「首の女」殺人事件
著者・内田康夫(出版元・徳間書店/角川書店(著者敬称略)


カバー
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●おもな登場人物●章タイトル●感想●印象に残ったセリフ


おもな登場人物(カッコ内は年齢です)
●浅見光彦(33)−フリーのルポライター
●野沢光子(33)−家庭教師と翻訳のアルバイター


章タイトル
●プロローグ
●第1章 蝉の男
●第2章 江川殺人事件
●第3章 光太郎の根付
●第4章 鳴き砂の町
●第5章 送られた首
●第6章 ギャンブル
●第7章 対決
●エピローグ


感想
 浅見光彦、初恋の人??と再会--------(^−^)。

 という訳で、『「首の女(ひと)」殺人事件』です。

 この事件は浅見光彦シリーズにとって、ひとつの“ターニングポイント”
なった作品ではないでしょうか?


 まず、ヒロイン。『「首の女」〜』のヒロインは野沢光子。何と、浅見光彦
の初恋の人??(『鏡の女』の浅野夏子とは、淡い初恋らしい)なのです!!
 野沢光子とは小・中学校と同じで、クラスメイトから「光光コンビ」と呼ば
れるほどの仲良し(^▽^)。

 『「首の女」〜』以前にも、『平家伝説殺人事件』のヒロイン・稲田佐和を
始め、美しいヒロインたちが出てきましたが、『「首の女」〜』って浅見光彦
「対ヒロインへの感情」が今までよりも描写が多くなり、読者が入りやすい
なあと思ったのです。でも、こんなこと思うの私だけかも??(爆)。

 そして、この作品で浅見光彦が車をソアラ(リミテッド)に乗り換えました。
浅見光彦の車=ソアラというくらいですが、始めからソアラに乗っていません。
これからローンに苦しみます!! この人/(+_+)\。がんばれ()。
こう見てみると、ひとつの“ターニングポイント”になった感じがしません?


 さて『「首の女」〜』のあらすじは、センチュリーホテルで滝野川小学校の
同窓会に出席した真杉伸子は、かつてプロポーズをされ、伸子が振った小学校
時代の同級生・宮田治夫と出会った。
 宮田はまだ、大学の助教授の妻になった伸子への思いを断ち切れないでいる
らしい。そういう宮田に伸子は同じ独身の妹・野沢光子を紹介することにする。
光子へロビーの公衆電話で宮田のことを話している時--------、

 隣の電話で「マジでか?……」と中年の男が口にするのを聞く。
その男はどうやら宮田と知り合いのようだった。

 光子は家庭教師の新しい仕事先で、昔仲良しだった浅見光彦と再会。

 2日後、宮田とセントラル美術館でデートをした。館内では、高村光太郎・
智恵子
展が開かれていて、そこで光子は光太郎の木彫の「蝉」を見ていた男が
気にかかり、宮田も宮田で光子のことなどお構いなしに、姉の伸子に似ている
「女の首」というブロンズ像をまるで伸子そのものを見るように慈しんでいた。

 光子は「蝉の男」が福島の安達太良山(あだたらやま)の麓で死んだことを
知った。しかも、「蝉の男」は何者かに殺された疑いがあるらしい。
 そして、宮田も島根の江川(ごうのかわ)で水死体として発見される...

 ……「マジで?」という物語の展開でした(^▽^)。
 ↑この一言が言いたかったのかい!!


 いや、この作品って本当に面白いです。よく見た目よりいいっていうのある
でしょう?(すみません)、内田康夫ミステリーらしい「かた苦しくない」
ストーリー性が特にこの作品は出ているなあと(^−^)。読んでいて、どん
どんと『「首の女」〜』の世界に入っていきました。

 入っていたと言えば、この作品のプロローグから入っていました、私。

 何だろう、本を読んでいる時の「私、『この人になっている』……」とか、
「私、いま『ここにいる』……」というあの「感覚」が、この作品ではずっと
あったのです。

 特にプロローグで駅から海へ向かう男や、真杉伸子の視点では、もう「本人」
になっていました。真杉伸子は宮田が死んだあと、脅迫めいた「怪電話」が家
に何回かかかってきたり、夫の真杉民秋へ……と、もう緊張の連続でした!!


