April 1, 2015

5月末までにゆっくり書こうと思っていた「戦後70年」一昨夜3月30日締切と気付き、昨日大慌てで、数時間で書き上げて送る。おかげで時間に余裕感ができ、病院の売店で買った清張『黒い空』を読む。電鉄会社の経営する郊外の超豪華結婚式場で起る二つの女性殺人事件。15世紀の山内上杉家と扇谷上杉家の間の怨念が、子孫に受け継がれてこの事件になった、と。山内上杉家の子孫が経営する大電鉄会社を、復讐を誓い続けた扇谷側子孫の秘密結社が乗っ取ろうとする。構想力もすごいが、相当の本格的な勉強と調査がなければ書けないものだ。清張さん、喜寿を超えた時期の作品だとは驚き。▼新年度、今日からは『憲法問題入門』と『日本憲法学史』関連付けつつ並行して取り組む。しかし『日本人の国家観』戦後を書き直す必要も出てくるか。当面図書館で憲法の本を雑読するか。▼孫が壊した網戸、修繕ができ、Unidyにとりに行く。長女の忘れもの(眼鏡等)郵便局から送る。▼『Strauss政治哲学に向って』という論集が届く。飯島昇蔵氏がStraussを宗教者として捉える私の単純さを揶揄している。StraussのFreud批判についての私の捉え方についてはその通りかもしれないが、Straussの全体像については、「訳の分らない人物だ」というのが私の観方である。▼4月新年度の人事異動。M氏、跡見学園教授、Sさん、「准」が取れた。

[新聞] PeruやColombiaに生息する百姓蟻(apterostigma megacephala)は200-800万年前から、巣の中で茸(leucoagaricus gongylophorus)に肥料を与え、雑草を取り除き、育成してきた。この茸はこの蟻の巣の中でしか育たない(INYT)。●穿山甲(pangolin)は中国で珍味とされ、鱗は媚薬等とされて乱獲され、絶滅の危機に瀕している(INYT)。●男児は女児より5%多く生れるが、受胎の時には両者は50%ずつである(AP-Japan Times)。●Sao Pauloは水飢饉に瀕しているが、CaliforniaやArizonaなどの米国西部にも危機が迫っている(INYT)。●Fleur Pellerin[金鍾淑]フランス文化相は、Seoulで生後間もなく捨て子として拾われ、Franceで育てられた。彼女は、「フランス語は危機に立っていない。対英語防衛策は却って有害だ」として、Richelieu以来の国語純化政策を転換しようとしている(INYT)。●ロシアの愛国史学、「Ivan IV(the terrible)を残忍な悪王として描いてきたのは西側の陰謀。positiveなIvan像を描こう」と(INYT)。●90歳になったPierre Boulezを祝賀する行事がヨーロッパ各地(Berlin、London、Paris、Amsterdam、Ravenna、Aldeburgh、Lucerne)で行なわれる(INYT)。●Nigeria大統領選、Islam教徒Buhari、ChristianのJonathanを1540万対1280万で破る(毎日夕刊)。●最初の東京空襲で捕虜となった8人のうち最後の生存者Robert H. Hite氏(95)が死去した(INYT)。●April Foolのparadox:兄「今日だますぞ」。弟は一日身構える。しかし「だますぞ」が嘘だった(毎日・余録)。「grayだっていい色なんだよ」(渡辺憲司氏)(毎日)。●「仲畑川柳」「台所武器の宝庫でケンカ止め」(柚流)「8センチヒールで視界変えている」(お鶴)

apterostigma megacephalapangolin, the world's most hunted animal穿山Fleur Pellerin au festival d'Angoulême 2015.Fleur Pellerin文化相Pierre BoulezBoulez

[野上氏掲載作品] 「ボート屋の腰伸ばしをり春隣」「金色のネクタイ二月礼者かな」「地震にも軽く応じて春障子」「モリエールの忌や人嫌い虚子嫌い」(「劇作家モリエールの忌日は 2 17 日です。 そういった意味では「季」は入っているのですが、俳人などの忌日とは違って、季語ではありません。したがって、選者が異なれば、選ばれることはなかったと思います。人嫌いは、モリエールの戯曲「人間嫌い」から。虚子嫌いは、杉田久女の「虚子嫌いかな女嫌いの単帯」からきています」。――作者解説)「春潮や藤戸を渡る騎馬六騎」(これは藤戸合戦です。源氏の武者佐佐木盛綱が、馬に乗ったまま郎従六騎を率いて藤戸の海路三丁余りを押し渡り、向こう岸に辿り着いて平行盛を追い落としたというものです。浅瀬を教えた漁師が殺されて、亡霊となって出る、能の「藤戸」もあります。――作者解説)「冬ぬくしレプリカされど大鯨」「下萌やたまには許せ孫俳句」「非正規のままが気楽でいいですといいし男の近況知らず」「子供らと遊ぶ春日よD51 は飛鳥山にて余生を送る」「放哉と山頭火がいまや好きという君は立派なエリートの果て」(両者は「浮浪に近い生涯を送った」)「田園調布と今は呼ばれるこの土地に古人(いにしえびと)は墳墓きずきぬ」[「きづきぬ」ではないか]

April 2, 2015

昨夜寝床で、佐々木惣一『憲政論集』(大石眞編)少し読む。『立憲非立憲』という戦前の論集があるが、「立憲」というmodelを拠点としての政治論。佐藤幸治氏が以前から「立憲制の危機」と強調するのも、佐々木伝来だと気づく。明治期・大正初期の作品を見る限り、「法解釈の客観性」というような関心はなく、naiveだ。大臣が議会で管轄外の事項につき答弁することが許されるか。明治憲法の構造からみて、一義的解答はないだろう。しかし自説を学問の名で大いに主張している。全論文を読めば、大体の性格はつかめるだろう。佐々木行政法学も勉強しなければ。▼仲津真治氏の「青春のHarvard」再訪記。英領植民地の白人人口の多さ、13州というが、それより西も米領となったこと、フランスからの格安の領土買収など、観察は鋭い。国土庁OBだから土地問題に眼がいく。そういえば早逝したclass mate藤沢孝栄氏が国土庁の役人だった。44年生れの仲津氏よりだいぶ先輩だが。▼会社の「会長」となったS氏より電話、「もうひとはな咲かせたい」と。▼時間が中途半端になったので、久しぶりに『風雪の碑』の索引作り。Andrei Bubnovという共産党活動家が1938年8月1日に死亡したことを発見。『旋風二十年』などに比べて人名の間違いが非常に多い。これが現在のbest sellerだったら鬼の首を取ったように威張るのだが。「ブゴノフヤロスラヴスキー」という長い人名があり、①二人の人名の間の「、」が落ちていること、②「ブゴノフ」でなく「ブブノフ」であることを発見するのに随分時間がかかった(p.130)。日本の左翼人名でも「江馬条」が「江馬修」だったり(p.123)、「土居栄二」が「土井栄二」だったり(p.129)「塚元周二」が「周三」だったり(p.130)、大河内正敏の父が「正実」でなく「正質」だったり(p.136)。▼女房が留守中に勝手に入った保険が満期になったという電話。天からpocket moneyが降って来たか。

仲津真治氏

[Q子さんとの対話] 「今日から僕は名前を変えることにしました」

Q「何て名に?」

「アンドレイ・ブブノフ二世です」

Q「ブブノフなんて豚みたいな名ね、何でまた」

「アンドレイ・ブブノフという人が1938年8月1日、僕の誕生日の前日に死んだことが今日分ったんです。僕はその人の生れ変りです」

Q「ブブノフってどんな人なの?」

「ソ連共産党の関係者らしい。これから調べます」

Q「8月1日と2日の間はその人の霊魂はどうしてたんでしょう?」

「ロシアから飛んでくるので時間がかかったのでしょう」

Q「前の日に死んだ人は沢山いるのに、どうしてその人の生れ変りなの?」

「それは神秘な霊感です。こういうことは本人にしか分りませんよ」

Andrei Sergeyevich Bubnov (23 March 1884 – 1 August 1938) was a Bolshevik revolutionary leader in Russia, and member of the Left Opposition.(Wikipedia)

Bubnov andrei.jpgAndrei Bubnov

[新聞] 良寛の弟橘由之(1762-1934)の旅日記を公刊(矢沢曻治氏)(日経)。●江藤新平・Boissonade・穂積八束など、民法典制定史の経緯(毎日・余録)。●Doolittle搭乗員のHiteは中国の日本側勢力圏で捕えられ、終戦まで収監された(毎日)。●厚労省は、ソ連の北朝鮮収容所で死亡した日本人抑留者869人の名簿を、ロシア国立軍事公文書館から入手していた(日経夕刊)。●ISはDamascus郊外Yarmouk地区の一部を制圧した。またHama郡Salamiyah近郊の村を襲撃し、民間人48人を殺害した(毎日夕刊)。親欧米軍が南部Daraa県Nasib検問書を制圧した(毎日夕刊)。●「私は元軍政指導者だが、今は民主的規範の下の民主主義者だ」(Buhari)(毎日)。選挙が平和裏に行なわれたことは評価できる。Boko Haram勢力圏は北部極貧地帯。南部の原油収入を北部に配分するなどの政策が必要である(遠藤貢氏)(日経)[遠藤氏の採用人事の時、「Africaに市民社会を作る」という彼の主題がよく理解できなかった。しかし超多民族のAfrica諸国で部族横断的な社会を作ることは重要課題だと、少しずつ分ってきた]。●Houthiの勢力は衰えず、Bab el-Mandeb海峡の軍事施設を制圧した(毎日)。●Khmer Rougeの大量殺戮への中国の加担(INYT)。●中国は「大欧亜共栄圏」を構想している(金子秀敏氏)(毎日)。●大学の人材戦術は非現実的、研究向きと教育向きを分けるべきだ(癸亥氏)(大機小機)(日経)[論文を全然書かない人でも、「教育向き」と定義されると怒る]。●ハウス食品は涙の出ない玉ねぎを開発した(AFP-Japan Times)。●渋谷区の宮下公園再開発計画がhomeless支援団体の反撥を招いている(Japan Times)。●東急建設はMyanmarで橋梁建設工事受注(日経)。●「仲畑川柳」「千回は書いたよ毎日新聞社」(次男坊[常連投句者])「お見通し猫のうす目にそう言われ」(お鶴)「単身の夫リンゴを薄くむく」(麦そよぐ)「お電話を代わりましたで振り出しに」(鹿せんべ)「一日は長いが先は長くない」(宮司孝男)「お気の毒姉の本性知らぬ彼」(東原佐津子)

[似鳥昭雄氏「私の履歴書」] 父の先祖は南部藩家老。戊辰戦争敗戦で北海道花畔村(現石狩市)に入植して開拓民。祖父は馬喰(ばくろう)・酒乱。父は13人兄弟の四男。昭和10年代樺太移住。徴兵、Siberia抑留。母は砂運びの肉体労働もした。22年最後の引揚船で帰国、札幌の祖母の家で居候。雨漏りがひどく、冬は雪が台所に積った。数年後父帰国、札幌の引揚者住宅に住む。父は大工となり、土木会社を作る。母は闇米屋。駐在に呼ばれると「私」を連れて行き、「小さい子がいて食べていけない」と訴える。やがて父が闇米の仕入れと物流、母が販売した(日経)。

April 3, 2015

責任支出をめぐる美濃部・佐々木論争。憲法に規定のない支出を政府が責任をもって行ない、あとで議会の承認を得て免責されるという慣行。支出は議会の承認した予算の枠内で行なわれるのが立憲的予算制度の原則だが、予算の外に予備費があり(69条)[予備費が予算の「内」か「外」かも論争の論点]、緊急の必要があって議会召集の余裕がないときには緊急勅令による(70条)。予備費が少額に過ぎるという問題もあるらしいが、緊急勅令の要件を満たすほどではない場合にも、責任支出の先例が存在した(佐々木惣一は「先例」と「慣例」を区別し、責任支出は先例ではあるが、慣例になっていないという)。・・・もうちょっと考えて、午後に完結する。▼Bubnov生れ変りの件、どうも死者の生れ変りは出生の瞬間でなく、受胎の瞬間に起るような気がしてきた。Bubnovは「アカの他人」か。▼美濃部の責任支出論、読み始めるとなかなか大変だ。この論争が官庁に近い美濃部法学の官憲pragmatism性格と佐々木の立憲主義への忠実の対立というように解釈できるものか、美濃部の議論が後の馬場財政のような軍国主義予算に道を開くことになるのかどうか、この機会にもう少し勉強してみたい。64条2項の「予算ノ外ニ生ジタル支出」が予備費のことを言うという反美濃部説とそうでないという美濃部説、何れが正当か、なかなか難しい。Labandが出てくるが、彼は予算論争で議会の予算否決の効力を骨抜きにしたBismarckに加担した。生臭い話とも関わっている。これは日本憲法学史の切り口として格好だ。▼C氏と会う。日本経済への悲観論。国債もやがて暴落するだろう、と。▼早稲田から身分証明書が届く。これが使えるうちにたまった仕事が片付くか。▼『風雪の碑』索引、昭和初期の左翼青年層の人材、質量ともに層が厚いこと。日本左翼の知識社会学、これは本格的研究対象だ。▼藤森成吉夫妻、本当に無一物の肉体労働者となった。昭和初期左翼は「本気の真面目人間」だ。

[新聞] 高野山結縁行脚(Kyodo-Japan Times)。●2006年にAustriaのTullnで発見された駱駝の骨は1683年Ottoman軍がウィーンを包囲した時のものと判明(AFP-Japan Times)。●「縁切り寺」東慶寺をめぐる川柳:「泥足で玄関へ上がる松が岡」(松が岡は寺の場所)「縁なき衆生を済度する松が岡」(「縁なき」が離婚を示唆)「運のなさ焼餅坂で追いつかれ」(焼餅坂は戸塚にあった)「九里あるよ急がっしゃいと渡し守」(渡し守も妻の味方)「うろたえた女五山をあっちこち」(どの寺か分らぬ)(毎日・余録)[「余禄」筆者は国文出身か。Y氏は西洋古典に詳しかったが]。●谷崎の創作ノート、空襲を恐れ、撮影させて友人に預けた。中央公論社が保管していた風呂敷包みから発見(毎日)。●世界最高齢者はArkansasのGertrude Weaver氏(116)、黒人女性で、長生きの秘訣は「してもらいたいようなことをしてあげる」ことだ、と(Reuters-Japan Times)。●1950年のCinderellaでは、夫を失った寡婦が(継子のCinderellaを下女にして)自分の娘を王侯と結婚させようとする。当時はその夢が適えられるかのようであった。現在は結婚圏は同等収入者間に限られ、そんな夢はあり得ない(Reuters-Japan Times)。●California、住民に25%の節水を義務付け(日経)。●昨年後半からNusra戦線の一部がISに鞍替えした。Assad政権との戦いで消耗した反体制派を駆逐し、勢力を拡大するのがISの常套手段(毎日)。●Kenya東部Garissaで大学を襲撃、Al-Shababがキリスト教徒を人質としている(毎日)。死者147人(毎日夕刊)。●Houthi、Adenの大統領宮殿占拠。地上戦で依然優勢(毎日)。●北京は台湾のAIIB加盟条件として、「二つの中国」ないし「一中国、一台湾」を意味しない名称を名乗ることを挙げている(AFP-Japan Times)。●周永康起訴、収賄・職権乱用・国家機密漏洩(毎日夕刊)。●米露のはざまにあるドイツにはEUという味方があるが、米中のはざまにある日本にはそれがない(西川恵氏)●駿河湾のゴミ汚染、海底ゴミの大半はplastic(毎日)。●元boxing champion阪本博之氏は福岡県の児童擁護施設で育った(日経)。●「仲畑川柳」「報復をしても解決にはならぬ」(たっつあん)「ボールペンちっちゃなボールよく入れた」(猫オヤジ)「指家族やはり父だけ離れてる」(柏原のミミ)

高野山In this Thursday, July 3, 2014, photo, Gertrude Weaver poses at Silver Oaks Health and Rehabilitation Center in Camden, Ark., a day before her 116th birthday. With the death of a 117-year-old woman in Japan, Weaver became the worlds oldest person.Gertude Weaver(116)谷崎潤一郎「細雪」などの創作ノート見つかる谷崎ノートThe nearly complete skeleton of a camel, dating to the 17th century, was discovered along the Danube River in Tulln, Austria.Tullnの駱駝の骨

[最古人類?] Little Footと呼ばれる南アSterkfontein洞窟の骨、Laurent Bruxelleなどの鑑定で367年前と判定された。それが正しいとすると、EthiopiaのLucyと同年代となる。Little Footは雌で、Lucyより大きく、gorillaに似ているが直立で、木登りに適した強力な手をもっている。先史人類の起源にはこれとLucyの二系統が存在したか。これの方が現存人類に近いか(AFP-Japan Times)。

