■ 少食と断食 
◆『脳がよみがえる断食力』山田豊文、2009年)
◆『断食・小食健康法』甲田光雄(春秋社、1980年)

◆『長生きしたければ朝食は抜きなさい』東茂由著、甲田光雄監修(河出書房新社、2002年)
◆『朝食を抜いたらこうなった』甲田光雄(春秋社、2003年)
◆『食べ方問答』甲田光雄、サンプラザ中野(マキノ出版、2004年)

◆『「半断食」健康法』石原結實(講談社、2004年)
◆『朝食抜き!ときどき断食!』渡辺正(講談社、2003年)

◆『脳がよみがえる断食力 (青春新書INTELLIGENCE) 』 山田豊文(青春出版、2009)

断食の様々な効果について、その生理学的な根拠についても詳しく解説しており、充分に説得力がある。この本でとくに強調しているのは、断食が総合的な「脳力」を高めるということである。つまり、断食後に頭が冴え、記憶力や理解力が増すというのである。

著者自身が、若き日にある病気に悩まされていた。病院を転々としたが悪化するばかりだった。ある雑誌で断食で病気を克服した体験記を読んで自分も実践した。母に野菜ジュースをつくってもらい、数日間それだけで過ごした。その結果、病気はウソのように治り、身長も急に伸び、成績もよくなった。その不思議な体験が人生を変えたという。ちなみに断食や少食の良さを説くこの分野のリーダーたちも、自分の病気を断食で治した経験を持つ人が多い。『少食の力』の甲田光雄や、『「半断食」健康法  』の石原 結實などである。

多くの体験者が断食後に「頭も体も生まれ変わった気がする」と言う。爽快感や自由感、充実感をもち、イライラしなくる。自分らしさを取り戻し、何にでも感動できるようになるという。断食で脳が活性化する理由として、断食は脳に必要な栄養、とくに糖分の栄養が絶たれことで、シャペロン(タンパク質の変性を阻止し、修復をする)が種チュするからではないかと、著者は考えている。また断食によって「ケトン体が体内に生ずると脳のα派が増えるという相関関係が確認され、そのメカニズムについても詳しく語られているが、ここでは詳しく紹介できないので本を読んでもらうほかない。

この本では、断食のデトックス(解毒)効果も強調され、その科学的な根拠も述べられている。印象深かったのは、1968年、九州・福岡を中心に起った「カネミ油症事件」だ。九州大学との共同研究の結果、政府はPCB中毒の治療法として、断食療法を正式に採用し、「断食療法、ほぼ9割の効果」と当時の新聞でも報道されたという。有害物質は脂肪に蓄積されやすい。断食でその脂肪が燃えてエネルギーを作ると、蓄積された有害物質は、血液中に遊離して肝臓から体外へ排出されるのだ。

とこあれこの本を読んで私自身、再度断食に朝鮮する気持になった。


◆『断食・少食健康法―宗教・医学一体論』甲田光雄(春秋社、1980)

私にとっては、かなり重要な意味をもつ本になった。著者は医者であるが、自身が長い間さまざまな病気と不健康に苦しみながら、断食と小食を実行することによって健康になっていった体験をもつ。それ以来、西洋医学による検査法などを充分に利用しつつも、西洋医学的な常識に縛られずに、断食や小食の指導をし、成果を積み重ね、その驚くべき効果を発表しつづけた。 その結果、西洋医学的な栄養や健康に関する常識がいかにあてにならないかが、多くの症例によって根本から明らかにされていく。この本を読むと断食や小食をぜひとも実行したいという気持ちになる。私にとっては、瞑想との関係もあるので、実に興味深く読めた。また瞑想にとって小食がいかに大切かという観点からも、多くのことを知ることができた。

この本は、断食・少食を語りながら、現代栄養学への痛烈な批判の書でもある。現代栄養学によれば、男子で普通の「労作」を行う場合、1日およそ2500カロリー、女子で2000カロリーが必要である。ところが現代栄養学のこうした常識を覆す事例が、いくらでもある。 ある禅寺の僧14名が食べた一日平均の総摂取カロリーは、1436カロリー。計算された、彼らの一日の総消費エネルギー2204カロリーに比して768カロリーのマイナスであった。もしこれが事実なら、1ヶ月に体重が6キロずつ減少、1年で72キロ減少し、つまりほとんど体重0となってしまう。が、実際には立派な体格で、心身ともに健康であり、相当の労働にも耐えていたという。

