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林の中からこぼれる暖かな光が、軽井沢の不思議な空間をやさしく包んで、
その中に独り佇む幼い少年が天空を見上げている--------。
あれは昭和の、まだまったくITが発達していない頃...浅見光彦がまだ
4歳の頃だった。長野新幹線も、アウトレットモールもない避暑地・軽井沢。
遠く--------、テニスボールの弾けた音が、遠く聴こえてきて--------。
GWの最後の5日、子供の日に透明な時間を過ごす、幼い浅見少年は木漏れ
日を浴びながら、空想に耽っていた。
木の葉っぱが風に揺れてるね
そのまま風はどこへ吹くんだろう
太陽はぼくを暖かく見つめてる
ぼくはね、ぼくはね...
浅見少年の頭に、ぐるぐると空想が駆け巡りは消えていった--------。
「光彦、どこに行っていたんだ」
突然、夢から現実に呼び戻された。
浅見少年はゆっくりと後ろを振り向くと、林の入り口から兄が心配している
ように、それでいて口元が微笑ましげに笑っているような顔が飛び込んできた。
「兄さんっ! ぼく、“みんな”とお話してたんだよ」
「“みんな”?」
「うんっ!」
浅見少年は太陽に負けないぐらいの鳶色の瞳に光を宿し、兄に満面の笑顔を
見せた--------。
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