Little Foot Fossil

April 4, 2014

しょっちゅう物を探している。この間は食べようと思っていた朝食のパンがどこかへ行って、だいぶ探した。もっと深刻なこととして、退院後実印が見つからず、「洗濯に出したcoatのポケットに入れておいたのが、寝過ごしている間に持っていかれたのではないか。昼夜逆転で朝寝の間、呼んで見たが、返事がないので預かって帰ったのではないか」と考え(洗濯屋さんの来る日は鍵を開けておく)、今日を当てにしていたが、「よかったよかった、お具合が悪いんじゃないかと心配していた」と言って下さるだけで、ハンコの話は出ない。いよいよ心配になって、あれこれ探すと、この間も探したはずのところから出て来た。一件落着。▼美濃部・佐々木論争、「責任支出」を当てにして、予備費を十分計上しないところにも問題があるか。美濃部には、「議会の事前の同意が必要という原則的な筋は通すべきだ」という強い態度が見られない。その態度を前提とすれば、責任支出以外の制度的工夫もあり得ると思うのだが。旧憲法下における予備費等の運用の歴史を調べるか。どういう調べ方があるか。▼何だか体調が本調子でなく、草加に煎餅を買いに行く。電車の読書に東急ストア二階の書店で松本清張『遠い接近』を買う。自営業者で家業が忙しく、軍事教練をさぼりがちだったことから報復召集を受け、sadist的軍隊生活を体験。南方に送られる中継地として朝鮮に配属された体験は自伝的。留守家族は父の広島で親類の世話になるが、原爆で全滅。自宅も空襲で焼失。天涯孤独となり、焼け跡で軍隊でのsadistにめぐり合う。これでまだ半分くらいだから、戦後が本番だろう。軍隊小説も色々読んだが、実体験を基礎として迫真力がある。清張さんのものは、どの作品も次世代の社会科学の徒が教えられるところが多い(彼は母と同じ1909年生れ)。▼Hさんと渋谷で夕食。一昨年夏亡くなった甥のT氏が虎の門病院11階だったと。私の1階上だ。T氏は食道癌の発見が遅れ、肺癌に転移して、随分苦しんで自宅で死去、62歳。仲が良かった隣のKさんが大阪に引っ越して、寂しい、と。

[新聞] 生命を構成する諸元素は、Big Bangと同時に形成されたのではなく、徐々に星の中で作られた(INYT)。●故樋口隆康氏、SyriaのPalmyraでNike女神像を発掘(西藤清秀氏)(日経)。●谷崎の、最初の妻千代との間の子鮎子宛書簡225点、所有者は鮎子の長男竹田長男氏(68)(毎日)。●戦後世代の戦争小説:高橋弘希(35)『指の骨』、古処誠二(45)『中尉』、Roger Pulvers(70)『星砂物語』、船戸与一(71)『満州国演義』(日経)。●“There are few earthly things more beautiful than a university—a place where those who hate ignorance may strive to know, where those who perceive truth may strive to make others see.”(地上の諸物の中で大学ほど美しいところはない。無知を厭う人々は知を求め、真理を知った人々は他者に知らせようとする)「余禄」はKenyaの大学襲撃事件から、John Masefieldのこの詩を想起した。Kennedyが1963年大学卒業式演説で引用した(毎日)。●米イラン合意は他国の核燃料所有権の主張を刺激するだろう。韓国も(会川晴之氏)(毎日)。●習近平が好んで取り上げるのは張騫と鄭和(坂東賢治氏)(毎日)。●「仲畑川柳」「専門家専門外もよく喋り」(土生肇)「いい顔を使い果たして妻帰る」(笑智心)「金貸して言われて貸さぬ罪悪感」(さくらの妻)「音域を狭めて作るアイドル歌」(山上秋恵)

谷崎書簡

April 5, 2015

昨夜夜中の2時までかかって『遠い接近』読み終える。軍の隠退蔵物資横流しの話が出てくる。昔上杉慎吉を調べた時、七生社出身松岡平市という人にinterviewした。彼は殷汝耕政権という軍の傀儡政権を通じての中国への密輸の仕事をしていた。戦後隠退蔵物資関係で巨富を積んだ。目白で鬱蒼とした広い庭の豪邸に、老夫婦で住んでいた。調べると、昭和17年の翼賛選挙、非推薦で当選したが、選挙違反で失脚したという(その後釜に入ったのが保利茂である)。通州事件の処理にも当たったらしい。戦後参議院議員となり、対韓交渉において、韓国から非難された久保田発言について「断乎撤回すべきでない」という発言をしている。interviewのメモなどどこへ行ったか。「上杉伝」の初出、柳瀬先生の記念論集、book caseだけあって中身がみつからない。七生社の名簿copyもどこに行ったか。書類の整理が悪くて・・・。▼Tちゃんから電話、「叔母ちゃんから聞いた。癌だって?」と。▼土方與志は1933年、ロシアに入国しないという条件で出国しながら、Moscowで大演説をした。それを通訳したのが「作家ファデエス」氏だとあるが(『風雪の碑』p.163)、恐らくАлександр Александрович Фадеев(Alexandr Alexandrovich Fadeev(1901-1956))の間違い(「ス」でなくて「フ」)であろう。彼はSiberia出兵時代に日本軍との戦闘に参加し、その体験を小説にしたというから、日本語を勉強したのだろう。通訳は相当いい加減だった可能性がある。(「ブブノフ」を「ブグノフ」としたり)ロシア語の間違え方を見ると、ロシア語の達人森氏は校正に眼を通さなかったようだ。

[新聞] 冷凍動物園:絶滅の危機にある動物の精子と卵子を冷凍して保存する取り組み(日経)。●Steven Piker, The Better Angels of our Nature[暴力の現代史]:tabooであった暴力の生物学的要因の研究が続々登場している(毎日・読書欄)。●巻島隆『江戸の飛脚』(日経・読書欄)。●Jung Chang, Empress Dowager(張戎『慈禧太后:啟動現代中國的皇妃』)(邦訳『西太后秘録』)(日経)。●新城道彦『朝鮮王公族』(日経)。●小林多喜二は小樽の料理屋に身売りされていた田口タキの500円の前借金を払って身請けしたが、タキは「自分のような者はふさわしくない」と求婚を拒んだ(梯久美子氏)(日経)。●大成建設はBosphorus海峡海底トンネル工事費用未払い分2億㌦の督促状をトルコ政府に送る(日経)。●猫の絵(日経)。●出川通『75歳まで働き愉しむ方法』(毎日・広告欄)[私など引退せよということ]。●「日経俳壇」「陽炎や人の去りゆく仮設棟」(中田昇(いわき))「被爆地の除染終へたる牧開き」(古賀勇理央)「雛壇を少し揺らして夜の地震」(後藤春子)●「日経歌壇」「新しき恋の話も就職も相談相手いつも母なり」(種谷良二)「水音を気づかずにいた足のした暗渠のあったことをいま知る」(岡本文子)「はるかまで荒野となりし津波跡手に手に苗木植えてゆく朝」(深町一夫(南相馬))「花魁の目を奪はるる出立に素足のぞけばかなしかりけり」(石塚令子)「前科八犯この赤い血が人助けするのだらうか輸血針刺す」(金子大八郎)●「終電で化粧などしてどこ行くの」(野原咲子)「散らばった服で昨夜を思い出し」(お鶴)「侵略を開拓と言う西部劇」(竹とんぼ)●「脳トレ」「金歯入れスマイル多くなってきた」(堀普(74))「正直が取り柄だったと嘘を言い」(片岡港吟(83))「座っても立っても邪魔で庭掃除」(多川義一(75))「独り言増えて外出することに」(大熊義和(77))「空財布軽くていいと笑い合い」(桃源郷(77))「弟の将来の夢消防車」(くすえもん(15))「故郷(ふるさと)は望んでないよ錦など」(田中芳史'74))

 

 菱田春草 黒き猫 柿に猫

 

 

April 6, 2015

 

考えてみると、学生の頃遠藤湘吉というマル経の先生の財政学の講義に出たが、全然覚えていない(大内兵衛の本を推奨していた。大内氏は大蔵官僚から出発した。青臭いことばかりは言っていないだろうが、不勉強で推薦図書を読まなかった)。金子宏先生の財政法は選択しなかった。美濃部・佐々木論争を判断するには財政学・財政法の知識が必要だ。少し勉強しなければ。素人考えでは、①初期議会では納税者代表の議員たちが、富国強兵政策を推進する政府の予算を削ることに専心した。しかし選挙区への利権持ち帰りという議員的動機などから、むしろ議会の方が予算を増やそうとする。日清戦争以後は政党の方がjingoistになったし。②超然内閣は善政を布いても悪政でも議会の攻撃を受けるが、政党内閣になると、政権側が公約した経綸を実現しようとして、予算を膨らます。責任支出に否定的な佐々木憲法学は初期議会的で、それに寛容な美濃部が政党内閣的か(坂野氏は美濃部法学の官僚的性格を強調するが、政党内閣の「党官連合体的」なのではないか)。官僚でも実務官庁は予算を増やそうとし、大蔵は削減しようとする。若槻・浜口という大蔵官僚に率いられた民政党(井上準之助の日銀も財政健全化を重視する)が金解禁(円切り上げ)政策を推進したのは、そのことの反映であろう、など。▼「米国の『物量』に負けた」とはおとなたちから何十度となく聞かされたが、どうも敗北の口実に軍が案出した言葉ではないかという気がしてきた。「物量」という言葉の語感からして軍隊用語臭い。発生源は海軍だろう。考証できないか。▼黒っぽい靴下にも、よく見ると少しずつ違いがあり、気になりだすと、洗濯を片付ける時に違っていることに気づく。揃わないものは別にしておいて、同じものが出た時を待つことにしているのだが、なかなか揃わない。▼A氏と夕食。戦後史の実証研究。関係者にinterviewしたいが、旧住所にいないようだ、と。昔住所のへんをうろうろして、結局見つからなかったが、近所の酒屋に訊いたら、「近くの別姓の家の奥さんが娘さんだ」と教えてくれた体験談。これは長澤寸美遠氏の経歴調べの時のこと(妻の『日本工作機械史論』pp.236-7)。専任post求職の困難。何かできるか。X大学のY氏に打診してみるか、など。

 

[Syria遺跡] 内戦が長引くシリアで、盗掘や戦闘などによる破壊で危機に瀕している遺跡の修復や保護につなげるため、隣国レバノンで日本の研究者らが「シリア考古学会議(仮称)」の開催を検討していることが4日までに分かった。遺跡調査に携わった日本など世界約120チームの関係者に呼び掛け、「内戦前の遺跡の姿」の共有を目指す。シリアは東西文明が交わる地で、古代メソポタミアやローマ遺跡の宝庫。会議は12月にもベイルートで開く予定で、シリア側研究者30〜40人、日本を含めた外国研究者ら100〜200人の参加を見込む。内戦前の外国チームの調査結果をシリア側と共有し、将来の修復・復興のガイドラインとしたい考えだ。発起人は日本西アジア考古学会の西藤清秀会長ら。シリア側は内戦で資金が乏しく、開催費用として寄付を集めることも模索する。会議には筑波大や東大、中部大などの研究者が参加する見込みで、西藤会長らがシリア側と詳細を詰めている。西藤会長らによると、奈良県立橿原考古学研究所(橿原市)が中部パルミラ遺跡、古代オリエント博物館(東京都)が北西部テル・マストゥーマ遺跡などを調査してきた。2011年の大規模デモに端を発した内戦の混乱でパルミラが盗掘を受けるなど、多くの遺跡の状況が懸念されている。国連教育科学文化機関(ユネスコ)は13年6月、パルミラなどシリアの世界遺産6件を「危機遺産」に登録している。西藤会長は「会議で外国チームが内戦前にまとめた調査結果をシリア側に伝えられれば、盗掘跡と調査箇所を明確に分けることなどができ、内戦後の修復や復興支援につながるのではないか」と期待している。(Kyodo-Japan Times)。

 

 

[新聞] 善光寺御開帳。前立本尊(毎日)。●家光が夢に見たという八尾狐を狩野探幽が描いた作品発見(毎日夕刊)。●1945年4月7日戦艦大和沈没。「総員死ニ方用意」と書かれた黒板が砲塔に掲げられた(毎日)。●園田(西谷)天光光氏(1月29日死去、96歳):上野地下道に放置された餓死者の群を見て「餓死防衛同盟」を結成。黒川能の女人禁制を破って舞台に立った。早大法学部で男子学生と並んで学んだ。園田直議員との白亜の不倫の恋(毎日)。●池田勇人の浅沼追悼演説:議場はシーンとなり、ヤジはなく、節目節目で拍手が湧いた。これで局面が変った(山田孝男氏)(毎日)。●Cairo中心部で爆発(毎日)。●Kenya: 大学襲撃犯人たちはSwahili語を話した。  Somalia系Kenya人か(毎日)。●故趙紫陽追悼に集った民衆を警察が阻止(日経)。●中国でfeminismが弾圧の対象となっている(INYT)。●水俣の甘夏蜜柑は「きばる」(毎日・余禄)。恐らく九州弁の「頑張る」という意味に由来するだろう(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/hogen.html)。●片岡球子点(日経)。●「毎日俳壇」「若き日の母と寄りたる種屋かな」(小川弘)「子の摘みし蓬も加へ蓬餅」(竹内すま子)「韃靼の蹄の音や霾(よな)ぐもり」(伊藤敬介)「掛け軸の桃源郷も霞かな」(池田壽夫)「遠くから響く鐘の音風信子」(加藤裕子)「阿修羅像微光を放つ春の闇」(森川勧)「交番に忘れ物めく風信子」(笹沼郁夫)「独りの灯消して一人の春の月」(清水呑舟)●「毎日歌壇」「ひさしぶり再雇用され戻る街若者ばかりに擦れ違いけり」(二宮正博)「うららかな冬の日射しに騙されて慌てん坊の土竜塚あり」(まえだいっき)「紅をさし終うる頃にはできあがる今日会う人との心づもりが」(冨田みほ子)「悲しみのあふれさうな日いにしへの反り美しき塔を見に行く」(中村有為子)「鍵盤をスタッカートを弾くように朝の階段子が降りてくる」(風花雫)「衣食欲る世のありし証(あかし)『餓死防衛同盟』のひと天光光さん逝く」(三井一夫)「クリオネの食事の瞬間妖怪の奇々怪々の触手現る」(五十嵐由美子)●「仲畑川柳」「ジョギングで鍛えた脚が徘徊し」(邪素民)「コンビニで一言しゃべるだけの日々」(鴻巣山阿防)「大降りになって祝辞を少し変え」(志山克風)「孫がなくうちで途切れるDNA」(トシノ)「痛いとこ突かれて総理ムキになる」(ふくちゃん)「忘れ物取りに戻って家出止め」(狩野稔)「ゴミの日にゴミを出すこと生きること」(阿Q)「出番なく持参のギャグを持ち帰る」(麦そよぐ)「パートから好かれる人はせぬ出世」(舞蹴釈尊)                                                                              

 

クリックすると新しいウィンドウで開きますHyacinthus orientalis風信子(hyacinth)Image of Clione limacinaclione             八尾狐図

立本尊

《面構 葛飾北斎》1971年 神奈川県立近代美術館

片岡球子「北斎」

 

April 7, 2015

 

昨日古書店で山田秀三『アイヌ語地名を歩く』入手し、電車等で読む。北海道新聞連載columnを集めたもの。アイヌ語地名の大半は地形から来ているから、現場を見て意味を確認しなければならない。日本人が勝手に音訳して漢字を当てた(しかも多くは東北弁)。青森県の野辺地も「ベジ」は川の「ペツ」に由来する。「ベツ」はちゃんとした川、「ナイ」は小さな川という区別もありそうだが、樺太では「ナイ」、北千島では「ペッ」だとか。東北の地名の多くのアイヌ語。やはり蝦夷はアイヌ人だ、と。アイヌの長老やアイヌ研究者の先達たちとの付き合いなども。足を使った研究の模範である。調べると、著者(1899-1992)は東大法卒の官僚(農商務省)で、退職後北海道曹達社長。妻片山総子(1907-1982)は作家で、堀辰雄の恋人、『風立ぬ』の絹子、『菜穂子』の菜穂子のmodel。その母片山廣子(1878-1957)は佐々木信綱に師事した歌人で、Ireland文学の翻訳家(筆名松村みね子)。外交官吉田次郎の長女で、大蔵官僚・日銀理事片山貞次郎(1871-1920)の妻。芥川『相聞』に登場する。

片山廣子

][新聞] 米国国会図書館の情報技術の運営に欠陥があるとして、James Billington館長が批判されている(INYT)[私の在米中Billington氏はCenter長で、一同彼の私邸に招かれた。ちょうどFootball seasonで、テレビを見ながらその解説をした。Washington Redskinsの興隆期で、hogという新攻撃方法が注目されており、その解説を受けたが、よく分らなかった]。●「私」はDNA関係の勤務をしていたが、12%の被験者が父と血縁が存在しなかった(INYT投書欄)[投書者はCalifornia人]。●かつて自国民流出防止の防壁作りに必死だったBulgariaは、中東・北Africaよりの人口流入防止に必死になっている(INYT)。●Kenya軍、Al-Shababの拠点を空爆(毎日)。●TikritでShia派民兵が略奪・放火(毎日)。●Adenでの戦闘、双方で一日間少なくとも53人死亡(毎日)。Yemen南部一日の死者100人以上(日経)。インドは交戦地域に住むインド人の救出船を派遣した(INYT)。●Pakistanは中国より核missile付き潜水艦を購入した。インド全体を射程に置くことができる(INYT)。●「粛々」は『詩経』では鳥の羽音の擬音語。「集団で秩序を保ちつつ遂行するさま」。近年用例が増えている(毎日・余録)。●福建省漳州のparaxylene工場で大規模爆発(日経)。●「仲畑川柳」「迷ってる熟慮している訳じゃない」(岡良)「セールスと長話する定年後」(西博隆)「ネクタイもカツラもはずしさあ定年」(柏原のミミ)「ハチミツの恋から和三盆になり」(お鶴)「あなたこれ何ですかって妻が呼ぶ」(宮本佳則)[「和三盆」はmildな味の四国の砂糖らしい。濃厚な恋が穏やかな愛に変るということか]

 

福建漳州の工場爆発

 

April 8, 2015

 