また著者が扱ったある男性は、十二指腸潰瘍にかかり、現代医学的な治療では、再発を繰り返すばかりで、医師から手術をすすめられたという。しかし、現代医学による治療を捨て、小食による療法に切り替えた。朝食抜きで1日の総摂取カロリーは、だいたい1300カロリーくらい。にもかかわらず入院1ヶ月半で、体重が3キロ増えたという。しかも、空腹時の胸焼けなどが消え、心身は爽快になったという。 さらに1日900カロリー前後を1年続けても栄養失調にならず、体重が以前より増えるというケースもあったという。しかもスタミナも普通の食事をとっている人よりはるかに優れていた。そして、こうした小食で、現代医学ではどうしても治らなかった難病が治るケースも多く出ているのだ。慢性胃腸病、糖尿病、リューマチ、慢性腎炎、重症筋無力症など、何十名にも及ぶ難病患者が小食を実行することで症状が好転したという。こういう事例を数多く突きつけられると、現代栄養学の主張を頭から信じるべきではない、とつくづく感じてしまう。

断食療法で大量の宿便が排泄されると、身体の調子が一変し、見違えるほど若返るひとが多いという。中にははげていた頭に毛が生えだしたり、記憶力がにわかによくなったり、という人がいるということで、いいことづくめだ。 ただし、たいへんなのは断食のあと厳密に小食を維持することだという。多くの人は、断食後の小食を維持できずに挫折するらしい。日常の生活の中で食欲に打ち勝って小食を続けることがかなり大変であることは、私も日々経験していることなので、よく分かる。 それでも、自分の体にどのような変化が現れるのか、また瞑想にどういう影響を与えるのか、そんなことを体験的に知りたいという気持ちも強い。 すくなくとも、一週間に一回の一日断食を設ける程度なら今すぐにでもできそうだ。断食モードにはいってしまうと、一日断食なら苦もなくできそうな気がする。これは、さっそく実行したい。 (07/06)


朝食を抜いたらこうなった 』甲田光雄(春秋社、2003年)

現代医学は、栄養をとり入れる面をよく考えた合理的なものだが、老廃物を完全に排泄するという、出す面をあまり重視してこなかった。それが現代医学の重大な欠陥だ。しかもその欠陥にまだ気づいていない。とり入れることも大切だが、老廃物をいかに完全に出すかという排泄の医学もそれに劣らず大切であるにもかかわらず、ほとんどその面が省みられなかったのだ。 朝食抜きという午前中の断食は、前日に生成された老廃物を完全に出す重要な時間であることに、現代医学はまだ気づいていないのだ。 この本は、現代医学で治らなかった患者に著者が朝食抜きの小食を指導して治していった多くの事例が掲載され、上の主張の正しさを雄弁に物語る。現代医学が見落としている人間の体の不思議をこれでもかというほどに見せつけられる。 甲田療法や、そのもととなった西医学が、もっともっと多くの人に関心をもたれてほしい。「朝食抜きは、体に毒」という「常識」がこれほどに蔓延しているなかで、その「常識」をまったく覆すような小食の実践が、驚くべき効果を挙げている事実は、現代医学を相対化する目を養ってくれる。

この本は、朝食抜きの玄米、野菜食を基本とした甲田療法でも、とくに療法の途中で出る一見マイナスの現象を事例として多く取り上げ、その意味や対処法にスポットを当てている。 長年リュウマチで苦しんだSさんの事例を見よう。医者に慢性の関節リウマチと診断され、ひどい痛みにステロイド剤を使用するが、痛みの軽減は一時的なもので、薬を増やしても痛みが楽にならない状態になった。ついには寝たきりになるのではないかという心配の中で、甲田医院を訪れた。 甲田医師の元で食療法を実行し、ほぼ6ヶ月でステロイド剤から解放された。ところが小食で体重が減少し、160センチで33キロにまで下がってしまった。以前かかっていた医師に甲田療法のような馬鹿な治療はやめよと言われ、一時現代栄養学のメニューに戻ったが、体重は増えてもリウマチの痛みは復活した。 ついに決心して甲田療法に戻ったSさんは、その後、ある晩に3回もトイレに行き驚くほど大量の排便があった。つまり宿便が出た。それからSさんの体調が一変する。それまで続いていた体重の減少がとまり、今度は逆に太りだす。食事は以前と同じなのにである。29キロから、6ヶ月くらいで35キロになり、体力も増強し、リウマチの痛みも楽になっていった。 宿便が排泄され、腸マヒが治り、腸がよく動くようになると、自己免疫疾患が改善されて、リウマチが治ると甲田医師は言う。現代栄養学の常識では考えられないような超小食で元気に生活し、現代医学で難治とされる病気がみごとに治っているのだ。これと同様の経過をたどって病気が治っていく事例がこの本に多く紹介されている。