 ところで私、この作品を読んで真杉民秋・伸子の愛にこう……もし、あくま
でも「もし」ですが、結婚したらこういう夫婦になってみたいたいなあと思い
ました(m・・m)。

 ただ↑は、「いち女の子としての憧れ」ですので、「マジ」で取っちゃいけ
ません!!(☆_☆)←KIYOMIのこの顔がそれを物語る(笑)。

 読んだら、みなさんもどれだけいい夫婦か分かりますって!!

 宮田さんの伸子さんへの愛……ひたむきさって、ロマンティックですけれど、
私が伸子さんだったら、民秋さんの(この人にはひどくドキドキさせられた
いつもやさしく見守ってくれる愛のほうが好きです……(^^)。

 この話は終わりにして、この作品のひとつのキーワードである「高村光太郎
の根付」
ですが、前に根付を見ました。もちろん、高村光太郎ではありません
けれど、かわいらしいマスコットキャラクターの根付を。「和風ストラップ」
みたい


 『「首の女」〜』は、「光光コンビ」も(野沢光子さんがすごく好き)いい
ですけれど、やはり高村光太郎・智恵子にかけた愛憎模様がうまく作中に生か
されていて、お気に入りの作品のひとつです!!(^−^)。


●おまけ
 高村光太郎の『道程』という詩が、中学3年生の国語の教科書に載っていま
した。とは言え、私が中学生の時の教科書なので、今は知りませんが……。
 ちょうど浅見光彦シリーズに
メロメロ(もちろん今でもメロメロ〜♪)で、
もう、私が教科書の中に『道程』を見つけた時の様子って言ったら
(ご想像
にお任せします(爆)。
しかも、萩原朔太郎の詩(タイトルが思い出せません)
も載っていましたから、内田康夫ミステリーファンとしては大喜びでした!!


印象に残ったセリフ
●真杉伸子と宮田治夫/「第1章 蝉の男」より引用
「もう何年ぶりになるかしら?」
「きみに振られて以来ですよ」

●浅見光彦と野沢光子/「第1章 蝉の男」より引用
「第一、女房もいないのに、なんだって子供がいなきゃならないんだ」
「あらそうなの、じゃあ、浅見くんも独りなのね」
「というと、きみも?」
「うん、自慢じゃないけど」

「あら、私には浅見くんが高嶺の花に思えたわよ」
「よせよ、汚い花だ」

●野沢光子/「第1章 蝉の男」より引用
「でも、独りって、気楽でいいんです」

「みなさんが、どうしてって不思議がるんですけど、本人はそれほど深刻に考
えていないんです。かえって、自分のしたいことをして、自由に生きているの
が贅沢すぎるかなって、申し訳ないように思ったりして……」

●宮田治夫/「第1章 蝉の男」より引用
「そうでしょう、激しいでしょう。この激しさが光太郎の芸術の源泉なんです。
この激しさは並の人間にはない。残念ながら、僕にもなかった……」

「ご主人が教授になると、伸子さんも幸せになるんでしょうか?」

●浅見智美/「第2章 江川殺人事件」より引用
「ふーん、じゃあ、先生が叔父さんと結婚するって、ほんとうなんですか?」

●浅見光彦/「第2章 江川殺人事件」より引用
「あははは、本音を言えば、僕だってあまりカッコいいことは言えないんだ」

●真杉民秋/「第5章 送られた首」より引用
「どこへも行くんじゃないよ」

●浅見光彦と野沢光子/「第6章 ギャンブル」より引用
「そうそう、さすが浅見くんねえ。私、知らなかったの。笑われちゃった」
「笑うことはないけど……、そうか、宮田さんは伸子さんを好きだったのか」
「中略。燃えるような--------っていうでしょ、あれなのよね。私なんか、
一度でもいいから、ああいう目で見つめられたいものだわ」
「そりゃ、見るくらいならして上げるよ」

●野沢光子/「エピローグ」より引用
「浅見くん、結婚しない女ってどう思う?」
 このラスト--------、知っています?(^−^)。


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