福岡のY氏が筍を送って下さる。彼は助手の頃、非常勤で行った気象大学校の学生。以後細々と文通を続けてきたが、昨年何十年ぶりに再会した。彼も定年退職後。▼昭和初期の青年たちにとって、Marxismには直観的な説得力があった。貧富の差、迫りくる軍国主義。青年同士の論争において、彼らは無敵というほど強かった。こうして燎原の火の如く彼らの心を捉えた。既存の秩序は何もかも間違っている。今や世界は根底から覆ろうとしている、と。実際『風雪の碑』の人名索引を作り始めるまで、その人材の層がここまで厚いとは思っていなかった。著名な運動家・知識人たちの下には、無名の支持者・sympathizersのpyramidがあり、大読者層があった。私の母なども中途半端ながら、そういうところに属していたらしい(結婚決定と同時に、左翼系の本を捨てたのではないか)。核心には、未来の楽園への幻想、自由と計画の両立という安易な想定、ソ連への幻想があったのだが。社会科学者の一員として、この現象を総体的に捉える必要がある。▼敗戦は、彼等に終末論的感激をもたらした。獄中から彼らは英雄として迎えられた。多くの人々は、いよいよ日本はMarxism革命の段階に入ったと感じた。『改造』の野坂・鹿地対談は、司会者の方が革命の展望に酔っている。左翼の世界では、繰り返し、繰り返しこの感激が語られてきた。冷戦とStalinismの現実の中で、sympathizersの層は質量ともに下降していくが。▼realismを「プチブル的」として軽蔑する精神的態度は、右翼にも共通している。terrorismによって簡単に世の中が覆るとした血盟団などの行動様式がそれで、父も時々「小市民的」という言葉を使った。こういう世代、こういう精神形態をもたらしたものは何なのか。▼Fさんから新年度挨拶?の葉書。彼女とは京都で仲間になる。▼『憲法問題入門』冒頭、あざみ野駅への買い物の途中で少し考え、少し書いてみる(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/kenpoumondai.html)。まだまだ変るが。▼佐藤幸治氏から『立憲主義について』という本を拝受。近代憲法の本質は立憲主義なのだ、ということであろう。「正義であれ、国家理性であれ、近代憲法原理以上の価値を認めない」と、それを定式化すれば、それはcontroversialな法哲学的立場であろう。▼人名索引、あと50頁足らずだが、春休み中に終らない(明日から授業)。坂本三喜と言う人物が見つからずに時間を喰ったが、三善の間違いだと発見など。教育学者藤岡信勝氏がMarxist Hegelian舩山信一氏の姪の夫だということが分ったり。

 

[Venezuelaと野球] 米国のプロ野球teamsは中南米などにbaseball academiesという学校を開き、青年たちに野球を教授するとともに、有望選手を発見しようとしている。Seattle Marinersは、治安の悪化と反米政策の故に、そのacademyをVenezuelaからDominicaに移す。現在Venezuelaでacademyを開いているPhiladelphia Phillies、Detroit Tigers、Tampa Bay Rays、Chicago Cubsも来年早々には他に移すらしい。野球はVenezuelaの国民的熱狂対象であり、米大leagueに多くの選手を送り出していることは国家的誇りであった。2002年には21もあったacademiesは、Chavez政権以後減り続け、遂に消滅しようとしている(INYT)。

 

[新聞] 佐藤春夫の息子方哉の遺品の中から、新宮中学当時(1904年)の春夫の日記発見(日経)[「宣戦詔勅」とは日露戦争]。●Palau: 5・6歳の子供が栄養失調でどんどん死んでいった。戦後軍の備蓄から米や味噌などがどっと出て来た(日経)。●父親は大陸で死去。母子6人、何とか新京時代を生きのび、コロ島から佐世保へ引き揚げてきた(別役実氏)(毎日夕刊)。●1日長寿世界一になったばかりのGertrude Weaver氏(116)6日死去(毎日)。●AustriaはIslam組織への外国援助を禁止しようとしている。主としてはSaudiとトルコが援助国である(INYT)。●ギリシャのTsipras首相がこの時期にMoscowを訪れて、Putinに援助を請うのは、賢明とは思われない。ロシア自身が石油値下がりと西側の制裁で火の車である。いよいよ債権国独仏などEU諸国よりの疎外を招くであろう(INYT)。●ロシアや中国の近況を見ると、computerもOrwellの描いた監視国家を強化するか(手毬氏)(大機小機)(日経)。●IS、Syriaでは攻勢を続けている(日経)。●福建の工場事故、onlineには政府批判が殺到している(AFP-Japan Times)。●農民工などの(strikeを含めた)労働争議が拡大している。「労働運動を抑圧する労働者党とは」と(AP-Japan Times)。●学生用語「特ア」:韓国・中国・北朝鮮、「何を言ってもムダ」と(毎日)。●大学教員の研究時間が教育にとられて激減している(日経)[要するにサービス業の職業倫理を大学教員に適用しようとしている]。● 昭和30年前後の東京では、上方に落語があるという認識は殆どなかった(濱田元子記者)(毎日)。●家出、解雇、破天荒な青年時代回顧が続く。似鳥昭雄氏の「私の履歴書(日経)。●「お前江戸っ子だろ。格好悪い」と母に叱られた(林家正蔵氏)(毎日夕刊)。●「慰霊地は今安らかに水をたたふ如何ばかり君ら水を欲りけむ」(皇后)「激しかりし戦場(いくさば)の跡眺むれば平らけき海その果てに見ゆ」(天皇)(毎日・余録)。「いまはとて島果ての崖踏みけりしをみなの足裏(あうら)思へばかなし」(天皇)(日経・春秋)。●「仲畑川柳」「予約日を選び無職を皮肉られ」(松本重雄)「白髪でも美人はありと知る六十路」(おっとー)「敬遠のボール振るよな恋だった」(破夢列徒)

佐藤春夫が旧制新宮中学に入学した明治37年の日記(新宮市立佐藤春夫記念館提供)佐藤春夫日記

 

April 9, 2015

 

考えてみれば、戦後の大学インフレの中で、その経済学ポストの多くをマルクス経済学者が占めたということは、昭和初期から戦中期にかけて、どれだけのマルクス研究者が存在したかを示している。「戦後日本経済においてマルクス経済学の果たした役割如何」という問題も興味深い。古典経済学を基礎とした再生産表式論は、粗削りながら、資本主義経済の分析として優れている。Marxが鍬を入れた経済史は、様々な実証的研究の端緒となり得る。実際日本資本主義論争以来、マル経学者の多くの精力は経済史に注がれた。ただ中企業が淘汰されて大企業の独占的支配となり、生産過剰となって資本主義が崩壊するという予測は、亡妻の説では繊維工業をmodelとして、機械工業のpyramid型構造を看過したために誤ったという。労働価値説は、実証的根拠のまるでない倫理神学のドグマである(なぜSmithやRicardoが労働価値説を信じたのか、不思議だが)。マル経出身経済人の追跡調査などがあると面白いのだが。▼『民主主義』小文のゲラが来る(mailで)。spaceが余ったので、「ピラト的懐疑」に簡単な括弧内解説を附した。▼授業に行ってみるが、学生が誰も来ない。①定年後6年も経つと、卒業直後の学生とは縁がなくなっている、②ドイツ語で研究する院生が激減している、③KelsenやSchmittは日大法学部現役教授たちと無縁になっている、等の理由か。一般的背景としては、院生の就活浪人化、学部の実務家養成機関化がいよいよ進行していることがある。同様にして開店休業になる老教授の院講義も多いと聞いている。釜池・松岡両氏が見えて、一時間ほど喫茶。大木民夫先生の政治的正統性の系譜学:Puritan革命→Locke→アメリカ革命→日本国憲法、と。今日は未開講と思った可能性もあるから、来週一応来てみる。一年木曜が空くならば、国会図書館か早稲田に行く日とするか。

 

[新聞] brontosaurus(雷龍)と呼ばれていたものが、専門家たちの意見によってapatosaurus(迷龍?)と改称されていたが、最近の研究でbrontosaurusに戻すことになった(INYT)。●Botticelliは「小さな樽」を意味する(毎日・余録)[元来は小太りの兄の仇名らしい]。●1944年10月、新聞は台湾沖航空戦で「轟撃沈破実に57隻」「敵機動部隊の過半を潰滅」と書いたが、実は日本軍は300機以上を失い、米軍の損害は空母一隻の小破、巡洋艦2隻の大破に過ぎなかった(毎日)。●戦争末期機械maker「不二越」で働かされた韓国人女性5人が一億ウォンの損害賠償を求める訴訟をSeoul地裁に起こした(毎日)。Spainの失業率は25%、世界大恐慌時の米国失業率のpeakが25%だった(松元崇氏)(毎日)。●インドの盗品古美術を各国の博物館等に売りさばいてきたSubhash Kapoor。購入した博物館からの返済問題(INYT)。●Guamは中国missileの射程距離。Bashi海峡をめぐる米中緊張(金子秀敏氏)(毎日)。●「仲畑川柳」「想像にお任せするという肯定」(長谷川正利)「親が子を殺す治安の良い日本」(お鶴)「観光地寺社の賽銭ドルもあり」(小藤正明)「無力ではない微力ではあるけれど」(水野タケシ)「かたづけるなんて昔は嫁に出し」(B型人間)「検査後に妻がやさしくなり不安」(忠公)

apatosaurusbrontosaurus“Maharaja Serfoji II of Tanjavur and his son Shivaji II,” an Indian painting from the mid-19th century in the Peabody Essex Museum collection. Kapoorの盗品

 

April 10, 2015

 

「聞き飽きる」ということがある。真実であっても、同じことを何度も聞かされると、別の観点に耳を傾けたくなる。これはある意味では健全なことなのだが、他方で真実を粗略に扱う危険がある。戦後民主主義的言論は、「聞き飽き」られた。Japan Timesなどでの「知日派」外国人の日本に対するお説教は、日本の進歩派・良識者たちによって語り尽くされたことが多い。「なるほど外国の有識者は今でもこういう観方をしているのだ」と参考にはなるが、「もう聞き飽きた」という印象のものが多い。「何かこれまでとは一味違った言論に接したい」という願望は、当然の真実から人心を遠ざけるという危険を孕む。新登場した言論人が、しばらくは注目を集めるが、やがて飽きられる。そこで何か転換を図って、言論界に生き残ろうとする。こうして転換に転換を重ねていると、真実や真意が何だか分らなくなってくる。▼「戦時における日本の罪悪」、日本人は悟らないのではなく、聞き飽きたのだ。しかし聞き飽きたからといって、耳を傾けない権利が生ずる訳ではない。安倍内閣、沖縄のように恒常的に不当な待遇を受けている人々の発言に、「聞き飽きた」と言って耳を背けているか。▼親殺しは「のらくらばかりして」と恒常的に言われている息子によって犯される。親を殺さずに、自分が働きに出れば解決するのに。日本も、聞き飽きたと言わずに、中韓にもう一度筋の通った贖罪をすべきだろう。▼昨日鞄の中に入っていた今谷明『信長と天皇』、電車で少し読む。武士の貴族文化に対する劣等感。京都出身の著者の心理的志向とも関係があるか。▼控室で杉下氏と会う。外交官だった父君のこと。ドイツ大使館時代のことなど。▼ゼミ: 日本近代史、二等国家、明治20年代から自信がつき、お雇い外人を帰す。日清戦争。植民地支配に「目覚める」。日露戦争、満洲の利権、まで。あとは来週。

 

[新聞] 「花疲れ」のseason。「春の野に霞たなびきうら悲しこの夕影に鶯鳴くも」(家持)(毎日・余録)[昨今薄ら寒く、そういう感じでもないが]。●伊藤野枝の養父代準介、頭山満と連なる人物、野枝の理解者であった(矢野寛治氏)(日経)。●水素は環境にやさしいか、水素を取り出すためには二酸化炭素が出る(横風氏)(大機小機)(日経)。●Tibetの共産党首脳はTibetの寺院に中国国旗を掲げることを要求している(AP-INYT)。●中国はNepalへの鉄道延長を考慮中(AFP-Japan Times)。●南シナ海における中国の「陸造り」(INYT)。●漳州化学工場災害で3万人近い人々が避難した(AFP-Japan Times)。●夫の転勤が妻のcareerを阻害する(毎日)。●23歳で開いた店名「似鳥家具卸センター北支店」、他に本店があるように思わせた(似鳥昭雄氏)(日経)。●「仲畑川柳」「元気出せ言われ出た人いるのかな」(舞蹴釈尊)「三歳の時代もあったのに老人」(新橋裏通り)「妻と母どっちの愚痴も一理あり」(立地Z骨炎)「上り坂だけど楽しい出世道」(佐伯弘史)「配られたカードのような人生だ」(カトンボ)「金は二の次働く七十」(夢の市)「社の会議英語になってすぐ終る」(燦泥舞日)「喧嘩中今日は自分でシップ貼る」(西幸子)

中国の陸造り

April 11, 2015

昨日電車で福永文夫『日本占領史』読み始める。「あとがき」で五百旗頭・天川両氏に謝辞を述べている。知らないことも色々あり、思い違いしていたことに気付かされることもある。私の占領研究も本格的ではなく、「初期の基本的指令」(Basic Initial Post-Surender Directive to Supreme Military Government in Japan)という重要文書の存在に気付かなかった(http://www.ndl.go.jp/constitution/e/shiryo/01/036/036tx.html)。早速読まなければ。極東諮問委員会(FEAC)の発足に関する事情(pp.41-2)についても何も知らなかった。MacArthurは「新しい任務について何ら説明を受ける機会もなく日本に向った」(p.29)と。そうではないかとは推測していたが。「三布告」をめぐる直接統治と間接統治に関する混乱の背景、「初期対日方針」の写しがMacArthurに届いたのが8月29日であったことなど。日本の降伏が予想外に早かったため混乱したのだ、と(p.39)。やや玄人向きの本で、叙述は平板、学生に推薦しておいたが、難渋するかもしれない。「歴史のドラマ」という発想に乏しい。▼『風雪の碑』:天野貞祐『道理の感覚』が蓑田胸喜らの攻撃を受け、絶版。その際関与した京大配属将校「川村」大佐が河村秀男(1893-1939)という人物であること(p.229)を調べるのに時間を喰う。小野康人が小野浩二になっていたり(p.245)、間違いも少なくない。▼零時過ぎ、一応索引作り、終る。軍国主義時代にのさばったような人種をのさばらせてはならない、というのが第一の感想か(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/Fusetsu.html)。これで森正蔵『旋風二十年』(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/senpu.html)『転落の歴史』(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/tenraku.html)『戦後風雲録』(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/huuun.html)と併せた四冊、索引終る。何となく列挙されているように見える多くの人間の生きた像を垣間見るという試み。やってよかったと思う。もう一冊『挙国の体当たり』という戦中日記があり、これもやるか、という問題がある。他方で『日本人の国家観』、書き直し、整理の締切が連休明けで、英語で書いてNagata氏に独訳してもらわねばならぬ。やはりそちらが優先か。日記は非有名人が多数出てきて、生卒年が難渋するだろうし。

[新聞] 辺野古沿岸部の埋め立て予定地で、中世に琉球王国などが用いた「碇石」に似た石が発見された(毎日)。●歌麿の肉筆「西王母」、Roger Weston氏が昨年New Yorkの画商から購入した。西王母は中国の伝説上の仙女。14日から大阪市立美術館で展示(日経)。●山田耕筰は岩崎小彌太の支援を受けて1910-13年BerlinでMax Bruchに学んだ(日経)。●Pikettyの議論は、資本所有者が収益を消費せず、労働者が貯蓄しないという前提から成り立っている(魔笛氏)(大機小機)(日経)[その通りかどうか私は知らないが]。●石原莞爾が「八紘一宇」と言ったので、東条は対抗上「八紘為宇」と言った(保阪正康氏)(毎日)。●「中国人は劣等だから、貧しくて汚い服を着て力仕事をするのは当然だと思っていた」(山田洋次氏[満洲時代])(毎日)。●「仲畑川柳」「それどころではない時に気づく些事」(ぼうちゃん)「昨日のヘリ何だったのか待つ新聞」(小田八千代)「女子会のルールにないよ秘密保持」(毎日珍文社)「子供なら子供騙しに騙されず」(山上秋恵)「年をとり知人はみんなあの世行き」(ミーコ)「AVを消したら俺のアホな顔」(柏原のミミ)

写真辺野古の碇石

April 12, 2015

Marxismのmeritsは非常なものだ。支配階級の青年たちに、社会の底辺の社会層への視野を開き、その立場に立って物を見ようとさせたこと、社会の支配的Ideologieに非妥協的に体当たりしたこと、西洋啓蒙思潮の過激な諸潮流を日本に導入したこと、我々も自覚しないままにその影響下にある。現在の青年知識人たちの「Marx忘れ」には憂慮すべき点もある。結核に身を蝕まれながら、社会に向って毒舌を吐き続けた大森義太郎のような人間像には独自の魅力がある。左翼の欠陥や誤謬については充分論じて来たので、しばらく再評価に向かうか。「しばらく」と言っても、余命もしばらくだから、晩年の全部になる可能性もある。▼高校時代の左翼的友人たち:生涯共産党内で過ごした平山基生は「僕はnationalistでねえ」と言っていた。岩田昌征は皇室romanを謳う短歌を作り続けている。視野の縮小。世界の現実の中で、地球的規模での底辺からの革命も底辺の救済も不可能だからだ。MarxよりもMalthusが正しかったか、という問題に連なる。▼T氏のTierra del Fuego旅行記、「ふいご」はPortugaleseのfuego(火)が語源だ、と。▼歩きながら、英語のthoughはドイツ語のdochと関わるのではないかと考えたが、調べればその通り。▼啄木の歌集がどこへ行ったのか、ちょっと見つからない。Pulvers氏の英訳、他は英語から「もと歌」を探し出したが、一首だけ分らない。Every individual is a prisoner of self.  The heart cries out forlornだが。昔から節子夫人が可哀想で可哀想で。そばにいたら何とか力になって上げたいと思ってきたのだが。宮崎郁雨という人物が啄木・節子の晩年節子を庇ったらしい。啄木の無責任さに唖然として、何とか助けようとする男が出てくるのも自然で、「不倫」だなどと言うべきではなかろう。盛岡出身のT子さんが今病苦と貧苦で苦境にあるそうだ。しかし実際には、孤老の女性たちが身辺に色々いて、苦境にある人たちに次々に接近するという訳にもいかないし。

[英訳啄木短歌] Roger Pulvers氏の啄木短歌翻訳(Japan Times)

「たはむれに母を背負ひてそのあまり軽きに泣きて三歩あゆまず」(I lifted my mother onto my back. She was so light I wept, stopped dead after three steps)

「雨降ればわが家の人誰も誰も沈める顔す雨霽れよかし」(The rain brings out the worst in every single member of my family.  Oh for one clear day!)

