
おもな登場人物(カッコ内は年齢です)
●浅見光彦(33)−フリーのルポライター
●水上秀美(24)−水上流の能楽師
●川島智春(21)−大学生
章タイトル
上巻
●プロローグ
●第 1章 五十鈴を持っていた男
●第 2章 『道成寺』の鐘の中で
●第 3章 吉野奥山に消ゆ
●第 4章 霊気満つる谷
●第 5章 悲劇の連鎖
●第 6章 留置人・浅見光彦
下巻
●第 7章 雨降らしの面
●第 8章 浅見の「定理」
●第 9章 歴史と奇跡は繰り返す
●第10章 初恋の女
●第11章 悲劇の演出者
●第12章 ひとり静
●エピローグ
感想
これはいいです!! 内田康夫との出会いのページにも書きましたが、私が
初めて読んだ内田康夫ミステリー(*^−^*)。
実際、平成3年に日本映画界の巨匠・市川崑(こん)監督の元により映画化
された同名映画の公開がきっかけで、原作者である内田康夫や、名探偵・浅見
光彦シリーズを知った方がけっこう多いのではないでしょうか。私も何度か、
この映画をTVなりビデオなりで観ました。
『天河〜』のあらすじは、東京・新宿の高層ビルの前で、五十鈴(いすず)
を持っていた男が衆人監視の中で息絶えます。
一方、能楽の名門・水上流(すいじょうりゅう)の御曹子が舞台で道成寺を
舞っている最中、鐘の中で雨降らしの面を付けたまま死を遂げることに...
舞台が奈良の吉野、天川に愛知の豊田です。私はとうとう、内田ミステリー
の美点である「旅情」にそそられ、ヒロインの川島千春が辿ったように(私も
愛知県人)天川へ行ったことがあります。今でも天河神社で購入した五十鈴は
宝物です!!(おみやげ用のペンダントタイプ★)。
いずれ、その時の旅のことは、レポートにして公開したいと思っているので
お楽しみに(^−^)。
『天河〜』の醍醐味は何といっても、天河の“気”でしょうか...
それほどまでに、“気”に吸い込まれてしまいました。
天河神社の雰囲気といい、古典芸能のひとつである能楽など、今まで全くと
言ってもいいほど、なじみでなかった世界に魅了されてしまいました。
もちろん、私が感じたのは、天河の“気”だけではありません。『天河〜』
は一見、とても難しい感じの割には信じられないほど読みやすかったことと、
読みやすくて、現在最も手に入りやすい角川文庫の上下巻であっても、そんな
にページ数が多い気がしません。従来の内田ミステリーにはない異色さが出て
いてむしろ新鮮だと思います。登場人物もいかにもいわくありげで、その上、
前向きに生きているヒロインたちには共感を覚えます。とても、ミステリアス
で美しい作品です。
個人的には、主人公・浅見光彦の良さといえば正義感、温かさ、やさしさが
あげられるのですが、この作品では彼が抱いていたコンプレックスや、亡き妹
と水上秀美とをシンクロさせたり、初恋の女(ひと)のことを想ったり、なか
なか普段では知ることもできないないエピソードが散り込まれていて、ファン
にとっても、初めて浅見光彦シリーズを読む方でも、十分に楽しめる作品だと
思います。
印象に残ったセリフ
●浅見光彦と吉田須美子/「プロローグ」より引用
「セーターにパン屑がいっぱいついてますよ」
「あ、ありがとう」
「あーあ、しようがないわねえ。さっきお掃除したばっかしなのに」
「悪い悪い」
「それから、どうでもいいですけど、口の脇にジャムがついてますよ」
「どうもどうも」
●浅見光彦/「プロローグ」より引用
「なんだ、失せにけりの三宅老か。また縁談かな?」
●川島隆夫/「第1章 五十鈴を持っていた男」より引用
「女優かよ、この顔が」
●三宅譲典/「第6章 留置人・浅見光彦」より引用
「ああそうだよ、尊敬していたのだと私は思う。おやじさんは、『光彦には、
おれや陽一郎にはない才能がある』と言っていた」
●須佐千代栄/「第7章 雨降らしの面」より引用
「床に敷かれた薄縁(うすべり)に、樟脳(しょうのう)の匂いがしていたわ」
キャスト(劇場版『天河伝説殺人事件』より(放映:'1991(俳優敬称略))
●浅見光彦(榎木孝明)
●浅見陽一郎(石坂浩二)
●水上秀美(財前直見)
●水上和憲(日下武史)
●水上和春(山口真司)
●水上菜津(岸田今日子)
●水上和鷹(山口粧太)
●高崎義則(神山繁)
●道伝正一(岸部一徳):原作にはないオリジナルキャラ。
●長原敏子(岸恵子)
●権藤綾(奈良岡朋子):原作にはないオリジナルキャラ。
●剣持譲典(伊東四朗):原作でいうと、三宅譲典の役割でしょうけれど。
●仙波警部補(加藤武):原作では、瀬田? 加藤武は市川崑作品に多数出演。
●倉田刑事(斉藤洋介)
●気賀沢刑事(貞永敏)
●橘署長(小林昭二)
●中村巡査(常田富士男):原作にはないオリジナルキャラ。
●仁礼神宮(大滝秀治)
●石渡五郎(酒井敏也):原作にはないオリジナルキャラ。インパクトつよし。
●石渡ユリ(岡本麗):原作にはないオリジナルキャラ。
●福本幸吉(出光元):原作にはないオリジナルキャラ。
●福本くめ(横山道代):原作にはないオリジナルキャラ。
●福本千代栄(木原三貴):原作では、須佐という姓。原作のほうが好きです。
●川島幸司 (井上博一)
●川島妙子(立原麻衣):原作では、智春。しかもヒロインの一人、映画では?
●松山医師(松本康夫)
※このリストの作成にあたり、多くのサイトを参考に致しました。