現代医学のおごり 私の母もリウマチで長年苦しみ、ステロイド系の薬で体力を消耗していたので、もう少し早く甲田療法を知ってたら、と無知を悔やむ。それにしても、こういう事例を多く読んでいると、現代医学、現代栄養学とは何なのかと今更ながら思う。 西医学や甲田理論をそのまま信じる必要はないだろうが、少なくともこうした考え方で目覚しい治療効果を挙げている療法がある以上は、現代医学も社会ももっと柔軟な目で、これらを観察し、真剣に検証していく必要があるのではないか。私の周囲を見る限り、そういう動きはあまりにも小さい。 こうした実践と理論に目を閉ざしている現代医学には、一種のおごりのようなものを感じる。

私は、出勤の前に野菜ジュースなどを飲んでいた時期もあったが、その後はずっと天然水だけにしている。職場でも午前中はできるだけ天然水ということで朝抜きをかなり完全な形で行うようになった。昼食の量も少ないほうが調子がよいようだ。週一回の一日断食も含め、きわめて順調に朝抜き小食が定着している。便通がよくなり、血圧も下がっている。体重はさらに減少するだろう。 しかし、この本を読むと、朝抜き小食にスムーズに移行できない場合も多いらしい。絶えられない空腹感やスタミナ切れ、やせすぎ、貧血、頭痛、胃の痛み、脱毛、便秘その他、各種の反応があるらしい。しかし、これらはちょっとした工夫や慣れで改善できる一時的な反応であり、工夫や継続で素晴らしい効果をあげるまえに朝抜きから撤退してしまうのは実に残念だ。そのような人に何とか助け舟を出したい、そんな思いからこの本は書かれたという。


◆『長生きしたければ朝食は抜きなさい―体の不調を根本から改善する驚異の「甲田式健康法」とは (KAWADE夢新書) 』東茂由著、甲田光雄監修(河出書房新社、2002年)

甲田光雄の医療実践の本。ただし著者は医学ジャーナリスト東茂由。甲田光雄の医療理念と実践法のエッセンスを紹介する本で、たいへん読みやすい。私にとってはまたまた実に刺激の多い本だ。

小食こそが健康の原点だというのが甲田療法の根本だ。試しに、体調が悪いと思ったら、食べる量をすくなくしてみれば、それだけで体調がよくなり、血液検査の数値が改善されるという。 食生活に問題があるから、内臓の働きが低下し、老化が早く進み、髪がうすくなったり、シミができたりするのだという。食事に気をつけ小食を保っていれば、たとえ90歳になっても髪の毛は黒く豊かに、シミもあまりでない。 大食すると就寝中も食べ物を代謝するのに追われ、長時間寝ないと疲れがとれない。小食で夜食もとらなければ、就寝中に体に余分な負担がかからず、短時間で熟睡でき、目覚めもすっきりするという。 夜食をとったときと、とらなかったときとでは、朝の体調に大きな差が出る。しかも夜食をとらない生活を数日続けただけで、その後夜食をとった翌朝の体調の悪さが敏感に分かるようになるという。それだけ異状を察知する感度が鋭くなるのだ。

朝食をとらないと体に悪いというのが現代栄養学の常識のようだが、この本は、そういう現代栄養学のうそをことごとく覆していく。朝食を食べると血液は胃腸へ回され、腎臓はお留守となって、そのぶん老廃物を排泄できなり、さらには宿便をためこむことになるという。少なく食べて老廃物を完全に排泄することが大切だ。朝食はむしろ有害である。午前中は、老廃物を排泄して、胃腸を休ませるときで、その時間帯に食べると排泄にブレーキをかけるという。慣れてくると朝食を食べないほうがむしろスタミナがつくという。胃の負担が軽くなり、栄養物が効果的に吸収されるからであろう。 現代医学の「常識」が頭にこびりついてしまっている人には、なかなか受け入れがたいだろうが、この本を読めばきわめて説得力のある説であると納得できる。著者自身の長年の経験と、医者としての医療実践に裏打ちされた説だからである。