旅を思ふ夫の心 叱り泣く妻子の心 朝の食卓」(A husband intent on getting away, a wife intent on scolding, a child on bawling₋₋ Ah! the breakfast table!)

その頃は気もつかざりし 仮名ちがひの多きことかな、 昔の恋文!」(There are so many spelling mistakes in those old love letters.  I never noticed until now)

クリストを人なりといへばいもうとの眼が かなしくもわれをあはれむ」(I grieved me that my little sister looked upon me with such pity when I said, "Jesus was just a man")

ふるさとの訛りなつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」(I slip into the crowd just to hear the accent of my faraway home town)

「子を負ひて の吹き入る停車場に われ見送りしの眉かな」(My wife came with our daughter on her back.  I caught sight of her eyebrows through a blanket of snow)

「小奴と いいし女の やわらかき 耳たぼなども 忘れがたかり」(I can't get them out of my mind₋₋Lovely Koyakko's soft earlobes among other things)

「意地悪の大工の子などもかなしかりに出でしが生きてかへらず」(The nasty carpenter's son: It's saddening. Among many the young man went to war to come back dead)

地図の上 朝鮮国にくろぐろと 墨をぬりつゝ秋風を聴く」(I hear the antumn's wind blowing as I blacken in a map of Korea)

「病室の窓にもたれて久しぶりに巡査を見たりとよろこべるかな」(Oh the joy of leaning out the window and for the first time in ages catching sight of a policeman)

「脈を取る手のふるひこそかなしけれ医者に叱られし若き看護婦」(I feel so sorry for the young nurse dressed down by the doctor because her hend trembled on my pulse)

「何がなしに頭のなかに崖ありて日毎に土のくづるるごとし」(There is a cliff inside my head.  And day by day a fragment of earth crumbles off it)

「はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざりぢっと手を見る」(However long I work, life remains a trial.  I just stare into my palms)

友ももかなしと思ふらし―― 病みても猶、 革命のこと口に絶たねば」(Nothing seems to disconcert my wife and friends more than my going on about revolution even when struck down by illness)

ドア推してひと足出れば、 病人の目にはてもなき長廊下かな」(One push of the door, a single step and the corridor seems to stretch as far as the eye can see)

「話しかけて返事のなきによく見れば泣いてゐたりき隣りの患者」(I called out to him but he didn't answer.  The patient in the next bed was weeping)

[新聞] Phyllis Birnbaum, Manchu Princess, Japanese Spy: 女流作家の川島芳子伝(Japan Times)。●広島県物産陳列館が原爆ドームへ(毎日・余録)。●AIIBは資金調達を資本市場に依存するため控えめな事業規模となり、世銀やADBに並ぶ格付けを得るのが難しいため、資金コストが高くなる可能性がある(Kent Calder氏)(毎日)。●「スマホやめますか、信大生やめますか」(信大学長)(毎日)。●愛新覚羅溥任氏(96)(溥儀の弟)死去(毎日)。●Japan TimesのCrossword Puzzle(米国のword game企業が製作): Japanese protein sourceという問題、答えはEDAMAME。Kimono wearersはGEISHASで、seedless mandarin orangeがSATSUMAだと。これは聞いたことがない。調べると、温州蜜柑、日本の薩摩から欧米に導入されたものらしい。●「日経俳壇」「明日からは職探す子よ卒業す」(小池正利)●「日経歌壇」「宇宙なんて言葉はまるで知らぬげに青空に浮いている綿雲」(山上秋恵)「心地よき風ある丘に土筆摘む手鏡ほどの港見下し」(越前春生)「機影へと機を重ね終へ着陸す翼揺らして陽炎の中」(丹羽利一)●「仲畑川柳」「間違えた道なら早く引き返そ」(きみちゃん)「最後来てただゴクロウのエライ人」(冨田英一)「団塊は施設の入所でも競い」(よねづ徹夜)「ご無沙汰で始まる手紙ばかりなり」(お鶴)●「脳トレ」「言えました今日は何日何曜日」(加藤邦彦(70))

川島浪速と男装の芳子

April 13, 2014

地方選挙、札幌市長選を除いて自公の圧勝。Kelsenは1913年の評論Politische Weltanschauung und Erziehung(政治的世界観と教育)で、政争は人間の闘争本能の産物で、人間は実質的対立があろうとなかろうと党派に分れて争うのだ、米国の共和党と民主党の間に政策上の本質的対立など存在しない、両党の綱領をある日そっとすり替えても誰も気づかないだろう、と言っている。私もかつて、「300対800が対立して激しく争っているが、それが解決して最大の争点が30対80になったとしても、政争の激しさは変らないだろう。それが解決して3対8が最大の争点になっても同様だろう」という趣旨のことを言ったことがある。1913年のAustro-Hungarian Empireは、滅亡の寸前にいながら「太平のまどろみ」の中にあったのか(Stefan ZweigのDie Welt von Gestern(昨日の世界)そのまどろみの状況を描いている)。Kelsenの観察もそうような状況を背景としている。実際には帝国の存廃という巨大なalternativeの前にあったのに。ところで、現代日本はalternative(選択肢、代案)がない状態になっているか。外交は共産圏がなくなって、「ソ連の手先」もいなくなった。対中韓関係も、「言わせておく」以上の抜本的改革は、国民感情が許容しない。内政は財政赤字と社会の老化で、じり貧の減速以外に手の打ちようがない。野党も抜本的代案を提出しようがない。Kelsenの言うところに反して、政策対立の規模の縮小が政争の激しさの縮小をも招いているか。▼銀行で今後について相談。遺言、保険、生前贈与、孫の教育補助等。長女も次女も将来に未確定のところがあり、特にこの家を何れに相続させるかが決断できない。色々検討したが、当面何もしないことにする。▼中村孔一氏より電話、「鈴木真彦氏が帰国し、『高校時代の連中と会いたい』と何人か名を挙げた中に君の名前も出ていた」と。同級生とはいうものの、世界一流の理論物理学者、雲の上の存在なのに記憶の片隅に留めて下さっていたとは光栄なことだ。西原(曽田)蕭子さん、四方君、石谷炯君の名前も出ていた、と。▼加藤尚武氏が同氏の喜寿記念論集『生の倫理と世界の論理』送って下さる。加藤氏ほどの人があれだけHegelに打ち込むのだから、Hegelの「偉さ」を虚心に見直す必要があろうかと考えているところで、中の関連論文を読ませて戴こう。物理現象の中に生命現象が内含されているということから、哲学史理解を全面的に再検討すべきなのだが、他のことが忙しく、中途半端になっている。哲学と名の付く学問をしながら、このままで死んではいけないだろう。▼Chicagoで昨年6月28-8日開かれたHans Kelsen in America: An Interdisciplinary ConferenceはオランダのSpringer Verlagで刊行される、と。

鈴木氏

[新聞] Panamaで開催中のMaduro大統領の「影武者」がCNNに撮影された。妻Ciliaの替え玉も(毎日)。●四川省Kardzeの修道院で尼僧Yeshi Khando氏が「中国支配に対する抗議とDalai Lamaの帰還」を叫んで焼身自殺した(INYT)。●大阪市議選、民主11人の候補者全員落選(毎日)[我が青葉区も10人立候補7人当選に、民主2人落選]。●路上生活者に若者が増えている(毎日・余録)。●「仲畑川柳」「競馬場帰りのバスはみな無口」(麦そよぐ)「おっぱいがあたらぬようにラッシュアワー」(お鶴)「大丈夫君が言うから心配に」(柏原のミミ)

April 14, 2015

中川八洋氏が丸山真男の親ソ主義を攻撃しているblogを知る。私が最初渡米してアメリカ英語が分らずうろうろしている時助けてくれた。Kelsenの次女Maria Federさんの家(生前のKelsenの家だが)に一緒に行った。彼の英語もbrokenだったが、私よりはしゃべれた。あれ以後つきあっていないが、だいぶ荒っぽくなっている様子。私の反丸山感情も、自由主義者の反ソ主義を「たしなめる」内容の「ある自由主義者への手紙」への反撥、講義でLeninが「国家と革命」のanarchist的思想から、革命の過程で独裁主義に転じたことを政治的叡知として讃えたことなど、彼の親ソ主義に由来する。江戸思想研究には随分影響を受けたが。60年反安保闘争も共産圏の軍事的利益が主動因で、民主主義など何も関係がないと、当時も思っていたし、今も思っている。ただ河上肇のソ連に対する敬虔ともいうべき態度などを見ると、昭和初期左翼の対ソ感情は、現代の常識では律しきれないところがある。▼Tちゃん、69歳の誕生日だと。彼女の14歳からのつきあいだが。▼こういうblogでも、ある主題を取り上げようとするとき、「きれいごとですませればこうなるな」と一応思う。新聞論説の見出しを見て、「きれいごとかな?」と覗いてみる。▼ひょっこりA氏に会い、喫茶店に行く。「常温核融合」(cold fusion)について情熱的な話を聞く。1989年にFleischmannとPonsによって成功したと発表されたが、追試に失敗。学界からインチキとして見放されたが、なおその可能性の追求が続いている。特に無資源国家日本にとっては重要で、一時通産省が推進した、とか。▼『挙国の体当たり』生卒年抜きの索引に手をつける。なかなか大変そう。

[新聞] 昔から裁判官や警察官は存在したが、検察官は19世紀初頭にフランスに登場した。英国では検察官に当る国家機関は存在しなかった(但木敬一氏)(日経夕刊)。●日本電報通信が配信した写真200毎発見。ナチ・シンパと言われたBernard Shawと米女優Marion Davisの後ろにChaplainが冷やかな表情で続いている写真など(日経夕刊)。●ナチの暗号Enigmaを解読したAlan Turing(1912-1954)の手書きノートがNew Yorkの競売にかけられた(日経夕刊)。●1950年代のHarvardには女性立ち入り禁止の図書館があった。feminist economicsの先駆者Barbara Bergmann氏(87)死去(INYT)。●フィリピンは、「中国の埋め立てが120htにわたるサンゴ礁を破壊している、生物多様性や生態系の均衡を、広範囲にわたり、復元不可能な程度にまで損傷させている」と非難した(毎日)。●周永康と結んだ石油界の大物蒋洁敏の汚職裁判開廷(AP-Japan Times)。●ネット世界での「煙独現象」。第二次大戦へのドイツの反省と日本の無反省を対比する議論に対するネット世論の反撥、と(毎日夕刊)。●鈴木大介『最貧困女子』、大和彩『失職女子』など若い女性の貧困が注目を浴びている。もちろん結婚の外にはみ出した中高年女性の貧困の問題も変らない(上野千鶴子氏)(毎日夕刊)。●「毎日俳壇」「車座に犬もまじりて花筵」(木村良昭)「畑返す老いの一振り狂ひなし」(井上節夫)「小説をしばらく伏せぬ春の月」(望月清彦)「孫の世を信じて苗木植ゑにけり」(北埜裕巳)●「毎日歌壇)「春潮の錦江湾の明るさよこの世に悲という語のなきごとし」(岩元秀人)「うるさいと思いしことがなつかしい夫逝きて音ひとつなき部屋に」(竹内治枝)「どこへでも携帯かけくるを疎みしをもう聞くことのなき夫の声恋う」(竹内治枝)●Günther Grass死去(Japan Times)。●「仲畑川柳」「分かったと家電に返事独り者」(B型人間)「ケセラセラいつも言ってる心配性」(新橋裏通り)「二年生帽子のひさしちょっと横」(芋粥)「クラス替え君はまた恋するんだね」(山上秋恵)「他人ならケチで自分は節約家」(銭形閉痔)「60年生きて知らないことだらけ」(ひろちゃん)「高いけど不味いワインのような人」(椿組組長)「お名前を頂けますか?あげません」(小把瑠都)「おじいちゃんやればできるじゃないと孫」(荒川淳)「褒められて人を育てる極意知る」(舞蹴釈尊)

Turingのノート

 

April 15, 2015

昭和初期世代の「ソ連ロマン」は、やはり愛すべき面ももつであろう。その背後にはロシア文学・ロシア音楽に培われた「ロシア・ロマン」がある。我々の世代でも、田中克彦氏の、夜ラジオでモスクワ放送を聴いた思い出、彼の青年時代のロマンであった。「ソド、シラシドレドッソ」というchimeの音か「祖国ロシア」のmelodyで始まったが、何れもロシア音楽の深みを湛えて、神秘感を掻き立てるものであった。日本語は「こちらは、モスクワ放送局です」とゆっくりした口調で繰り返される。中国語放送は「莫斯科広播電台」と繰り返されて始まる。昇曙夢・米川正夫・原卓也などの諸氏の長大なロシア文学の翻訳。「カチューシャ可愛や」という唄はロシア革命直前の1914年、「作詞は島村抱月と相馬御風、作曲は中山晋平。劇団技術座の第3回目の公演である『復活』の劇中歌として、主演女優の松井須磨子などが歌唱した」そうだ(Wikipedia)。日本におけるロシア・ロマンの歴史も、精神史の一主題だろう。二葉亭四迷など外語大ロシア語学科出身の多くの人材、森正蔵氏も。そういえば、ほぼ毎月届いていた『ロシアNOW』が来なくなったような気がする。▼「晩年のありようの七・八割は自業自得か」と考えてみる。こんなことは計量化できない。父などについては「満洲国に賭けたのが自業自得か」という問題となる。母は「父のような男と結婚したのが自業自得か」と。平和であれば、自分の運命の大部分を自分で決定できる。戦乱の中では、運命と偶然の支配下におかれる。赤紙が来ればおしまいだ。民主主義の本質が自律であるとすれば、自律は平和において栄える。これは「憲法問題入門」の一主題かも知れない。「自律を守るために戦わなければならない」ということもあるが。

[新聞] Argentina北東部で身長1.2㍍もある恐鳥(terror bird)Llallawavis scagliaiの化石が発見された。彼等は50万年前に死滅した(INYT)。●ItalyはVaticanに対するISの攻撃への警備を強化している。Torinoでの聖骸布一般公開(4-6月)、Milano万博(5-10月)など(毎日)。●550人の移民・難民を載せてLibyaからItalyに向っていた船が、出港後24間を経たところで転覆し、400人が死亡、Italy沿岸警備隊が144人を救助した。これとは別に、10-13日、Italy沿岸警備隊が地中海上で8480人を救助した(毎日夕刊)。●中国:一応釈放された5人のfeministsもなお一年間は警察の監視下に置かれ、許可なしには旅行できない(INYT)。●〝Nature always sides with the hidden flaw"(自然は常に隠れた欠陥の味方だ)〝Sooner or later, the worst possible set of circumstances is bound to occur”(最悪事態は早晩起る).(Murphy's Laws)(毎日・余録)[山手線事故と原発]。●裁判所決定、「あらゆる再稼働を認めないことでしか住民の安全を守れない」という考え方のようだ。現状のなし崩し的再稼働の動きに対する重い警告である(毎日・社説)。専門的領域に踏み込んだこと、停止の悪影響に目配りしていないこと、疑問(日経・社説)。●毎日新聞社記者新入社員、男女17対17。50年前ラジオ関東記者としてVietnamで働いた平松昌子氏は「女なんか使えるか」と面と向かって言われるような時代だった(中村秀明氏)(毎日)●「仲畑川柳」「買えぬ服だから着てみた試着室」(毎日珍聞社)「縄文人何贈ったろ恋人に」(よねづ徹夜)「隠し味聞(訊)いてないのに言いたがり」(お鶴)「兄弟を他人に変えた配偶者」(小島雅博)

