姑獲鳥の夏
著者・京極夏彦(出版元・講談社(著者敬称略)


カバー
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●おもな登場人物●感想●印象に残ったセリフ


おもな登場人物
●中禅寺秋彦−古書店『京極堂』の主人。武蔵晴明社の神主で陰陽師
●関口巽−小説家
●榎木津礼二郎−『薔薇十字探偵社』の探偵。榎木津ビルヂングのオーナー
●木場修太郎−東京警視庁の刑事
●久遠寺涼子−久遠寺家の次女


感想
「この世には、不思議なことなど何もないのだよ、関口君」
 好きなのだよ、京極堂のこのセリフ(^−^)。

 さておき、これは京極夏彦の処女作・『姑獲鳥(うぶめ)の夏』です。

 私が京極夏彦を知ったのは、アサミストであるヨシさんのHPを訪れたのが
きっかけです。ヨシさんは内田康夫作品だけではなく、たくさんの作家の小説
やノンフィクション作品を読んでいらっしゃって、ご感想を書かれています。
私は京極夏彦作品のご感想に、とても興味を抱いたのです。

 そして、しだいに読んでみたいという気持ちが強くなっていき、とうとう、
「読もう!!」と思って書店へさっそく急ぎました。

 さあ、でも京極夏彦のファンに到るまでは、どれだけの覚悟を決めなければ
いけないのか!! それはのちのち(^−^)。


 『姑獲鳥〜』のあらすじは、昭和27年の梅雨--------。東京・雑司ヶ谷
の医院に、妊娠20ヶ月にして未だ子供が産まれない女と、その女の夫は密室
から姿を消した。小説家・関口巽は同期生である古本屋で陰陽師の中禅寺秋彦
や探偵・榎木津礼二郎と共に、事件の真相を探るが...

 こう、あらすじを書きながら、あらすじだけでは語れないスケールの大きさ
があります、京極夏彦の小説は!!


 とにかく世界観が好き。一言で言うのならば、前衛的。舞台設定は戦後から
復旧しかけた日本なのに、本を読むと鮮やかに目の前に広がります。
 しかも、今までのミステリー(ミステリ)にはない特殊さがいい。それは、
憑物落としです。主人公の一人、中禅寺秋彦(京極堂)が事件の関係者を集め
その人たち一人一人に取り憑いた思いを振り落とし、真実をさらけ出します。
(妖怪シリーズの)憑物落としほどすごいシーンは、既存の小説ではなかなか
見られるものではありません。読んでいる読書も落とされて(狂言回しの関口
巽と同じように)、その真相にあなたは--------。

 今まで読んできた小説では物足りないなあ、どこか、新鮮味が溢れる小説が
読みたいなあという方にはおすすめします。

 もし、ハマって続編を読みたいのならば、刊行順に読むのがベターです。

 『姑獲鳥の夏』から、『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』、『狂骨の夢』、
『鉄鼠(てっそ)の檻』、『絡新婦の理(じょろうぐものことわり)』など、
まだまだあります。これから読もうとする方も、今まさに読んでいる方もがん
ばって下さい!!

 でも、小説を読みなれていない方にはちょっと。それと、この『姑獲鳥〜』
にはエロティックでグロテスクな表現が含まれているので、そういうのが苦手
とおっしゃる方にはおすすめはさすがに……。でも、京極夏彦作品のファンは
若い女性の方が多く、あらゆる分野で同人活動をしていらっしゃるようなので
その点はノープロブレムだと思います。

 注:その人気の妖怪シリーズと言っても、本当に妖怪は出てきません


 そうそう!! 私がファンに到るまでの覚悟とはこの小説を買う時に起きた
ためらい。やはり一は分厚さ、ニに文庫版の(とても妖しい)表紙でしょうか
^^)。これが妖しいの、何の!! すごくこの表紙は綺麗だとは思う
けれど、レジの人の視線にまず落とされた私でした。


●おまけ
 長く続くガーデニングブームで、けっこうお花屋さんの広告チラシを見ます
その中で
「エンジェルストランペット」という美しいお花を見つけました!!
名前の通り白く長いトランペットのようなアサガオなのですが、これって別名

「ダチュラ」なのです!! あの「ダチュラ」が観賞用としてごく普通に売ら
れているとは...私もさすがに
ドキドキしちゃいました!!(・・)。
きっと、『姑穫鳥の夏』を読まれた方にはピンとくるのでは?


印象に残ったセリフ
●中禅寺秋彦(京極堂)/「1」より引用
「この世には不思議なことなど何もないのだよ、関口君」

●関口巽/「1」より引用
「気でも触れたのかい!」

●榎木津礼二郎/「3」より引用
「何が邪魔なもんか。こんな猿男と二人っきりで陰気臭い病院に行くと思った
だけで、今朝から三度ばかり首を吊ろうかと思ったぐらいだ。何、これで京極
の奴でもくっついて来た日にゃあ陰気の極みだが、敦ちゃんだったら大歓迎だ。
何なら関君、君が帰ってもいいんだ」


●久遠寺医院受付にいた少女/「3」より引用
「--------あそびましょう」

●久遠寺涼子/「3」より引用
「私はあの人が嫌いです」

●関口巽/「6」より引用
「かあさん」

●中禅寺秋彦(京極堂)/「7」より引用
「いずれ必ず訪れるであろう破局を、明日か、今日かと待ち続ける毎日は死ぬ
より辛いじゃないか(略したのは、ネタバレになる可能性があるからです)」


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