私自身、実験したが、たった一日昼食を抜いただけで、明らかに調子よく体が軽く、爽快になった。 その後、二食どころか一日ほぼ一食を実験しはじめたが、スタミナ切れどころか、むしろ気分爽快でであった。


◆『食べ方問答―少食のすすめ 我が心の師に健康道の奥義を訊く! 』甲田光雄、サンプラザ中野(マキノ出版、2004年)

甲田光雄氏とサンプラザ中野さんの対談だ。サンプラザ中野さんも、甲田氏にかなり心酔しているのが読んでよくわかる。私もこの本を読んで甲田療法の素晴らしさにますます強い感銘を受けた。 この本では、サンプラザ中野さんがみずからの実践を踏まえつつ甲田氏に率直に質問し、そのやりとりの中で甲田医学、甲田療法の全体像がつかめるようになっている。わかりやすく、しかもていねいに語られており、この本があれば、甲田療法をすぐに実践できる。

とくに、甲田理論に基づいて何を、どのように食べたらよいのかが、非常に詳しく具体的に語られているので、実践の上でも大いに参考になる。 甲田医学関係の本を読むのは、これが4冊目になるが、1冊ごとに新しい発見があり、教えれることが多い。現代栄養学や現代医学が、人間の体についていかに一面的な理解しかもっていないかということが、いやというほど分かる。この本ではとくに、個々の食べ物や栄養素、ビタミン等という視点から、その思いを強くした。

サンプラザ中野さんは、朝食抜きはもちろんのこと、昼食では有機栽培野菜で自ら野菜ジュースを作り、玄米を粉にひいて食べているそうだ。私はまだそこまでできないが、徐々に甲田療法が勧める玄米・生菜食に切り替えていければと思う。西式健康法の運動法も取り入れていこう。

この本で印象に残ったいくつかのことを箇条書きしてみよう。

☆甲田療法は、排便を促し、宿便をため込まないために朝食を抜くことを勧める。現代医学は、朝食は午前中のエネルギー源として必要だとするが、甲田理論では、朝食抜きでも体はエネルギーを作り出すとされる。脳は、ブドウ糖だけをエネルギー源とするが、断食などをすると50パーセントはケトン体のβ―ヒドロキシ酪酸をエネルギーとして使い、ブドウ糖は30パーセントにすぎないという。ケトン体は、脂肪が分解されてできる物質である。つまり、断食をすると、体内の糖分が尽きるので、脳は体内に蓄えられた脂肪をエネルギー源として使用するようになる。しかもケトン体は、脳にα波を増やし、脳下垂体からはβ―エンドルフィンとう快感物質の分泌を増やす。つまり、心はさわやかになり、平穏になって、とてもリラックした状態になるのである。

☆健康のための食の真髄は、いかに省くかにある。玄米と黒パン、野菜、豆、海藻、ゴマ、小魚だけを食べていれば、栄養は充分足りて他は何もいらない。たんぱく質は豆と小魚を食べれば充分。ほかに生水と柿の葉茶、塩少々で健康が増進し、病気になりにくい体になる。玄米菜食の小食療法を実行すれば、栄養補助食品は必要ない。小食にするほど、質のよい食品をとることが重要になる。

☆ビタミンCは、鉄やカルシウムの吸収をよくするし、脳の機能もよくする。抗酸化作用があるし、免疫力もあげる。柿の葉茶など天然のビタミンCの方が体内に長く残りやすい。たくさんの薬草茶があるが、健康茶としては、柿の葉茶がいちばんいい。


◆『「半断食」健康法  』石原結實(講談社、2004年)

著者は、西洋医学の医者であるが、若き日に体が弱く、「過敏性大腸炎」にそうとう苦しむ。種々の民間療法の本を読み漁り、二木謙三の『食べ物と病気』や西勝三の『原本・西式健康法読本』に出会う。そこで「少食がよい」「青汁が効く」などと知り、朝食をキャベツとリンゴのジュースにしたら、4年近く悩んだ「下痢としぶり腹」が治ったという。甲田光雄氏も西式健康法に出会い、少食・断食の甲田療法に突き進むが、共に原点が自分の病気の癒しだったことが興味深い。自分の体で知ったことは、いくら西洋医学の説と相容れなくとも、信じざるを得ないだろう。