Llallawavis scagliai. Image credit: H. Santiago Druetta.Llallawavis scagliai

April 16, 2015

入院中病院の売店で買った数独問題集『ナンプレ200難問』(上級者向け)寝る前に解く習慣になっていたが、140番くらいから解けないものが出てきて、167番ができたのを最後に解けなくなる。全部の枠に可能な数字を埋めても解けないのは、何かもう一工夫いるのだと思うが。それで福永『日本占領史』を読み続けることにする。色々気付かなかったこと、知らなかったことがある。吉田が第一次大戦後の日本でdemocracyが「極端にまで進んだ」という認識をもっていたこと(p.49)、幣原が吉田に、国際関係には「百年の友なく、百年の敵なし」「今日の敵を転じて明日の友となす」という目標のメモを渡していたこと(p.53)、MacArthurが幣原について「英語が話せるか」と訊いたこと(p.54)は昔読んだような気がするが、忘れていた。新党結成に当り社会党左派は徳川義親侯爵、右派は有馬頼寧伯爵を党首にしようとしたこと(p.56)、11月29日に統合参謀本部がMacArthurに対し「天皇の戦争責任があることを示す証拠」を収集せよとの極秘の通達を出したこと(p.65)、国務省は沖縄をPotsdam宣言にいう「諸小島」として返還を予定していたのにたいし、陸軍省は日本からの分離を予定していたこと(p.77)、George Atchesonと近衛の間で憲法問題の接触があったが、MacArthurが禁止したこと(p.82)、幣原が就任挨拶でMacArthurに浜口・若槻内閣民主主義的・自由主義的性格を満州事変が潮流を変えたという認識を示したこと(p.82)、SWNCC228はBortonの起草(p.91)、MacArthurが天皇擁護に動く出したのは1月25日であること(p.95)、2月13日手交されたGHQ草案は6日間金庫の中に眠ったこと(p.100)、GHQ側は二院制問題で譲歩することを「もっと重要な点で頑張る」ことの手段にしようと考えていたこと(p.101)、天皇の発言によってGHQ案を基礎とする改正推進が決断されたこと(p.102)、2月の制度改革によって民生局が「係」から「課」に昇格、Kadesの「現場責任者」としての地位が確立したこと(p.104)、国務省の出先機関政治顧問部も改憲のこの動きの蚊帳の外だったこと(p.106)、3月6日の草案発表の時、Washingtonの国務省には要綱の実物がなかったこと(p.105)、12月20日追放をめぐって民生局とGIIの間で激論があったこと(pp.108-9)、野坂参三は延安からの帰途Moscowに寄り、「政治制度としての天皇制は廃止するが、天皇は残し、現天皇については退位を求める」ことで同意を得ていたらしいこと(p.113)、病床で追放令の報に接した幣原は「マックのやつ、ああいう理不尽な指令を出して」と言ったこと(p.112)。おおかたそういうことだろうと思っていたことも多いが、(恐らく資料を基礎として)はっきり書かれると安心する。▼一応日大に行ってみるがやはり誰も来ない。N氏と雑談。キリスト教の地獄と仏教の地獄、キリスト教の罪人は前者、仏教の罪人は後者へ。無神論者の罪人の管轄は?キリスト教の地獄は一旦入ったら出られないが仏教のは出られるのではないか。芥川『蜘蛛の糸』。カンダタは「地を這う蜘蛛」の命を助けた褒美に「巣を張る蜘蛛」が助けようとする。広い意味での蜘蛛科の生物の連帯か、など。帰路早稲田に寄ろうかと思い、九段下駅への近道を試みるが、何だか道に迷い、うろうろしているうちに水道橋駅に出る。早稲田は断念し、溝の口「仲村」でalkohol抜きの夕食。店主が「退院祝い」と刺身をご馳走して下さる。古書店に寄り、大村幸弘『Hittite発掘』買う。首都Hattusa遺跡探訪が思い出される。

HattusaLion Gate, Hattusa 01.jpg 

[新聞] 暗黒物質が衝突すると反陽子ができる。CERNの実験で予想値より多い反陽子が観察され、暗黒物質の痕跡ではないか、と(日経)。暗黒物質とそれを取り巻く星雲とは速度が違う。暗黒物質の「霧」のせいではないか(AFP-Japan Times)。●小惑星Ceres表面の二つの光る点は異なった運動をする。他の小惑星Vestaと比較すると、Ceresの方が太陽光を多く吸収し、暗い。Ceresの過去に激しい衝突があったのではないか(AFP-Japan Times)。●Ecuador-Peruで新種の爬虫類発見(AFP-Japan Times)。●SenegalのChimpanzeeの群、折れた木の枝を道具として狩りをする。オスの獲物はcolobus monkeyなどだが、メスはもっと小さなbush babiesとよばれるサルを道具を使って捉える(INYT)。●Mooreの法則:「半導体チップ上に載せられる部品は、しばらくは毎年倍増する」。崩れるのはいつか。そろそろと言われながらなかなか崩れない(坂村健氏)(毎日)。●1965年4月14日Lincoln暗殺。担ぎ込まれた宿屋のbed coverの血痕がLincolnのものか、DNA鑑定をする(毎日)。●「グルジア」を「ジョージア」に。前者はロシア語発音だから。しかし「ジョージア・ワイン」ではサマにならない?(日経・春秋)。●南シナ海の埋め立て、米軍の空母・潜水艦の立ち入り阻止の軍事目的(金子秀敏氏)(毎日)。●中国において癌患者と診断された者の数はこの二年で16%増加、北京の癌罹患者数はこの10年で60%増加。癌死亡者数は2000年に10万人中50人であったが、二年前には60人となった。大気汚染・喫煙・食物が原因だが、長寿化による癌年齢者の増加の一因との説明もある(AP-Japan Times)。●元spyの脱北者によると、「日本人被拉致者の一部はspyに使われているのではないか」(Japan Times)。●「仲畑川柳」「おばあちゃんみんな昔はお嬢ちゃん」(新橋裏通り)「中流と錯覚してた頃が華」(晶べい)

Feature five on Ceres is made up of two bright dots <i>(Image: NASA/JPL-Caltech/UCLA/MPS/DLR/IDA)</i>CeresVesta full mosaic.jpgVestaThe Alto Tambo woodlizard (Enyalioides altotambo), adult female, 13.2 cm long. Image credit: Luis A. Coloma.enyalioides

April 17, 2015

昨日神保町の古書店をひょいと覗くと、昭和初期のの『現代日本文学全集』(改造社)がずらりと並んでいる。『プロレタリア文学集』を買う。値段を見ずに番台に持っていくと税込みで6480円だという。思わず「高いねえ」と言うと「やめますか?」と訊くので、「いや、こうして買ったものは必ず読むからいいんだ」。寝る前巻頭の林房雄「都会双曲線」早速読む。ある村の小作人の息子と、別の小作人の娘が同じ頃東京に出る。男Xは労働者として、失業を重ねながら底辺で暮らしている。女Yは美女・才女らしいが、男たちに幻滅し、水商売じみた職を転々としながら、堅気の職を見出そうと志している。Yに恋心を抱くAは大地主の息子、相続で20万円という巨額の財産を入手した。BはAの友人だが、Yの色仕掛けでAの財産を巻き上げようとしている。Cは詐欺師で、常陸の廃鉱に近い鉱山を有望なように装い、詐欺を企んでいる。BはAをおだて、Cの鉱山の重役・青年実業家となることを誘い、特にYをassistantにすることをXとYに説得する。ほどなく全体が詐欺であったことが判明し、労働者たちがBやCを追及するために上京してくる。ところがCの会社なるものがおんぼろビルの一室で、しかももぬけの殻。そのビルの別室に、労働弁護士に紹介されたXが「組合」のガリ版切りなどの仕事をしていて、この詐欺に正義感を燃やし、BとCを殴り倒す(この場面は『坊ちゃん』に似ている)。そこでXとYがめぐり合い、都会の男たちに幻滅していたYは淳朴で正義感の強いXに恋心を新たにする。そして下町のXの住所を訪ねて見ると、乱闘の跡――組合員たちが一網打尽検束されたのだ、と。このwitに富んだ短編は、作者の並々ならぬ才能を物語る。編者たちが巻頭に選んだこの傑作が、やがて代表的転向者の作品となるとは! 終りの部分でのBの科白「考へてみればなるほど僕はつまらない悪党でしたよ。二十万円なんて金は、大きな資本家の財産にくらべれやあ、目糞ほどのものだ。その目糞ほどのものをあてにして、一仕事やらうと企んだ僕は、お目出度くできてゐましたよ。気の毒なのは水野(A)だが、しかしどうせあれも親爺からふんだくつた金だ」。▼早稲田図書館で更新手続き、佐々木惣一の色々なものに眼を通す。文献引用がなく、自己流の図式ですべてを割り切る方式、好意が持てない。雑誌で初期のものを見ると、ちゃんとした註はないが、Laband、Georg Meyer、Otto Mayer、それに英国のDiceyなどの名が出てくる。SteinやRoeslerなども。

[新聞] Obama政権のIran、Cubaとの関係緩和。残るは北朝鮮か(西川恵氏)(毎日)。●中国が「永暑島」と呼ぶ岩礁、800平方㍍が250倍以上の2㎢に(毎日・社説)。●軍制服組トップだった郭伯雄が取調べ。息子が捜査対象(毎日)。●阿部は2013年四月、憲法は「GHQの素人の人たち」が作ったと言った(毎日)[法律専門家以外の者もいたが、核心はすぐれた法律家だったし、全体の知的水準は高かった(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/occup.html)]。●刑務所の養老院化がいよいよ進行している(Bloomberg-Japan Times)。「仲畑川柳」「目の前の人をスマホで下調べ」(ホヤ栄一)「受動態説明脱ぐと脱がされる」(お鶴)「勘定がそろそろかなで混むトイレ」(柏原のミミ)

April 18, 2015

『日本占領史』読み終える。米本国の、占領軍の左翼助長政策転換。社会党が左派に乗っ取られる過程。占領軍に助けられながら、ソ連の手先になっていった戦後左翼は、邪悪であるのみならず愚かであったと思うが。米国流民主主義の日本国憲法を金科玉条としながら、反米を呼号し、ソ連の東欧抑圧などに加担し続けたのは、思想としても一貫しない。日本共産党の大会となると、まず今は亡びた東欧の抑圧政権からの祝電が列挙されたものだ。最近書評した本にも、日教組法律顧問芦田浩志弁護士の砂川事件弁論に「韓国が始めた」朝鮮戦争という、全くの虚偽が引用されている(『砂川事件と田中最高裁長官』p.57)。多くの日教組教師が講壇からこの虚説をふりまいたことだろう。▼林房雄の獄中記「鉄窓の花」を読む。「繭の毒に白くはれたる指をもてわが涙をば拭ひたる母」「学窓に十年(ととせ)遊びてその子吾れ母の望みを裏切りしかな」「ほゝゑみてわれを送れる母の眼の笑まひのかげの涙忘れず」。戦前の左翼は「幻想のソ連」のために戦った。戦後左翼は現実の抑圧国家ソ連のために戦った。▼おや、鈴木秀美氏、阪大から慶応に移ったらしい(毎日一面トップ)。日大で一時同僚だった。▼『挙国の体当たり』、第一部「開戦」索引一応終る(生卒年抜き)。

[新聞] 「リンゴの唄」はサトーハチローが戦時中検閲で却下されたもの(長部日出雄氏)(毎日)。●LibyaからItalyに向う密航船上でIslam教徒がChrist教徒12人を海に突き落とした(毎日)。●35万人が暮らすKenya東部Dadaab難民camp、Kenya政府は過激派の温床として閉鎖する意向(毎日)。●Iraq政府軍はSaddam政権No.2だったIzzat IbrahimをTukrit郊外の戦闘で殺害した。ISの黒幕たという(毎日夕刊)。●Iraq、Kurdistanの首都Arbilの米国領事館近くで乗用車が爆発、少なくとも3人死亡、14人負傷(毎日夕刊)。●改革派女性journalist高瑜氏(71)に懲役7年(毎日)。●「仲畑川柳」「野菜ならいくら食べてもいいのかな」(山上秋恵)「半生で何があったかめっちゃケチ」(立地Z骨炎)「ていねいな歯磨きのわけ明日歯医者」(ふあ茶)「高血圧ばかりでやめたサプライズ」(お鶴)

April 19, 2015

小林多喜二『不在地主』読み始める。北海道に行けば地主になれるような宣伝に乗ってやって来ても、めぼしい土地は大地主に占拠されており、たいてい小作人になる。石狩川沿岸の村、地主は東京に居て、「管理人」が支配している。地主は「拓殖銀行」から融資を受けて、雑穀、海産、肥料問屋、hotel、精米などの会社を経営している。年に一度「奥様」「お嬢様」を連れて視察に来るが、策略を弄して小作人たちの「陳情」の機会を封ずる。村の行事には軍人がやって来て、招来の兵士たちに訓話をする。しかし小作争議は全国に頻発しており、村民の中にも運動家がいて、管理人たちに警戒されている。青年たちは札幌や小樽に働きに出たり、兵役を志願したりする。軍隊は実家よりはよい物が喰え、訓練も農家の労働よりは楽だと言っている者もある(大牟羅良『物言わぬ農民』などにも同様のことが出てくる)。やっと電燈が導入されることになり、順番に電柱が立っていく(昭和24年夏、九州の父の故郷に電燈が導入された。「電工さん」たちが泊りがけでやってきて、若い女性たちが色めき立ったのも同様である)。――多喜二一家は四歳の時、秋田の田舎から小樽の郊外に移住して駄菓子屋をしていた。農村の現実を見て、地主支配の構造の閉塞状況が、ロシア革命のような大変革によって打破される可能性を想ったのだろう。伏字が点々とあり、想像がつくものもある。戦前の知識人たちは、クイズのようにそれを楽しんだとか。特に猥褻関係の本。▼戦時中の固有名詞をcheckする一助として戦中『読売』(復刻版)に眼を通し始める。言論統制国家の新聞とはよくないものだ。▼K氏からmail、若い研究者を紹介したい、と。

[鹿島茂氏「学者のユートピア」] 研究者たちの介護付き老人ホーム。蔵書は附属図書館に無償で寄付する。資料は外部の研究者たちに公開する。ゼミも開講する。場所は都心回帰した大学が残した郊外の校舎群を使う、と(日経)[私が駒場の図書館長だった時、似たことを考えた。引退した駒場の先生たちの蔵書を集中管理する機関を作り、大図書館へと育成するというもので、場所の現実化までは考えなかった]。

[新聞] 2006年に打ち上げられたNew Horizonsは7月14日に冥王星約10000kmまで最接近する。5月頃からHubble望遠鏡の解像度を超える。冥王星は太陽系誕生時の姿をそのまま残している(日経)。●VenezuelaのYanomami族は現代人が失っている「有益なbacteria」を体内にもっている(AP-Japan Times)。●日本人が一生涯に何らかの癌を発症する確率、男性60%、女性45%(日経)。●脳内活動を計測するだけで心の動きを伝えるtelepathyが可能となる。窮極においてはtelepathyで文章や楽譜を書き、対話も可能となる(Future of the Mind)(日経・読書欄)。●「数学は権威に頼らず、論理で真実を見出し、自分で自由に考える方法である」「数学と民主主義は古代ギリシャで誕生した」(中村桂子氏)(毎日読書欄)[数学・幾何学の絶対性がPlatonの哲人独裁国家の根拠となったという理解もあるが]。●『アテナイ人の国制』、学者の多くはAristotelesの弟子の作品だという(毎日・読書欄)。●岡田英弘『東アジア史の実像』:「モンゴルが世界史を作った」(毎日・書評欄)。●田口タキが小林多喜二の結婚申し込みを断った次第(梯久美子氏)(日経)。●虹口地区の「上海ユダヤ難民記念館」、世界遺産に登録申請の動き(日経)[数年前訪問した時は存在しなかった。彼等を収容した建物)ghetto)も管理が雑だった。随分資料を集めたのだが、結局何も書かないままだった。被収容者たちの英語・独語の回想や研究書を10冊くらいもっている]。●Israel軍のcomputer networksがhackersによって侵入された(Reuters-Japan Times)。●金正恩は軍経験が不十分で、軍の掌握に神経を使っている。軍高官のpostをめまぐるしく入れ替えている(日経)。●刑務所が隔離から更生へと変化したのには、社会的costを押さえるという配慮もあった(日経)。●日本は戦後半ば〈アメリカ〉を生きて来た(今福龍太氏)(毎日)。●津軽選挙:1958年4月金木町町長選、落選が確実になった陣営が選管と結託し、当落を逆転させた(毎日)。●「日経俳壇」「これがまあ最後の花見ホーム入り」(紅梅白波)「満開の桜の息吹き天の母」(加藤智子)「みなで植う閉校記念の山桜」(和城弘志(久慈))「難病と闘ひし子の卒業す」(中村新治)●「日経歌壇」「唐草の風呂敷持った泥棒がゐたころ日本はのどかであった」(岩間啓二)「また一枚また一枚と抜け殻を重ねて小さな塚となりけり」(池田典恵)「美味かったかどうか覚えていないけど感動だった昔のバナナ」(冨山俊朗)「家康の手形意外と小さかり春の久能山四百年祭」(大建雄志郎)「三十回ご飯を噛んだ感想を述べよと五年二組の担任」(山上秋恵)「酒煙草のまずギャンブル浮気せず揚げ物ぐらいは好きに食わせろ」(野上卓)[心配していた池田さん健在。歌は難しい]●「仲畑川柳」「一億円重さ10キロ無駄知識」(ほや栄一)「まだ説教言えずに耳にタコピアス」(柏原のミミ)「メモ取った安心感でメモ失くし」(不美子)●「脳トレ」「オレオレに五億でいいか打診をし」(いや美(69))「臨終に言うこと決めたが忘れそう」(半月翁(81))「急病で夫の愛が量られる」(ターシャ(74))「老いてから丸くなる人ならぬ人」(黄昏桜(67))「幼児語の老人体操やる気失せ」(岡野あさ子(78))「耳遠い分カン冴えるご用心」(ぶらぶら節(64))

April 20, 2015

昨夜、戦中の『読売』一通り眼を通す(平均月一回くらい収録、そもそも紙不足で分量が少ない)。架空現実の世界で、空々しい。斎藤茂吉などの愛国短歌も。昔読んだ編者の解説に、紙上の唯一のrealityは広告欄の性病治療広告だという趣旨のことがあった(別冊の解説はまだ読み直していない)。大新聞の論説に架空現実を書き続けた森正蔵氏も余り威張れない。何でも分っていたくせに。敗戦によって国民は現実に立ち返った。なお戦中のIdeologuesが作り出した「失われた時」(le temps perdu)を求め続けたのが三島由紀夫らの世代か。第一次大戦後の独墺においては、le temps perduは戦前の秩序であったが。戦後の日本人は大体realistsになった。なり損ねた連中がStalinから文革へと架空現実を求め続けた。▼森氏にもう一冊、冷戦を扱った『燃ゆる氷原』(1948)という本があるようだ。古書店でも見かけたことがないが。●日文研より『植民地裁判資料の活用』『植民地期朝鮮の教育資料I』届く。

