二人のそれからの物語(最終回)


 佐和が振り返ると、そこには、光彦が立っていました。


「浅見さん、待っていたんですよ。ずっと」
「よかった、船から降りて、佐和さんの家に行こうと思っていたんですけど、
君がここにくると思ってのぼってきたんです。」
「私もそう思ったんです。」
 佐和は笑顔でそう言いました。

 前あった時よりも、大人っぽくなっていました。

「佐和さん、前よりきれいになったね。」
「そんなことないわ。昔と変わっていませんもの」
「あ・・・そうだこれ受け取って。」
 光彦は、かばんの中から黒い長細い箱を取り出して言いました。

 佐和が開けてみるとそこには、エメラルドのネックレスが入っていました。

「プレゼントのお返しだよ」
「ありがとう、浅見さん」
 佐和は少し涙ぐんで言いました。

 光彦は(その顔は変わっていないな。かわいい)
 と思いました。

「寒くない? その格好でコレ着てよ」
 と光彦は羽織っていたクリーム色のコートを佐和に渡しました。
「でも・・・浅見さんが風邪を引いてしまうわ」
「僕は大丈夫、だって君が編んでくれたセーターを着ているんだから」
 光彦がそういった頃には夕日が沈んでいました。


 佐和は光彦のコートを着て、
「浅見さん、今でもあなたのことが好きです」
「僕もですよ」
 といつまでも夕日を見つめていました。

(完)


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