いくつかの少食・断食の本を読んだが、相互に細部の主張は若干差がある。しかし、少食や断食がいかに健康にとってプラスであるかの理由についての説明は、基本的なところでは変わらない。この本は、断食の医学、断食の生理についてより多角的に書かれているので参考になった。断食関係の著者の違う本を何種類か読むと勉強になる。 東京都知事の石原慎太郎が、10日間の断食道場に毎年通っていることはすでに知っていたが、この本を読んでそれが伊豆にある石原結實氏の「断食道場」であることを知った。断食といっても、この道場の場合は比較的楽なもので、朝は人参リンゴジュース三杯、10時ごろに具のないみそ汁、昼に人参リンゴジュース三杯、三時に生姜湯、夕方に人参リンゴジュース三杯、黒糖を加えて飲む生姜湯を何杯飲んでもよいというもの。こことは限らないが、私もチャンスがあれば挑戦したくなっている。

この本では、断食や小食の生理学を多角的に論じている。参考になったことを箇条書きしてみる。

1)脳のエネルギー源はブドウ糖で、脳はそれを貯蔵することはできないから、ブドウ糖に変換される炭水化物や糖分を補給しないと脳が活性化しないとされる。しかし人間は、糖が不足しても、肝臓は筋肉に蓄えられたグリコーゲンを分解して血糖値を一定に保つから、血液中の糖が不足して脳に栄養がいかないことはまずありえないという。 脳は、ブドウ糖だけをエネルギー源とするが、断食などをすると50パーセントはケトン体のβ―ヒドロキシ酪酸をエネルギーとして使い、ブドウ糖は30パーセントにすぎないという。ケトン体は、脂肪が分解されてできる物質である。つまり、断食をすると、体内の糖分が尽きるので、脳は体内に蓄えられた脂肪をエネルギー源として使用するようになる。しかもケトン体は、脳にα波を増やし、脳下垂体からはβ―エンドルフィンとう快感物質の分泌を増やす。つまり、心はさわやかになり、平穏になって、とてもリラックした状態になる。

以上は、甲田光雄氏が書いていたことだ。 石原氏もいう、空腹になると血糖値が下がるが、血糖値を上げるメカニズムは、体内にいくつもある。血糖値を上げるホルモンが、アドレナリン、グルカゴン、サイロキイン、コーチゾール等々いくとも存在する。つまり人間は飢餓になれており、対応方法が多い。しかし食べすぎで血糖値が上昇したときは、すい臓から分泌されるインシュリンしか、それを下げることができない。

2)「吸収は排泄を阻害する」のが人体のセオリーである。食べするぎるさらに排泄が悪くなり、逆に「食べない」「小食にする」と排泄がよくなる。断食中は、口臭、目やに、尿の量、発疹等々、排泄が活発化する。血液中の老廃物が出て、血液が浄化される。病気の根本原因は、実際の要求より多量に食べることである。余分に食べた食物は体内に蓄積され、血管を塞ぎ、血液の循環を悪くする。これが万病の原因である。断食は、蓄積された老廃物を排泄する。

3)生命に必須の重要臓器は、断食中も、当然たんぱく質を必要とするので、生体は、○○炎という炎症、病変のある組織、腫瘍、水腫などの、本来健康体には存在しない、異質の組織(病気)に存在するタンパク質を利用する。また血中の余分な糖分も同様に利用される。その結果、こうした病変は消失する。これを「自己融解」という。


◆『朝食抜き!ときどき断食!―免疫力・自然治癒力健康法 (講談社プラスアルファ新書) 』渡辺正(講談社、2003年)

なぜ朝食抜きの小食が人間の生理にかなった素晴らしい健康法であるのかが、たいへん分かりやすく紹介されている。この著者も朝抜きの小食と同時に一日断食を取り入れることの相乗効果を強く訴えている。これもまた、根拠の薄い現代栄養学や対症療法にすぎない現代医学への痛烈な批判になっている。しかも長年の実践とその成果をもとにした説得力 のある批判だ。