[新聞] 2002年Chadで700万年前の猿人頭骨が発見され、検定で教科書の記述が訂正されている(毎日)。●映画Gone with the WindでVivien Leighが身に着けたdressが競売で13.7万㌦(1600万円)で落札された(毎日)。●明治初期25年間、輸出入貨物の海上輸送は欧米の海運会社に掌握されていた。岩崎弥太郎が郵船の前身の海運会社を作り、船員養成のための学校(商船大の前身)を設立した(宮原耕治氏)(日経夕刊)。●占い師(tarot reader)のPilar Abel氏(59)が、自分はSalvador Daliの娘だと主張して訴訟を起こした。母は乳母としてDali家で働いていた、と(INYT)。●Europeでは受刑者に選挙権を認めない国は少数派である(牧太郎氏)(毎日夕刊)。Ukraineで親ロシア派journalistsや政治家の殺害・自殺が相次いでいる(毎日)。●19日Libya沖で700人を載せた難民船が転覆、救出されたのは28人。仲介業者が自動操縦にして船から立ち去る事件も頻発している(日経)。●李朝の王族を祀る「宗廟」で子孫が今も祭祀を続けている(毎日夕刊)。●高浜原発訴訟の裁判長は昨年の大飯原発を差し止めたのと同一人物(山田孝男氏)(毎日)。●民主党は解党した方がいい。国会議員を支えているのは一流企業の労働組合。こつこつ地元を回る自民党議員と違い、世間の厳しさを知らない(野田聖子氏)(毎日夕刊)。●世論調査:内閣支持47%、不支持33%。政党支持自民34%、民主8%、維新7%、公明5%、共産4%、社民・次世代1%。高浜原発判決評価67%、非評価24%。集団的自衛権関連法案今国会成立賛成34%、反対54%。普天間の政府態度賛成34%、反対53%(毎日)。●「お金より心という人はたいてい金持ちなんですよね」(ある若い女性)(日経)。●「完成されたものほどつまらないものはない」(似鳥昭雄氏)(日経)。●内モンゴル出身の力士蒼国来(31)、11年八百長の疑いを受け、引退を勧告されたが、無実を主張して訴訟、2年の空白の後勝訴、北の湖理事長が謝罪した(日経夕刊)。●「目線」という言葉は俗語か(松居秀記氏)(毎日夕刊)。●「毎日俳壇」「野を洗ふ雨にはじまる弥生かな」(伊井寸美子)「耕やまだ白銀の八甲田」(山本淑夫)「榛の花咲いて一日揺れやまず」(枝澤聖文)「大声で孫に呼ばるる田打かな」(山地美智子)●「毎日歌壇」「真夜中にいつもと同じパンを買ふ人の名前も憂ひも知らず」(熊谷純)「農業学校に入学したり牛や豚にもよろしくと六十年前」(岩城英雄)「珈琲がたらりたらりと落つる間を片脚に立ちて足腰きたふ」(庄野史子)「突風にふぶける桜のトンネルに花をまとひてわが立ちつくす」(一戸光代)●「仲畑川柳」「老後だが老後のために稼いでる」(こだま岳人)「オレオレにテレビ電話がほしくなり」(冨田英一)「結婚をして姉ちゃんがケチになり」(石垣いちご)

八甲田山Hazel Catkins.jpg榛(はしばみ)の花

効率的宗廟ファイル:Jongmyo DSC 6848.jpg

近畿日本ツーリストさんの写真

Vivien LeighThe outfit worn in several scenes of the 1939 film &quot;Gone With the Wind&quot; by Vivien Leigh as she played Scarlett O&#39;Hara. It fetched $137,000 at an auction.dress sold

April 21, 2015

小林多喜二『不在地主』読み終える。凶作、小作人たちは地主に小作料の減免を願い出る。地主はそれを拒否する。小作人が団結して争議を起す。その村から出て小樽で働いている青年が、「小作人代表が小樽に出て、地主が経営する企業の労働者と連帯する」というideaを出す。更には都市の労働団体が支援する。こうして小作人たちが要求を貫徹する。労農同盟思想。筋書きはそうだが、農村の現実が細部に亘って描かれている。都会に出た娘が妊娠して戻ってくる。親から邪険にされて首をくくる話など。▼多喜二の小品、継母に育てられている少女の作文。健康診断、栄養失調。シラミ。継母は彼女を売る目論見で、芸妓の素養として歌を教えたりする。▼日本の第二次大戦、陸軍は中国でのダラダラとした長期戦、海軍は線香花火のように広大な海域を占領して、あっという間に艦隊のすべてを失う。別々の二つの戦争だったのではないか。陸軍は海軍の敗戦につきあわされた?北仏印侵略は重慶包囲で陸軍的、南仏印侵略は蘭印の石油目当てで海軍的か。「太平洋戦争」(Pacific War)は本質的に海軍の戦争であるが、結果の外見のみを見るとMacArthurが東条を膺懲した陸軍の戦争のように見える。▼Bridgestone美術館、「Best of the Best」展(5月17日まで)をもって数年間の休館。若い頃何度も行った。この世の名残りに出かけるか。再建まで生きているか。▼

[新聞] 「超弦理論が万物の理論だということは、万物が脳の中にしか存在していないことを示唆している」(松井孝典氏)(毎日夕刊)[???。私はむしろその逆ではないかと考えてきているのだが]。●美唄:北帰行直前のマガンの群(毎日)[下の写真は別のもの]。●酒に水を混ぜて売っていた尼が僧に諌められて、逆に水に酒を混ぜて売ったという話(沙石集)(毎日・余禄)。●長谷川等伯の屏風絵二点発見(毎日)。●錢存訓(Tsien Tsuen-hsuin)氏死去(109-2015)。1941年、中国古書30000点を日本占領下の上海から救い出して米国に送り、米国に招かれてChicago大学でそれを整理した(INYT)。●空襲の追憶:昭和20年8月2日富山、死者3000人。福山、宗像、小倉、名古屋、玉野、今治(毎日)。●EUは密航船を組織的に破壊することで合意(毎日夕刊)。●Utrechtのsoccor試合で、「Hamas, Hamas, Jews to the gas」などの反ユダヤ主義slogansが叫ばれた(INYT)。●救助に向かったPortugalの貨物船を見て、注意を惹こうと船体の片側に集中して転覆した(毎日)。●IS、LibyaでのChristian殺害video(Reuters-Japan Times)。●高瑜氏懲役7年の実刑判決。「一政党の文書を国家機密とみなす感覚と、70歳を超えた女性に7年の実刑を科す非情」(日経・春秋)。●世界遺産候補:①北日本縄文遺跡群、②佐渡鉱山、③百舌鳥・古市古墳群、④宗像・沖ノ島(日経)。●「宿命に堪え、運命と戯れ、使命に生きる」(小林喜光氏(経済同友会)の座右銘)。Israelのヘブライ大留学体験(日経)。●「仲畑川柳」「春だから別れましょうと素っ気なく」(山上秋恵)「雑草も好きかと花壇見て聞(訊)かれ」(小藤正明)「ブランドでかためた人の腕に数珠」(お鶴)「ヘンだなあ好きも嫌いも女偏」(さくら)

美唄のマガン等伯「松竹図」「猿猴図」

sts富山大空襲ISのChristians殺害

April 22, 2015

高校時代にゴルキー『どん底』を読んだが、何だかよく頭に入らなかった。まだ高校生だから。翻訳のせいと筋が複雑だったせいかも知れない。ロシア文学は名前が難しく、誰が誰だか分らなくなる。マースロワがカチューシャだなんて。homeless収容所みたいなところが舞台だった。ロシアでの初演は革命前の1902年。底辺への関心には、Marxism以外の様々な動機がある。humanism、anarchism、nihilismなど。この作品におけるGorkyの思想的立場も明確でないという。しかし私などから見ると、小林多喜二など、小作人の悲惨という人間的主題を、労農運動の讃美という主題にもっていったところが、文学作品としての浅さである。その浅さが、ソ連体制がもたらした人間的悲惨への感受性の欠如を招き、Stalinへの抑圧への加担を招いた。humanismから見れば、ソ連の実相を知って転向した方が健全で、Stalinismへの忠実を貫いた者は抑圧の加担者となった。右翼nationalismへの転向の場合は五十歩百歩だが。▼森日記、44年10月初め、田尻愛義駐華大使から面会を求められ、「汪兆銘の死が近く、彼に南京政府こそ正統である旨の孫文の言葉を遺言に遺させたい。彼にそのことを説得する者としては頭山満が適当だと思うが、その頭山への説得をしてくれないか」という話。10月5日朝、頭山に電話しようと出社したところ、今朝彼が死亡したとの報」と(pp.269-270)。

[新聞] 徳川家康の推定身長は159cmだった(日経夕刊)。●映画『一八九五』:1895年、日本軍と戦った台湾義勇軍。軍医として接収に参加した森鴎外も登場(日経夕刊)。●1955年Bandung会議で周恩来は日中漢語略語統一の検討を提案した(毎日・余録)。●「武蔵」に乗るはずだったが、海軍伝統の遠泳大会への参加を命令されて、死に損なった。「軍楽隊だって戦死するんだよ」。戦後jazz sax奏者となった尾田悟氏(87)(毎日夕刊)●1949年以降Who Lost China?が争われたが、それは正しい問題提出であったか?現在Who Lost Asia?が問題になりつつあるが、これはどうか(Andrew Browne)(The Wall Street Journal-毎日)。●カミソリのような鋭い将棋は折れる。大山名人は蛮刀のような強さだった。Hillaryは?(布施広氏)(毎日)。●米国黒人のmissing men phenomenon(消男現象)。子供の頃は男女の比率は五分五分だが、監獄行きと早死にで外界の男が減っていく。死因の一位は殺人、他は心臓病、呼吸器疾患、事故死など。人口の不均衡は十代から始まり、25-54歳の監獄外の黒人女性100人に対する監獄外の男性は83人で、150万人の差がある。この年齢の男性の12人に一人は監獄にいる。Montana州Fergusonでは監獄外の黒人女性100人に男性60人だという。結果として結婚率が減り、婚姻外子が増える。女に不自由しない男たちは怠け者になる(INYT)。●投資資金が米国の金利上昇を見越して還流し始めた。新興国からの流出で、AIIBはそれへの対応でもあり得る(稲葉延雄氏)(毎日)。●ドイツは態度を変更し、Armeniaについてトルコのmassacreという言葉を使った(毎日)。●地中海の難民船:仲介業者取り締まりの必要が叫ばれるが、密航を求める人口は増え続けている。Bangladesh、Afghanistan、Syria、Iran、Gambia、Somalia、Mali、Elitrea等々。船底に入った者が出てくるのを妨げるために外から施錠したり。ItalyのRenzi首相は「かつてのgenocideも長く諸国は気付かなかった。これもやがてgenocideとなる」と(INYT)。密航希望者たちは莫大な額を仲介業者に支払っている。密入国者に対するEuropeの世論は厳しく、助けて上陸しようとすると密入国取締法で逮捕されることもある。「彼らを人道的に扱えば、密入国者の洪水は一層ひどくなるだろう」と言う(Kenan Malik)(INYT)。●Egypt: Morsiに禁固20年判決、Mubarakの起訴無効と対比して二重基準との声(毎日)。●Saudi Arabia:Yemenへの空爆「終了」と(毎日夕刊)。●「我々は無力かもしれないが、無関心であることをやめるのは自分の意志である」(Michel Hazanavicius)。●日本で最も難しい試験は剣道八段の審査、と(日経・春秋)。●浅利慶太(82)演出Ondine上演中(毎日夕刊)。小川千甕展(日経)。「逸脱人生の妙味」(毎日夕刊)。●牛丼の吉野家が「よし呑み」「よし呑みちょい」の名称で居酒屋styleへと進出する(Jiji-Japan Times)。「仲畑川柳」「飛行前トイレすませて機長さん」(言閑マダム)「審判もキビキビ動く甲子園」(おっとー)「大仏も散歩しそうな春の宵」(小雪)

家康の甲冑「金陀美具足」 徳川家康の金色の甲冑「金陀美具足」(久能山東照宮提供)小川千甕作品小川千甕 雨将霽クリックすると新しいウィンドウで開きます小川千甕poster for 「小川千甕 縦横無尽に生きる」画像1: 小川千甕画幅「雷神」

April 23, 2015
 
「日本人の国家観」、長過ぎること、戦後の部分の執筆者がおりたことから、戦後の部分を別の文章にして書き直すことにする。The War and Afterとして、明治以降の歴史を簡単に回顧し、あとは前に書いたものを生かすが、急いで書いたせいもあって、適切でない記述もあり、連休までに一応新稿として書いてみることにする。もちろん英語で。Nagata先生には申し訳ないけれども、また翻訳をお願いする。▼森氏の戦中日記を読みながら「日本人は集合表象に対する抵抗力のない国民なのかなあ」と考える。戦後の集合表象の中で、あれだけ鋭い観察力を示した森氏も、完全に戦中の集合表象の中にいる。もっとも日本Marxistsの相当部分は、徹底的に集合表象と戦った。ソ連専門家の森氏もその強い影響下にあった。そのへんがよく分らない。戦後の作品は新聞社の若手知識人の文章の合成であり、必ずしも森氏自身の思想でない可能性もある。▼Durkheimのreprésentation collective概念、ユダヤ人である彼は、自分はフランスの集合表象の内(下)にあると感じていたのか外にあると感じていたのかが重要だ。この観念の起源はDreyfus事件の観察か。『社会分業論』(1893)はDreyfus事件(1894)の前だから、そうは考えられないが、事件に接して扱いが変ったか。これは勉強しないと分らない。▼安倍演説の「反省」、remorseと訳すものなのだ(Japan Times)。▼国会図書館で『アララギ』母の歌を探す。女専時代からずっと載っているのかと思ったが見つからない。こちらが親不孝だっただけに、晩年の作品は読むのが辛い。▼『日経夕刊』舘野泉氏の小文を見ると、宮沢賢治に「オホーツク挽歌」という作品があるらしい。多喜二の「蟹工船」を読んで、Okhotskと戦前日本との関係に気がつく。「オホーツク挽歌」はhttp://why.kenji.ne.jp/haruto/153ohotu.htmlで読める。しかし難しくてよく分らない。「サガレンと八月」は未完ながら、浦島風の約束破りにバチが当る寓話。何れにせよ賢治の描いた北の海への幻想だろう。▼仲村でalkohol抜き夕食。
 
[哈爾浜学院] かつて「満州」と呼ばれた中国東北部のハルビンに、日本が1920年、ロシア語のスペシャリスト養成のため開校した「ハルビン学院」。終戦で廃校になってから70年を迎え、16日、東京・八王子市の高尾霊園で学院記念碑祭が催された。同窓生や遺族ら約130人が参列し、寮歌「松花の流れ」を合唱、大陸での青春時代をしのんだ。記念碑は99年に建立。既に同窓会は会員の高齢化で打ち切られ、毎年4月の記念碑祭が同窓生が集まる唯一の場となっている。今回は、第2次大戦中にリトアニア・カウナスの日本領事館でナチスの迫害から逃れるユダヤ人難民に「命のビザ」を出したことで知られる元外交官、杉原千畝氏の遺族も初めて参列。若き杉原氏が外務省留学生としてハルビン学院の聴講生だった頃の遺影を記念碑地下の保管所に収めた。孫の杉原まどかさん(48)=東京都武蔵野市=は「学院同窓の方々と同じ場所に祖父の青春時代の写真を収め、やっと祖父も天国で同窓会の仲間入りができたと安堵しました」と話した。ハルビン学院は、満州での権益をめぐり対立していたソ連との交渉や情報収集に不可欠なロシア語要員を養成。満鉄や旧日本軍の関東軍のほか、32年に樹立された日本のかいらい国家、満州国にも人材を供給したが、終戦と同時に廃校。満州に侵攻してきたソ連軍から「対ソ連スパイ養成機関」と疑われ、1412人の卒業生の6人に1人に当たる238人がシベリア抑留の悲劇を経験した。卒業生のうち存命者が1割を切る中、学院連絡所を運営、会報も発行する麻田平蔵さん(90)=東京都新宿区=は「ハルビン学院は歴史にほんろうされたが、大陸に憧れ、日本全国から集まった学生の夢や情熱は純粋だった。忘れ去られるのは悔しい。子や孫の代まで記念碑を引き継いでいきたい」と語った。3年生の途中、召集された藤木伸三さん(89)=横浜市=は4年半抑留された。「抑留は寒さと飢えに悩まされ、つらかった。学院の同期生で戦犯にされ、11年間抑留された人もいる。在留邦人や兵士を置き去りにした関東軍、国際法違反の抑留に抗議しなかった日本政府は無責任だった」と振り返った。(Jiji-Japan Times)

 

 

 

