム』が失敗した後に『ある日、爆弾が落ちてきて』を出しと、鬱屈を溜め込んではそれを爆発させて名作をモノにするというパターンが現れている。周期的に体を鍛えるブームがやってくるらしく、かなりいい体つき。

仕事の情報を中心とした本人のサイトはこちら

 

秋山瑞人(マダー?)

『EGコンバット』にて衝撃的なデビューを果たした電撃文庫出身の作家。マイナーながらも重厚な作風で熱狂的なファンを持つ作家だったが、『イリヤの空、UFOの夏』で大ブレイクし、知名度はかなり高まった。 詳しくはこちらを参照のこと。普通は理屈を考えて作る設定を勘で書くという恐るべきセンスの持ち主。また完璧主義者のようで、古橋の談によれば「著者稿を真っ赤っ赤にして返す」「昔の作品を目の前で音読されるという拷問をされたらなんでも白状する」ほどだという。そのせいか人気にも関わらず寡作な作家で、ファンをやきもきさせている。

なお、2ちゃんねるの作者スレの大半を占めるEGFの動向についてだが、いくつかのイベントにて以下の内容が語られている。

・『EGコンバット』は当初上下巻構成だったのが書いているうちにどんどん長くなって巻数の増大を繰り返しており、その度にラストを書き直している。

・何度も書いた内容をもう一度書くのは面倒。それにどうせ一巻の最初から書き直したくなってしまう。

・商業的にはその労力を新刊に注ぎ込んだ方が売り上げを見込めるので編集もいい顔をしない。

・PCのマシントラブルのため、秋山の手元からは旧版のラストの原稿は失われている。かつての担当編集者「ミネさん」は持っているはずだが、すでに昇進して別の部署に行ってしまったので実際のところわからない。

 

 

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