パレアナの青春
著者・エレナ・ホグマン・ポーター(出版元・角川書店(著者敬称略)


カバー

●おもな登場人物●章タイトル●感想●印象に残ったセリフ


おもな登場人物
●パレアナ・フィテア
●パレー・チルトン
●ルース・カリウ


章タイトル
   今日までのパレアナ
 1.デラ嬢の心境
 2.古い友だち
 3.パレアナを一服
 4.『遊び』とカリウ夫人
 5.パレアナと散歩
 6.夕刊売りの少年
 7.新しい友だち
 8.ジェミー
 9.はかりごと
10.モルフェイ横町
11.カリウ夫人の驚き
12.帳場のうしろから
13.愛の勝利
14.ジミーの嫉妬
15.パレー叔母さんの警戒
16.パレアナを待つ
17.パレアナあらわれる
18.切りつめた生活
19.二通の手紙
20.払うお客(ペイング・ゲスト)
21.夏の日々
22.友情
23.『棒にくくりつけられて』
24.ふたたびジミーの嫉妬
25.『遊び』とパレアナ
26.ジョン・ペンデルトン
27.『遊び』をやめたパレアナ
28.ジミーとジェミー
29.ジミーとジョン
30.ジョン・ペンデルトンが鍵をまわして
31.長年の後に
32.魔法のランプ


感想
 この『パレアナの青春』は、『少女パレアナ』というエレナ・ホグマン・ポー
ターの長編小説の続編にあたります。

 『少女パレアナ』、そして今回とりあげた『パレアナの青春』は、全米読者
にのみならず、日本にも小説、アニメと大ブレイクしました!!(^−^)。

 大ブレイクしたあまり、この作品の解説をした訳者の村岡花子さんや、ある
「世界名作劇場」のムック本の中でも記してあるのですが、世界で一番権威が
あるとされている英語辞典、ウェブスターの大辞典には、「パレアナ」という
普通名詞が出ており、「喜び」を意味しまた、「パレアナイズム」には「楽観
主義」、「パレアナーイッシ」
には「喜悦」という言葉に、意味の注が付いて
いるようです。


 さて、私が『パレアナ』と出会ったのは、前にも書きましたがアニメ「世界
名作劇場」
シリーズのひとつ、『愛少女ポリアンナ物語』でした。

 アニメのほうは、「第一部(第1話の「教会の小さな娘」〜第27話の「第
一部完・愛になりたい」まで)」と、「第二部(第28話の「忍びよる影」〜
第51話の「幸福はすぐそばに」まで)」に分かれています。
 「第一部」の原作が『少女パレアナ』で、物語の流れも細かいところを抜き
にすればアニメはほぼ原作通り、「第二部」の原作が『パレアナの青春』なの
ですが、これは後半が大いにアニメと原作の違いが出てきます。

 さて、そろそろ原作のほうのあらすじを……(始めから入れ!!)。


 『パレアナの青春』のあらすじは、米・マサチューセッツ州の都市ボストン
の療養所(サナトリウム)で看護婦として働くデラ・ウェザビーは、姉の屋敷
を訪ねた。デラは心を病んでいる姉・ルース・カリウのために、ある13歳に
なった少女のことを、退院したパレアナのことを話した--------。

 パレアナは交通事故で下半身不髄になってしまったが、ベルディングスビル
の小さい診療所の医者で、デラの勤める療養所の外科医・エームス博士の大学
の後輩にあたるトーマス・チルトンの計らいにより入院した患者だった。無事、
エームス博士の手術が成功して、パレアナの足が動くようになった。

 デラは療養所で見た、パレアナと……そのパレアナが父から教わったという
「喜びの遊び」に関心を持ったこと、「喜びの遊び」とはどんなことの中でも
喜ぶゲームらしく、療養所の患者たちにその遊びが流行り元気になったこと、
また、パレアナが仲たがいしていた実の叔母とチルトンを結びつけたことなど
を語り、「ねえさんにも、パレアナを一服いかが?」と--------夫と赤ん坊
を亡くし、甥のジェミーを探し続けて見つからない姉に勧めた。

 一方、チルトン夫妻の元にデラからの手紙が届き、パレアナは自らボストン
のカリウ家へ。パレアナの待っていたのは、心の闇を抱えているカリウ夫人と、
リボンやレースを売る美しい少女・サディ・ディーン、車椅子の少年・ジェミー
との出会い...

 そしてパレアナは甥を、生きる希望を探すカリウ夫人と、両親のいない少年・
ジェミーを引き合わせた。「ジェミー」は、カリウ夫人の甥と同じ名だった。
 パレアナはカリウ夫人の心をケアし、ベルディングスビルに戻った。叔父と
叔母と共にドイツへ渡り、6年間の長い時を過ごした。
 叔父のチルトンを亡くし、叔母のパレーの金回りも悪くなったという噂が、
町中に広がっている中、20歳になったパレアナが現われる!!