1933年頃の校舎

[新聞] 1990年NASAがspace shuttle Discoveryに載せて打ち上げた望遠鏡Hubbleの25周年記念。巨大black holesの発見、宇宙の年齢が138億年であることの根拠づけ等、多くの成果を挙げた。WashingtonのSmithsonian Museumで式典が行なわれる(AP-Japan Times)。●NASAが2018年に打ち上げを予定しているThe James Webb Space TelescopeはHubbleの100倍の性能があり、Big Bangから僅か200万年後の宇宙が観測できるだろう。135億年前、最初の星や銀河が暗黒宇宙から生成する様子も。他の天体の惑星上の生命も発見できるかもしれない(AFP-Japaqn Times)。●New York州最高裁は、「New York州立大学が拘束しているchimpanzeeのHerculesとLeoを人身保護令状(Habeas Corpus)に基づいて釈放せよ」との動物権利団体の請求を審理することとした(Reuters-Japan Times)。●PBS放送の「あなたのRoots」番組で俳優Ben Affleckの祖先が奴隷所有者であったことを放送したことが問題となっている(AP-Japan Times)。●李鶴来氏(90)、強制動員され、泰緬鉄道で捕虜監視員。捕虜虐待で20年の刑を受け、1956年釈放。日本政府、裁判所が救済せず、韓国憲法裁に提訴している(Kyodo-Japan Times)。●1948年12月12日、共産主義者の反乱を英軍が鎮圧した際の虐殺事件(Batang Kali Massacre)の被殺害者遺族の訴えを英国裁判所が審理することとなった(AFP-Japan Times)。●ロシアで賃金不払い、strikeが広がっている(INYT)。●日吉に大本営を設けた理由:①高台で電波の状況がいい、②東横沿線で中央官庁とのaccessの便、③学徒動員が施設が空いていた(毎日夕刊)。●移民船の船長Tunisia人Mohammed Ali Malek、接近して来た沿岸警備船に故意に衝突させ、多数の死傷を招いたとして逮捕(INYT)。●Tibet亡命政府は1995年、6歳で中国当局に幽閉されたPanchen Lama(Gedhun Choekyi Nyima氏)の釈放を要求した(AP-INYT)。●Bandung会議は圧政的。反欧米的な諸国の代表が目立った。北朝鮮代表金永南は5分の持ち時間、20分熱弁、自国の核兵器を擁護した(日経)。●南沙諸島Fiery Cross Reefの埋め立て、飛行場完成までの経費は1.4兆円。採算無視の軍用施設である(金子秀敏氏)(毎日)。●香港当局は民主派を実質上排除する選挙法案を議会に提出した(日経)。●船橋洋一氏が「日本はAIIBに参加せよ」と呼びかけている(INYT)。●原発問題:reductionismからすれば、危険は少ないとされるがholismからはriskが大きい(風都氏)(大機小機)(日経)。●作家Frederick Morton死去(90)。Wien生れ、1938年Anschlußで亡命。著書The Rothschildなど(INYT)。●「仲畑川柳」「電球を替えて明るくなる私」(ひとちゃん)「還暦に抜いた歯屋根に投げてみる」(のびた)「義理でする万歳の腕伸びきらず」(麦そよぐ)

Hubbleが撮影した「わし」星雲の柱

April 24, 2015

「事実の規範力」ということについて。「最初評判が悪く、民衆の反撥を買っていた法が段々定着して正常(normal)と感じられるようになり、やがて規範として受け容れられる」という現象、逆に「制定された法が定着せず、やがて立ち消えになっていく」という現象は存在する。しかしそこから「民衆の規範意識の存在が規範の効力要件である」という定義を導き出すとすれば、それは行き過ぎだろう。世の中は中途半端なもので、多くの法の存在を民衆は知らないし、民法の条文だって多くの国民が一生に一度も関係しないものも少なくない。商法はなおさらで、手形や小切手を見たこともなく死ぬ者も少なくない。税法などは、多くの民衆に嫌われ、税務署職員の規範意識によって辛うじて支えられている。「植民地権力の法は法でない」として、特に独立後遡及して効力を否定することが行なわれることがある。しかしその場合でも、「法でない」とは「実定法でない」という意味か、法制史の対象ともならないか、という問題はある。Jellinekの議論は社会現象の一部の観察であり、法の定義に規範意識の存在を持ち込むことはできないだろう(彼もそうはしていないと思う)。美濃部は、「法の本質」論に持ち込んでいるが。▼院ゼミ、学生がいなくなる。「占領史の重要性が分らないなんて」と腹も立つが「我が身世にふる」ということなのだろう。半世紀を経て、(在米中は除いて)初めて授業のない年度となる。その分、木・金早稲田ないし国会図書館に精勤する。つきあって下さった釜池氏と喫茶、日本Hitler fanたちのことなど、色々話す。「alkoholが飲める体になったら連絡してくれ」と。▼電車でこの間買った『婦人年鑑』(1939)パラパラ眼を通す。昭和10年に思い立ち、11年に第一巻を出したが、反響は意外に大きく、世の歓迎を受けた、と。内容は非常に充実している。個人芸ではとてもできない。編集者は村上秀子さんという人だが、本書中の人名録によれば、1894年宮崎県生れ、日大社会科に学んだ。記者を経て「東京聯合婦人会」主事など(本書によると、女子正科生の入学を許す大学は私立では明治・同志社・龍谷・東洋・法政のみで、日大社会科は「正科」ではないらしい)。調べると、『婦人年鑑』は大正9年佐藤順造・内田茂文編(日本婦女通信社)、昭和23・4年松崎弥造編(日本婦人新聞社)と三度に亘って出ている。村上さんの編は昭和15年(第五号)まで続いたようだ。協力者に基督教婦人矯風会の守屋東氏、二葉保育園長徳永恕氏(男のような名だが、何れも女性)がいた。私は3000円で買ったのだが、10000円くらいで復刻版が出ているらしい。▼深夜『蟹工船』読み終える。Kamchatkaの漁場で「船の中の権力は多勢に無勢」と水夫たちが叛乱を起す。そこへ日本海軍の駆逐艦が通りかかる。肝心なところでまるまる一頁検閲削除。どうなったかよく分らないが、多喜二には粗野な激しさがある。本当に多勢に無勢という構造になったら、船舶内の叛乱は手のつけようがない。Potemkinなど。MelvilleのBenito Cerenoもその主題を扱っている。社会全体が「多勢に無勢」という構造になったら革命である。船舶は国家の縮図である。状況が一船舶に限定されていれば、「乗っ取り事件」ということになり、帰国すれば罰せられ、飛行機の「よど号」のように「友好国」に亡命することになる。『蟹工船』ならソ連への亡命へと発展するか。多喜二もその主題には立ち入っていないか?場所が場所だから、削除された一頁はそういう話か?

――明日は早朝京都に出発、夜遅く戻る。

[新聞] ChileのCalbuco火山が大爆発(AFP-Japan Times)。●1.5億年前に棲息したStegosaurusの背中の板状の骨は雄と雌で異なっていたらしい(AFP-Japan Times)。●ジョン万次郎と見られる人物の未公開写真がMassachusetts州の図書館保管史料から発見された(日経)。●大曲覚氏(92)の回想:秋田鉱山学校から召集され、硫黄島で鶴嘴だけで防空壕を掘らされた。中は50℃、兵士たちは消耗しきって、日本兵同士が水を争って殺し合った(Kyodo-Japan Times)。●Vietnam戦争はアジアの共産主義国がまとまった最後の時期で、ASEANはそれに対抗する反共国家群として発足した(西川恵氏)(毎日)。●昨年のドイツへの亡命者は20万人だったが、今年は30万になるだろう(INYT)。●AfghanistanのTalibanは少数民族Hazaraへの迫害を強めている。Shia派迫害においてISと競っている(INYT)。●インド政府の、土地取得を容易にする法律に反対する農民が大衆の前で自殺した(INYT)。●中国当局はMercedes-Benzに3.5億人民元の罰金を通告した(INYT)。●中国は南極大陸への野心を強めている(INYT)。●将棋棋士の脳:戦略を決めるときは、大脳中心部の帯状皮質で攻防の意味を判断した後、前頭前野背外側部に情報を集めて決断している(毎日夕刊)。●「五年前、私と父との間に大きな諍いが起き、和解できぬうちに父は亡くなった」(井上都氏)[「父」じゃ井上ひさし氏](毎日夕刊)。●「仲畑川柳」「ついニヤリ使い切ったぞボールペン」(馬鹿駄物)「八百万神の数なら負けぬ国」(素一)「長所欄叱られ上手と書く息子」(お宮参る)「百年も一瞬だったと長寿逝き」(風車)

Calbucoa山爆発The view from Puerto Varas shows a high column of ash and lava spewing from the Calbuco volcano in the darkness of early Thursday. The Calbuco volcano erupted Wednesday, spewing a giant plume of ash high into the sky.

stegosaurusStegosaurus  米マサチューセッツ州の図書館で見つかった写真。左がジョン万次郎とみられる(ニューベッドフォード自由公共図書館提供・共同)ジョン万次郎?

April 25, 2015

昨日神保町の古書店で『新独逸国家体系第一巻・政治篇一』(日本評論社)を買う。15000円の売価が1500円に改められている。Nazis基本文献翻訳集である。「刊行後援会」会長は商工会議所会頭前商工大臣伍堂卓雄、名誉顧問に米内光政・塩野季彦・木戸幸一・板垣征四郎・有田八郎など閣僚が名を並べ、泉二新熊大審院長、企画院総裁青木一男、法学界から牧野英一、顧問に穂積重遠・末弘厳太郎などの名がある。それと別に「刊行会」があり、編集事務主任は平野義太郎である。本書のドイツ語題名はGrundlagen, Aufbau und Wirtschaftsordnung des Nationalsozialistischen Staatesと厳粛そうに髭文字で書かれている。冒頭に演説するHitlerの写真。訳者は孫田秀春・和田小次郎・長場正利・今中次麿・住谷悦治など。大臣の中で名を連ねていないのは、平沼首相と荒木文相のみで、これがどういう訳か分らない。宇和島藩主子孫・伯爵・貴族院議員の二荒芳徳という人の次のような推薦文が附されている。「私は年毎に起ち上る独逸の雄々しい姿を見て、英傑を中心に、国民が総掛りで祖国興隆に全力を捧げてゐる勇ましい有様を如実に見て、感嘆措く能はざるものがあった。今や独逸は我が防共の盟邦である、云々」。日本の国家を挙げてのナチ加担という主題は、tabooにされたままではないかという気がする。▼早起きして京都へ。一日結局参加者の自己紹介と日程作り。独創的な若い研究者を集めたもので、自己紹介のみでもsymposiumくらいの収穫がある。「租界の法律関係」「田中耕太郎の受けた教育」「日本宮廷儀礼におけるドイツと英国」「明治期法system変革と裁判官たち」「選挙区の江戸期地域区分との連続と断絶」「領事裁判における諸国の角逐」「従来の江戸教育史研究における史料の間接性」「朱子学と皇室」「1920年代日中関係史」「記念事業」「評議――ものの決め方の歴史」等々。色々刺激を受けて考える。戦争の政治神学、speech actとしての筧神道、speech actの極限としての暴力、蓑田胸喜が神道に触れないこと、etc.etc.福岡さんとも色々話す。幕末国際交渉における通訳たちは、「へへーっ」と平伏しながら訳したのだ、と。帰りの新幹線が寒く、冷え込む。車掌が来たら言おうと思うが来ない。▼K氏の訃報、いつか戴いた彼の業績をまとめて読み、ちゃんと感想を述べようと思っていたのに。申し訳ないことをした。

[新聞] 中国teamの「ヒト受精卵の遺伝子を改変した」という発表に対し、国際幹細胞学会は「この技術を当面の間臨床目的で使わない」ことを求める声明を発表した(毎日)。●南アでアフリカ各国からの移民に対する排斥事件が頻発している(毎日夕刊)。●四川省の裁判所は暴力を行使する夫を殺した妻への死刑判決の執行を停止した(INYT)。●「Gandhiが成功したのは、相手が人道を重んじる余地のある英国だったからだ」(Hannnah Arendt)。だが、Gandhiの意義は、強大な非人間的暴力への立ち向い方を示したこと自体にある(山折哲雄氏)(毎日)。●あるSyria人が密航仲介業者に払った密航料は4000㌦(毎日)。●Engagement(社員の仕事に対する充実した精神状態)、日本は低い(橘・フクシマ・咲江氏)(毎日)。●「仲畑川柳」「下戸のうえ鍋まで遠い不利な席」(麦そよぐ)「少食のふりをしちゃった初デート」(本間成美)「なせばなるなさねばならぬ当たり前」(倉さん)[後半は当たり前だが、前半はそうでない]

Arpil 26, 2015

森正蔵戦時日記の人名索引、ほぼ終りつつあるが、Missouri号での降伏文書の調印式、日本の報道機関では同盟のみが参加を許され、『毎日』は写真をアクメ特派員に委嘱したとある(p.373)。人名かと思ったが、ACME Photographsという、New Yorkの報道写真の会社らしい。これだけのことが分るのにも時間がかかる。acmeはギリシャ語の「頂点」。▼深夜一時半、一応人名索引終る(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/kyokoku.html)。但し生卒年の多くはあとまわし。

[新聞] 慶長20(1615)年旧暦4月26日、大和郡山城攻城戦、大坂夏の陣の緒戦(毎日・余録)。●徳島大附属図書館は伊能忠敬の測量図を高解像度でdigital撮影、一般公開。重ね合わせて針で貫通させた針穴まで見える(日経)。●昭和八年一月(殺される前月)多喜二は恋人タキの留守宅に置手紙、「じゃ元気で!幸福で!」(梯久美子氏)(日経)。●北拓銀が破綻し困難に陥った時、住友信託銀行が助けてくれた(似鳥昭雄氏)(日経)。●凧、風船、ブランコ、風車、シャボン玉――春の季語(日経・春秋)。●「日経俳壇」「亡き人や桜の下にいてほしく」(清見ひとみ)「別れゆく友の肩には桜かな」(川井美優璃)「小ぬか雨小溝に春の鮒入り来」(松嶋光秋)●「日経歌壇」「ひそやかに手話する母に手話すれば降りしホームに手を振りつづく」(横山房子)「ああ咲いているな以上の感想が出てこないのだ今の私は」(池田典恵)●「仲畑川柳」「車椅子たった二段に阻まれる」(お鶴)「ネコかぶる頭にネコを載せてみる」(東原佐津子)「潤んだ瞳(め)色っぽいけど花粉症」(老婆の休日)「初オナラ身も世もなかった妻は今」(寿々姫)「終戦時小五のガキが今八十」(江口隕石)「野良猫が春が来たよと告げている」(大友利勝)「温かい拍手をされる負けたから」(立地Z骨炎)「前の人値切ってくれてオレも買う」(カトンボ)●「脳トレ」「ガキ爺はこぼす躓くすぐに泣く」(ふみまこ(76))「気が合うと妻に言ったら『合わせてる』」(花ひらく(65))「障子の穴ひ孫遊びに来たるらし」(井西康郎(89))「三十回噛んでるうちにみんな冷め」(さな江(67))「男女ともおめかしをして喜寿会に」(比留川みや(77))

大坂夏の陣図屏風

伊能忠敬地図

April 27, 2015

京都で話したこと:(I)午前(自己紹介)①明治論の重要論点の一つは「健全なrealismの明治と不健全な非現実主義の昭和」という司馬遼太郎の図式の妥当性を再検討することではないか。②私は日本憲法学史の仕上げとして美濃部論に取り組んでいるのだが、(a)大正期を代表する開明的な憲法学、それ故の機関説事件での受難という美濃部憲法学観と、(b)ドイツ官憲主義の行政法学者Otto Mayerの受け売りで田中行政法学に連なったという左翼行政法学の美濃部観、(c)その統合の試みの一環としてOtto Mayer観の再検討を試みている。MayerはBayern出身、Alsaceで弁護士、やがて法学者になるが、最初は私法学者だった。最初の大著はフランス行政法だが、Franceでは貴族に支配された保守的司法に対し、TurgotやQuesnayなど行政官が革新の担い手で、行政権を強くすることが進歩派の綱領の一つであった。Mayer行政法学を官憲主義法学として捉えるimageは再検討の余地があるのではないか。(d)余談だが、MayerはGymnasium時代から小説を書いており、教授になってからもEduard Dupré のpen nameで小説を書いている。日本では法学の正統派主流にデンと坐ったimageだが、もっと文人肌の人物だったのではないか。(e)行政法ということになると行政権の確立が前提となる。新王朝の創立者たちは、武力的平定が終ると、かつての武士たちを行政官に転向させて、行政組織を作った。前政権からの組織の承継も不可避であろう。中国の王朝は科挙という制度が行政権の継続性を保障した。明治政府が早い時期から薩長の外から、旧幕臣など人材をrecruitして行政権を作ったのは賢明なことだった。西洋行政法の導入も行政組織の設立という前提があって可能となった。(f)Kevin Doak氏の田中耕太郎論に関連して:内村鑑三と田中の訣別は、外交官の妻の離婚・再婚事件を契機とするが、実は最初から田中と内村の遭遇は偶発的なものではないか。初期の田中の設立中の会社を個人主義的法律構成ではなく、Gierkeに言及しつつ、法人の胎児として有機体説的に構成しようとしたところに、教会を実体とするCatholic思想の萌芽がみられる[Doak氏はあとで「その通りだ」と言いに来られた]。(II)夜のPartyにて:①大学教師をservice産業の職業倫理に服させようとする潮流の中で、現役中は雑用で本格的な研究ができなくなっている。そこで定年後の何年間かテーマ、資料、体力を温存しておいて、そこでlife workないし何冊目かの主著を書くことを人生計画とすべきではないか。②私は二月に胃の癌が発見され、3月17日に切除手術を受けたが、初期発見だったので、内視鏡で患部を除去し、しばらくは娑婆に居られそうだ。病院は実質上癌病棟で、手遅れの悲惨な患者を多く見た。重要なのは早期発見で、せっかく定年後著作のテーマをもっていても、発見が遅れて死んでしまったのではもったいない。(III)思いながら言わなかったこと:明治の近代化成功というapproachの対極として、進化論的・発展段階説的歴史観に対する批判がある。「文明の進歩」は不可逆的なcatastropheに向っているのではないかという予感。Islamic Stateなどもその予兆か。中国の膨脹と覇権願望も滅びへの路に連なるか。▼人名索引の生卒年、なかなか難物で、難渋する。人名辞典に載るような有名人ばかりでないから、仕方がない。「佐藤」などと言われても、どの佐藤だか全然分らない。

