秋田殺人事件
著者・内田康夫(出版元・光文社(著者敬称略)


カバー
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●おもな登場人物●章タイトル●感想●印象に残ったセリフ


おもな登場人物(カッコ内は年齢です)
●浅見光彦(33)−フリーのルポライター
●石坂留美子(19、20)−大学2年生
●望月世津子(43、44)−秋田県副知事


章タイトル
●プロローグ
●第1章 女性副知事
●第2章 米代(よねしろ)川に死す
●第3章 北国の春は遠い
●第4章 名誉と恥辱(ちじょく)と
●第5章 敗北者たち
●第6章 カーチェイス
●第7章 フィルムの謎
●第8章 惜別(せきべつ)の秋田路
●エピローグ


感想
 浅見光彦、女性副知事のボディガードに!! ていうか秘書に変身です

 浅見さんが麗しの秘書ですー!!!!^▽^)。

 いつものブルゾン姿じゃないぞっ、スーツですぞ、す・う・つ(爆)。それ
も宮仕えができない浅見さんが、秋田県庁に出庁しているのです(^v^)。
朝も9時過ぎに起きるのが当たり前の坊っちゃまですが、早起きでがんばって
いらっしゃいます(くすっ)。

 内容はバリバリの社会派とも一見取れます、第三セクター、偽秋田杉による
欠陥住宅、秋田行政の不穏さ、それに打ち勝とうとする望月副知事……。
 それでいて、カーチェイスやフィルムの謎など、思わずエキサイトします。
始めなど、火だるまだしなあ(ブルブル)。

 第1章から、刑事局長・陽一郎さんが出てくるのも(しかも彼の視点で)、
ファンにはおいしいのでは?(^−^)。東大時代の後輩で、テニス仲間でも
ある望月さんから相談に乗り、弟の浅見さんに表の顔は望月さんの秘書として、
「警告文」の真相究明のために秋田へ行くよう密命する、と今までとは打って
変わったストーリーになっているから、浅見シリーズにマンネリとかだるさを
感じていた頃に読んだら、「あっ、すごく新鮮!!」だなと久しぶりに素直に
楽しめたし!!

 当時、これを読んでいて思ったのは、望月vs県議会が、長野県知事の田中
康夫氏が第1回目の当選をして、古巣の県議会員と揉めていた頃とリンクして
しまったのは私だけでしょうか?(^^ゞ でも昔っから牛耳っている人や、
他の一時だけいるエリートでさえ、官官接待やら何やら、この不景気に「いい
思い」をしている奴もいるだろうしねえ(苦笑)。

 特に地震が起こってしまっても、公用車を待たせパチンコに耽る前の秋田県
副知事には望月さんの爪の垢を飲ませたいぐらいですー。県民をなめちゃダメ
ですわー、余計に信じられなくなっちゃうから。

 でも、この作品のキーパーソンである望月さんは、本当にがんばっているし、
物怖じけない態度、強くてやさしい姿が同じ女として憧れちゃいました。役人
でも政治家でも不正をせず、本気で日本を良くしようと思っている人だって、
心の中ではいると信じているし、信じてみたいです。

 癒し系のヒロインもよかった、父親を殺されてしまって、浅見さんの存在で
明るくなっていく彼女や彼女の家庭、浅見さんとヒロインがスーパーでお買い
(ここで黒い連中に隠し撮りされてしまう(!!)とか、「すきやきモード」
とか、社会派なのにほのぼのテイストもたっぷりありましたー(^−^)。

 ちなみに、浅見家の女性陣は、浅見さんがスーパーへ出入りするのは、いけ
ないらしい...(これワラタ)。あと、陽一郎さんがメールを使っている
ことが判明!! きっとアドレスはトップシークレットかと(シュン)。

 ラストの爽やかさ、穏やかさ、心地よさと、切なさは、何度、秋田が舞台に
なっていても心地よい読後感が得ることができたので素晴らしいと思いました。


印象に残ったセリフ
●浅見陽一郎と望月世津子/「第1章 女性副知事」より引用
「分かった。それじゃ、昼飯をここの食堂で食いながらと
 いうのはどうかね」
「食堂ですか?……もう少しそれらしい場所はないでしょうか」
「それらしい場所っていったって、想像してごらんよ。
 刑事局長がきみみたいな美女と二人きりでデートしている風景だよ。
 マスコミの餌食にならないわけがないだろう」


「膂力(りょりょく)という点でいえば、まったく頼りにならない
 かもしれないな。しかしそれを上回って余りある知力があることは
 保証しますよ。とくに勘のよさは抜群だ」
「へえー、いいですねえ。そういう人って大好き。でも、
 そんな人がいるんですか? 浅見先輩より頼りになるなんて……
 いったい誰なんですか?」


●浅見光彦と浅見陽一郎/「第1章 女性副知事」より引用
「私の手伝いと、どうして分かる?」
「理由は……勘です」


●望月世津子/「第2章 米代川に死す」より引用
「あの人は自己保全ばかりを考えている。
 悪しき官僚の見本みたいな人ですよ」


「ううん、秋田では違う。なぜなら、私は副知事なのよ。
 副知事という名前は伊達じゃないし、単なるお飾りでもないの。
 その気になりさえすれば県警本部長と同等の立場に立てます。
 この人事で秋田県当局の失敗があるとすれば、それは私を副知事
 なんかにしちゃったことね」


●望月世津子/「第4章 名誉と恥辱と」より引用
「それはどうかなあ。浅見クンが軟弱だなんて、私は思わない。
 あなたは確かに優しいけど、優しいのと軟弱なのとは違う
 でしょう。あなたはただ、相手を傷つけることを恐れる人なのよ」


●石坂留美子と石坂佳一/「第7章 フィルムの謎」より引用
「うちはいつも、スーパーで480円のやつだもんなあ」
「ばかねえ、そんなこと正直に言うんじゃないの。
 見栄っていうものがあるでしょう」


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