 さらに、本物のジェミーが現われて……とこれが、あらすじです


 『パレアナの青春』を読んで、私がまず驚いたのが以下の通り。
●サディ・ディーン
 原作:貧しいリボン売りの娘。
アニメ:カリウ家の隣の資産家の娘。
●トーマス・チルトン
 原作:たったの五行ほどで...ドイツで亡くなる。
アニメ:嵐の夜、事故で亡くなる。
●チルトン家(旧ハリントン)
 原作:鉄道の株などが暴落、金回りが悪くなる。
アニメ:ずっとお金持ち。
●パレアナ・フィテア
 原作:20歳になり、青春まっさかり。ジミー・ペンデルトンとの恋。
アニメ:「第二部」は9歳くらい。原作のように成長していません。
 --------これが、原作とアニメとの大きな違いだと思います。

 原作だけを読んだことがある方も、アニメだけを見たことがある方も、気に
なるでしょう?
 見比べてみると原作の良いところが分かるし、アニメの良いところも分かり
ます!!(^−^)。


 それにしても、原作でもアニメでも、パレアナ(ポリアンナ)しゃべりまくっ
ています!! 「人間マシンガン」みたいで、もう冷たくて厳しい叔母だろう
が、心が病んだ未亡人だろうがお構いなし。でも、「ああ、なるほど!!」
うなずける言葉ばかり。大人にはない……温かいものがあるのです。

 ちなみに原作ではサディ・ディーンが好きです。独立心が強く、社会の裏表
を知っているあまり、置かれている状況に疑問に持ったり、形だけの慈善活動
を行うカリウ夫人に対して、自分の心を訴えたりするくだりを読むと、いかに
自分が「甘っちょろい」か分かってしまい……、サディの気持ちを厳粛に受け
止めました。カリウ夫人もサディの気持ちを理解してくれて、ふたりは以後、
ビジネスでもプライベートでも、いいパートナーになります。

 こういうスタイル、いいよなあって(^−^)。パレアナとジミーの「ロマ
ンス」
より、サディとカリウ夫人の「生きる喜び」のほうのが心に残ったかも。
 でも、パレアナとジミーの「ロマンス」も素敵でした、まさかパレアナが……
うふふふふ(●^−^●)←??


 この『パレアナの青春』という小説は、前編の『パレアナ』の現在の日本に
効く「癒し」のエッセンス+「愛」のエッセンスがつまっています(^−^)。


印象に残ったセリフ
●デラ・ウェザビーとルース・カリウ/「1 デラ嬢の心境」より引用
「いいえ、わかってらしってよ。あたしはまったく、この家が合わないんです。
陰気で、なんにも生きる目的というものがなくって、ただくよくよと考えこん
でるばっかりで、なにひとつ楽しみがないんですもの」
「だって、わたしはふしあわせで、まったくなんの楽しみもないんだもの」

「そりゃそうですとも。また、これからさきも、ふたりで力を合わせて一生懸
命さがしましょうよ--------命のあるかぎりは、さがし続けましょう。です
けど、こうしてふさぎこんでいらしったって、なんの役にも立ちゃしませんよ、
ねえさん」
「だけど、わたしはなんにもほかのことはしたくないんだもの」

●デラ・ウェザビー/「1 デラ嬢の心境」より引用
「ほほほほ。ねえさんにパレアナを一服あげたいわ。ねえさんこそパレアナが
必要よ」

「あの家に一週間いたら死んでしまうわ」


●ルース・カリウ/「1 デラ嬢の心境」より引用
「失礼だけれど、わたしはあんたとは考えがちがうのよ。わたしは、ちっとも
改革してもらいたくもないし、仲なおりをさせてもらいたい人も持ってないの
よ。だいいち、わたしの大きらいなのは、まじめくさった顔をした、ちびっちょ
のお生さんにお説教されることだわ--------この世の中はありがたいことで
いっぱいですから、感謝して暮らさなければいけません--------なんてお説
教はまっぴらごめんよ--------」

●パレー・チルトン/「2 古い友だち」より引用
「だけど--------だけど、この人の言いかたがばかげてるじゃありませんか
--------姉の心の傷を癒すとか、なんとかって、まるで、あの子がなにかの
薬みたいですわ」


●ジミー・ペンデルトン/「2 古い友だち」より引用
「おまえだってな、おれみたいに孤児院にほうりっぱなしにされてたら、言葉
が悪くなるにちがいないや。朝から晩までおまえにはばあさん連中がくっつい
てて、いい言葉ばっかりを教えたから、じょうずになったんじゃないか。よく
考えてみろ、パレアナ・フィテアめ!」

●パレアナ・フィテアとルース・カリウ/「3 パレアナを一服」より引用
「まあなんて、たくさん家があるんでしょう! 中略。あたし、人が大好き、
人とお友だちになるのが大好き、おばさまはいかが?」
「人が好きですって!」
「ええ、人間っていうものが好きなんですの。だれでも、どんな人間でも好き
です」
「さあ……わたしはきらいよ」


●ジェミー/「11 カリウ夫人の驚き」より引用
「ぼくはほかの子供のように丈夫で元気じゃありません。歩くことだってでき
ません。だからきっと、いやになってしまいなさいます。ぼくは--------
邪魔にされるのはいやです。中略」

●ジョン・ペンデルトン/「16 パレアナを待つ」より引用
「うん。パレアナはいつでも--------パレアナだよ。ちっとも気分は昔と変っ
ていないよ。それにね。ぼくはあの娘は美しいと思うね。目が非常にいいんだ。
中略」


●パレアナ・フィテア/「29 ジミーとジョン」より引用
「ええ、ジミーさん、あたし、あなたを愛しています」


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