[新聞] Peter Druckerは日本美術の蒐集家でもあり、展覧会を千葉・長野・山口で開催、室町水墨画が中心で、大雅、浦上玉堂、白隠、伊藤若冲、琳派など(日経)。●『三四郎』に運動会で一位の学生が200m25秒74で優勝する。当時秒の100分の1まで測れた(毎日・余録)。●日中戦争における掃討作戦はHitlerの絶滅作戦に連なる。Poland、ソ連の強制労働は日本の徴用に連なる(石田勇治氏)(山田孝男氏)(毎日)。●日本で捕虜生活を送った米国人たち、「もう心理的には和解したが、過去に日本がしたことを消去しようとしてはいけない」(AP-Japan Times)。●かつての共産党の活動家で「長征」参加者、しかし趙紫陽らと体制を批判した李鋭(1917-)の娘李南央氏が父の回想録(『李鋭口述往事』)を没収され、訴訟中である(INYT)[20年以上前、街で買った書物を帰国時に没収された記憶が甦る]。●小樽市長選、自・民推薦の現職を「整形」「ヘリ運用」企業者が大差で破る。●国立大への国旗・国歌要請:「国家主義をどう考えるかは内心の自由ではないのか」(塚本憲氏(59)(毎日・投書欄)。●Canadianの落語家桂三輝(Sunshine)氏、ギリシャ喜劇が日本の芸能に似ていると聞いたところから来日、落語を発見して桂文枝に弟子入り、諸外国で英語の落語。評判はいい(日経)。●ニトリ「ヨーロッパの会社ですか?」、「イケア」みたいなものと思われたらしい(似鳥昭雄氏)(日経)。●「仲畑川柳」「中国語太太=妻に納得す」(忠公)「財産は笑顔はじける友の数」(上野和子)「富士山が見えずガイドが詫びを言い」(小藤正明)「口紅が無口にさせた七五三」(あーた)

雪村周継《月夜独釣図》室町時代
ドラッカー・コレクション Sanso Collection雪村周継(Drucker Collection)

April 28, 2015

思想運動の原理主義化という現象、これは屡々自滅への道に連なる。ユダヤ教における預言者たち、その「項(うなじ)の固さ」がdiasporaを招いたか。Puritan革命の失敗。昭和初期の「國體」論の暴走。全共闘。Islam原理主義。思想的原理主義の自滅は、通常副作用として途方もない害悪をもたらす。科学の発達も、ひょっとしてその一例で、人類の滅びへの道を加速しているか(「こう」という発音の漢字は余りに多く、パソコンで「項」を出すのは大変だが、「項目」から「目」を削る方法もあるが、「うなじ」と打つのが一番簡単である)。▼頭痛とか図画とか地震とか、「た」行の言葉の濁音を「ざ」行に仮名書きすることは、多少語源に敏感な人間は好まないが、パソコンは「ざ」行に統一している。その結果として私などは屡々無駄打ちすることになる。「づつう」と「ずつう」の両方から引けるようにしたところで、実害はないと思うのだが。▼京大の国際法研究会で、香西先生の 「『イスラム国』と『満州国』をめぐる国際法自衛権を中心に」、西平等氏の「戦間期の平和構想におけるMorgenthau理論の意義」という報告があるらしい。行ってみたい気もするが。京都academismの方が私の体質に合うようだ。▼またholocaust season: 庭に蟻の巣ができる。放っておくと台所に行列ができたりするので、蟻退治。毒入りの餌粒の入った小容器を巣の傍に置いておくと、彼らの公共心から、餌を巣に運び込み、数日中には絶滅する。真面目で勤勉で公共心に富んだ彼らを、その公共心を利用して滅ぼすのは、まことに忍びないのだが。過去の経験では二年間は巣ができない。

[新聞] 坂上田村麻呂に敗れ、京で処刑された蝦夷の英雄阿弖流為と母禮を追憶するアテルイ・モレの会(日経)。●魯迅の「藤野先生」、実直なひたむきさが彼をうった(玉木研二氏)(毎日)。●数万年前までKathmandu一体は湖だった(毎日)。●Nepalでは月光は「タハタハ」と照り、星は「チャムチャム」とまたたく(毎日・余録)。●現実に尖閣で日中に事態が生じた場合、米国が介入するかは、その時にならなければわからない(毎日・社説)[しかし介入の可能性があるだけで「その時」を抑止する可能性が高いだろう]。●経済同友会新代表理事小林喜光氏(三菱Chemical Holdings会長)は「日本は崖っぷちに立っている」「これまでの延長線上には未来はない」と述べた(日経)。●「ドローン男」:航空自衛隊出身、父は借金苦で猟銃自殺した(週刊文春広告見出し)。●秋原勝二氏(101)死去。満鉄社員だった1932年、大連に文芸誌『作文』に参加。植民地体験を書き続けた(毎日)●「毎日俳壇」「船頭が手を貸している春日傘」(林秀峰)「最後まで残る子猫も貰はれぬ」(片岡和子)(「ぬ」には完了と否定の二義)「子に聞(訊)かるさざえの角の役目など」(北村秀雄)「渦潮は竜宮城の門かとも」(菊地のはら)「のどけしや犬を乗せたる乳母車」(梅本幸子)●「毎日歌壇」「夜勤終え帰宅する道霞さえ吾が肩に重き介護の疲れ」(野中泰佑)「新聞をめくる気力もない夜はやさしい朗読係がほしい」(池田典恵)「十年で人はこんなに老いるのか新旧旅券のわが写真見る」(加藤武朗)「白魚の値段にはかに上がり来て漁期の終り迫りたりしか」(山県満江)「ガレージの扉を閉めるその音に君の安堵伝わりて来つ」(加藤裕子)●「仲畑川柳」「どの場所も見つかりそうな隠す時」(西幸子)「冷めぬ距離なのにわあざわざ冷ます嫁」(柏原のミミ)「顔よりも口が大きいツバメの子」(山上秋恵)

April 29, 2015

明治維新は、出発点の攘夷主義が、当事者たちの新状況へのすばやい適応によって開化主義に転化したが、根底には攘夷主義への原点回帰衝動を秘めており、それが昭和になって再生し、自滅へと導いた。こういう集団的原点回帰衝動とはどういう現象なのか。原爆・敗戦に始まった戦後史にも原点回帰衝動があるか。その原点を「戦争はこりごりだ」とだけ定式化することが、九条擁護運動に連なるか。岸・安倍一族の親米主義は、本格的な米国との共闘へと向っているか。彼等は、米国民主主義のIdeologieは(中途半端にしか)受け容れず、ただ「米国と戦争したのが失敗だった」という実感が原点になっているか。昭和30年代、満州国当事者たちが残存する精力を結集して作った『満州国史』は、「満洲は清朝の故地で、日露戦争で日本がロシアから確保した満洲は、諸民族の共有地、日本にも権利がある」というIdeologie で書かれている。岸信介もその企画の中心人物の一人であった。彼等によれば、悔いるべきは中国本土にまで野心をもったこと、米国と戦ったことのみなのである。父に連れて行かれた満洲関係者の会合で、伊東六十次郎氏は「満洲でやめておけと言った石原閣下は偉かった」と言っていた。(石原が予言した)「世界最終戦」は米中戦か。▼春の受勲:知人等もちらほら: 辞書を頂戴した小久保崇明先生、class mateの塚田延充君、他に谷口安平氏、村上陽一郎氏、渡辺昇一氏など。

[新聞] 「見て醜く、嗅いで不快で、脳に有害で、肺に危険な」煙草(James I)(George Will氏)(Japan Times)。●鴎外『舞姫』原稿が公開される。3月古書籍市で跡見学園が4600万円で購入した。エリスが登場する場面や「我学問は荒みぬ」という箇所など文字が乱れている(毎日)。● 「終戦時私は20歳だった。だから大事な十代はずっと戦時下だ。母を亡くし、主婦代わりだったので、徴用は免れた。私は本に逃げ込んだ。本の中では自由だった。戦後70年、戦争がなくてよかった」(薗田恵美子氏(89))(毎日・投書欄)。8月6日、瀬戸内海で航空母艦の朝礼時、「日食のような空にきのこ雲」が光り、「鮮やかな光がいつまでも空に残っているものだ」と思った(86歳男性)(毎日)。●「切れ目ない協力」が「歯止めない協力」に聞こえる人も多かろう(毎日・余録)。「日本にとって最大の脅威は米国がこの地域への関心を失うことだ。米国の存在が希薄になれば、中国が作り出す秩序にNoと言えなくなる。経済・防衛で応分の責任を果たすことで、米国を引き留めておく必要がある」(中山俊宏氏)(毎日)。●「戦争と平和は対立しない。戦争は平和を確立するための一processである」(湯浅誠氏)(毎日)[必ずしも湯浅氏自身の意見ではないようだが、Si vis pacem, para bellum(平和を欲するなら戦さに備えよ)は古今の常識である。4-5世紀のローマの著作者Renatusの言葉らしい]。●VietnamはHo Chi Minh市の証券取引所をHanoiに一本化する(日経)。ASEAN、岩礁埋め立てに「深刻な懸念を共有」と声明、結束を示した(毎日)。●昨年7月、Uighur「自治」区莎車で現地人たちが武装攻撃を受け、1000人も行方不明のままである(AFP-Japan Times)。●中国は「芸術賞」など文化行事への規制を強めている(AFP-Japan Times)。●中国には430人のbillionaires(十億万長者)がいる(INYT)[ドル建てでである]。韓国現代重工業213億円の赤字(日経)。創業間もないホンダには航空機技術者が働いていた。「中島飛行機」の解体で行き場をなくした人々など(中村秀明氏)(毎日)。●「誠実さがなければいい製品は作れない」(庄山悦彦・元日立製作所社長)(毎日)。●「全国女性農業経営者会議」が四月に解散した(青山浩子氏)(毎日)。●2015年に新たに癌と診断されるのは98.21万人と予測。癌死亡者は昨年より4000人増の37.09万人(毎日)。●桂三枝師:「芸のためなら女房も泣かす」という古いタイプでなく、むしろ緻密に計画を立てる戦略家である(日経)。●「仲畑川柳」「欠勤の電話がすむと出る元気」(宮本佳則)「余生では今日が一番若い時」(新橋裏通り)「軽トラで俺はかまわん霊柩車」(鹿せんべ)

April 30, 2015

自戒すべきことの一つに、「個人や集団に対する否定的評価の範囲を不当に拡大すべきでない」ということがある。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」というような態度に陥ることを警戒すべきだということである。私は中国政府の膨脹衝動、少数民族抑圧などについて批判を強めているが、この否定的感情を不当拡大しないことも心がけているつもりである。伝統的中国文化の偉大さに対する尊崇、個々の中国人の善良さ、行動におけるpragmatism、中国系知識人の西洋文化に対する習得能力の高さ、等々。米国などの研究機関における中国系研究者の活躍は、英字新聞の読者にとっては、眼を瞠らせるものがある。しかし人間とは他愛ないもので、こういう「自戒」の心境に達するのも、実は自分のある欠点が他人から不当拡大されていると感じたことなどを契機とすることが多い。しかしそれに達する動機の如何はともかく、この心がけは重要なことだと思っている。▼米議会での安倍演説を見ると、岸が戦前の日本の反米主義を反省し、戦後親米主義者になったことが窺われる。60年安保当時、「何ものも学ばず、何ものも忘れず」と攻撃されたけれども、そうでもなかったのだ。「戦後70年」の小文集に米国の「戦う民主主義」との日本のおつきあいという主題を扱ったが(http://book.geocities.jp/ruichi_nagao/70years.html)、脱稿後に、集団的自衛権問題や安倍訪米などを契機に、その主題が現実性を帯びて来た。▼午後二時頃パソコンが突然「このページは表示できません」と一歩も進まなくなる。山田君に相談しようとmailを打ったが、mailも動かない。仕方がなく自分で色々やってみると、どうも足でコードをひっかけて抜いてしまったらしい。▼S君から電話、T君からmail、何れも6月には飲もうというような話。これで何人目か。S君とはギリシャ喜劇の話、山形治江さんの話など。

[新聞] Nasaの探査機New Horizenのとらえた映像に明るい領域があり、窒素で凍った雪で覆われた「極冠」(polar cap)かも知れない(毎日夕刊)。●河北省で1.6億年前の地層から飛膜をもつ恐竜の化石が発見された(毎日)。●7000-6500万年前のtyrannosaurus rexの親類に鳥のような嘴をもった草食恐竜Chilesaurus diegosuaregiの骨がChileで発見された(AFP-Japan Times)。●島根県で発見された足利義景の自害を伝える秀吉の書状(日経夕刊)。●篠原初枝『国際連盟』(中公新書)(毎日夕刊)。●「われわれは個人の自由と尊厳を基礎とする民主主義の高邁な原則を信奉し、国を挙げてこの使命感達成に全力を傾倒している」(岸信介、1957年米議会にて)(毎日)。●「かえりみて私が心から良かったと思うのは、米国と組み、西洋世界の一員となる選択にほかなりません」「私の苗字ですが、『エイブ』ではありません。アメリカの方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません」(安倍、米議会にて)(毎日)[AbeはLincolnの呼称]。●安倍の用語("with deep repentance in my heart、"feelings of deep remorse over the war")remorseはregretよりも強いが、更にrepentanceには宗教的悔悟のnuanceがある(日経)。●安倍演説へのstanding ovationsは10回以上に及んだ(毎日夕刊)。●Obamaの「俳句」: Spring, Green and Friendship/United States and Japan/Nagoyakani(春緑日米友好なごやかに)。●硫黄島戦に参加したSnowden中将と栗林忠道大将の孫新藤義孝前総務相が傍聴席で握手、総立ちで喝采を浴びた(毎日夕刊)。●米国が日本やSingapore、それに西洋諸国を支援するのは経済的動機のみではない。それは、rulesを失い、自然状態への解体(disintegrating into states of nature)に向っている世界において、これらがrule-based worldだからである。中国は「アジアにおける800ポンドのゴリラ」だ(Thomas L.Friedman)(INYT)。●米国の新生女児の平均余命は、13年前は先進国中13位だったが、現在は29位である。1980年には米国の幼児死亡率はドイツと同水準だったが、現在は倍だ。十代女性の出産率は先進国中の一位、Franceの七倍である。子供の内4人に1人は片親のみと暮らしている。5人に1人は貧困状態にある。大人の1000人中7人は獄中にあり、この数字は先進国の5倍、40年前の米国の3倍である。大学卒の白人で結婚した母親をもつ子の平均余命は他の先進国並みなのだが(Eduardo Porter)(INYT)。●ロシアは野党Progress Partyの公認を取り消した(AFP-Japan Times)。●Vietnam戦争は15年間続き、Vietnam人の犠牲者は150万(毎日・余録)。●習近平の姉が経営する会社が2009年大連万達集団の株2860万㌦分を買った。現在2.4億㌦になっているという(日経)。●賃金上昇・労働人口減少など「中進国の罠」まであと5-7年(樓継偉財政相)(金子秀敏氏)(毎日)。●AIIBは中国国内のprojectsにも投資するのか。国内の分は世銀やADBの低い利率で借り、AIIBでアジア諸国に融資するのか(伊藤隆敏氏)(日経)。●中露の調査団が第二次大戦末期ソ連の対日戦の戦場でソ連軍戦死者の遺物を発見した(AFP-Japan Times)[日本を敵とした1945年に歴史を戻そうとしている]。●「『押しつけられたものだから変えるべきだ』という議論はちょっと寂しい気がする」(船田元氏)(毎日)。●「物知り博士」日置昌一氏(1904-1960)の事業を承継して、子息英剛氏(80)が『新・国史大年表』(国書刊行会)全十巻を完成。将棋の谷川浩司元名人は神戸・滝川高校の教え子(毎日夕刊)。●連載中、反響の大きさに正直驚いた。一方、品のない過去の行為に批判があったことも承知している(似鳥昭雄氏)(日経)[苛酷な暴力的な環境からこんな成功者が育ったと、感心した]。●『大器じゃないけど晩成しました』(4月四段になった今泉健司宇治(41)の著書)(毎日)。●「お前はホンマにアホやなあ」という刑事の言葉が犯人の心にしみる。「バカ」と違って「アホ」にはぼおっとあったかい感じがある(近藤勝重氏)(毎日夕刊)。●「僕が死んだら」というsiteにaccessすると死後のblogの扱いの相談に乗ってくれる(毎日夕刊)。●「華と石と」: 酒やギャンブル、女性関係や借金などすべてが規格外だった藤沢秀行九段の妻モト氏(85)の生涯が舞台化される(毎日夕刊)。●Wladyslaw Bartoszewski氏(93)死去。NAZIとも共産主義とも戦ったjournalist。ユダヤ人でないが、Auschwitzに収容された。国際赤十字の圧力で釈放されたという。戦中はユダヤ人救済運動などで活動。戦後は共産党に反対し、10年間投獄された。「連帯」の初期からの指導者(INYT)。●Verne Gagne(バン・ガニア)氏死去(89)。日本でテレビ・プロレスが始まったころ来日した(毎日)[「バン」というからvonで、ドイツ貴族がプロレスラーになったのか、などと思っていたが]。●「仲畑川柳」「啖呵切り出て来た店に忘れ物」(舞蹴釈尊)「人間はできていないが人間だ」(戸畑又八郎)

――以下はhttp://book.geocities.jp/ruichi_nagao/DiaryMay2015.html

郎)OpNav3_plutcenv7Rather than the sharp teeth, large head and thick neck of its meat-eating cousins, Chilesaurus had a horny beak, flatter teeth for chomping plants, a small head and slender neck.Chilesaurus想像図

http://i.guim.co.uk/static/w-860/h--/q-95/sys-images/Guardian/Pix/pictures/2015/4/27/1430146661147/0ecc3d32-3a2c-4847-9a77-7d950292346e-1020x365.jpeg

朝倉氏の滅亡をいち早く伝えた羽柴秀吉の書状=28日、県庁

膜を広げて飛ぶ恐竜「イー・チー」の想像図(DINOSTAR社提供)イメージ 1像図“AWAの帝王”バーン・ガニア氏死去 米国メディア伝える G馬場、S小林と名勝負Verne Gagne