先に紹介した甲田光雄氏の実践と細部の主張において若干の違いはあるが、基本はほと んど違わない。それもそのはずで、ともに西式健康法(西医学健康法)を実践する代表的な医師だからだ。私は、この方面のことはほとんど知らなかったのだが、甲田氏の本をきっか けに西式健康法のことを知り、西式健康法の伝統を受け継ぐ何人かの医師たちがいることを 知ることができて本当によかったと思う。こうした医学的な実践は、点数主義による現代の 医療制度のなかでは、利益を無視した奉仕的な精神で行わざるを得ない。甲田氏や渡辺氏 は、そういう貴重な医師たちなのだろう。

以下この本にしたがって、なぜ朝食抜きが優れているのか、箇条書きにし、私が実践した 経験からのコメントを入れてみよう。

(1)「1日の活力は朝食によって作られる」のではない。
前日の夕食でとって食べ物は、眠っている間に消化吸収される。余分なエネルギーは脂肪になる。予備エネルギーとなった脂肪が肥満の原因となる。前日に普通に夕食をとって いれば、体はエネルギーに満ち溢れている。朝食を抜いたくらいでエネルギー不足に陥るこ とはなく、むしろ栄養過多の現代人には、朝食を抜くくらいの方が肥満予防になる。

私も、朝は1・2杯の生水だけだし、一日断食のときは、水かお茶くらいしか飲まないが、エネルギー不足になったとか、頭がボーっとしたとかは全くない。むしろ体が軽く爽快だ。たぶん、普段朝食を食べる人が急に抜くとボーっとしたりするのだろう。

(2)朝食を抜いても脳は充分に働く。
これも現代医学からの常識に反する。現代栄養学は、脳のエネルギー源はブドウ糖で、脳 はそれを貯蔵することはできないから、ブドウ糖に変換される炭水化物や糖分を補給しない と脳が活性化しないと反論するだろう。しかし人間は、糖が不足しても、肝臓は筋肉に蓄えられたグリコーゲンを分解して血糖値を一定に保つから、血液中の糖が不足して脳に栄養 がいかないことはまずありえないという。

私も経験的にその通りだと思う。朝食を抜いたから頭の働きが鈍ったと感じたことはない。ボ ーっとしたこともない。むしろ消化に血液を奪われない分、頭はさえるはずだ。胃が休まってすっきりと爽快な気分で、仕事にのぞめる。むしろ脳はクリアな感じだ。

(3)朝抜きの方が宿便がたまらない。
起きてすぐの体は、前日までの余分な脂肪や栄養素を消費する「排泄モード」になっているから、食べるより排泄を優先する方が生理にかなっているのだそうだ。午前中に食べ物が 入ってくると、排泄と同時に消化吸収もしなければならず、内臓の負担が増す。そのため排 泄がおろそかになった腸には消化しきれない宿便がたまり、それが様々な病気の原因にな る(リュウマチや神経痛すら宿便の毒素に関係すると言われる)。朝食を抜けば、空腹時に 腸を動かすモチリンというホルモンが分泌され、腸が収縮し、便が出やすくなる。

私自身、朝抜きを始めていちばん変化があったのは排泄機能の増大である。日に2・3回でる こともめずらしくない。朝、コップに生水を2・3杯飲めば、それで充分に胃腸が刺激され、か つモチリン効果で蠕動運動が始まるのが実感できる。

(4)自律神経が乱れる。
朝は眠りから目覚め、活動を開始するので交感神経が働く。食事に関係するのは逆に副交感神経なので、朝食をとると緊張がゆるみ、鼓動数、血圧などが低下する。一日の活動に向けて交感神経が高まっているところで、朝食により体は逆の動きを強いられる。体のリ ズムが混乱し、強いストレスとなる。

(5)朝食をとると胃は血液不足になる。
朝食をとると血液の流れにも問題が生じる。朝は通勤そのほかの運動で筋肉は相当の血液 を必要とする。朝食をとると血液は胃に集中しなければならないのに、実際には体を動か しているので、胃は少ない血液で消化をしなければならず、これが胃にとって相当の負担 となる。血液不足にともなって胃粘膜を守る粘液の分泌が少なくなるので、消化のための 胃酸やペプシンが胃壁を刺激し、胃潰瘍になりやすくなる。

これだけ並べられると、そうかも知れないと思わないだろうか。それぞれの説明は理にか なっており説得力がある。しかも、著者自身が多くの実践によって朝食抜きの効果を実証 している。ある村の人々を説得して朝食抜きを試させたところ、食べていたときより疲れにくいということで、朝食抜きが村全体に広まったという。そして胃腸病、高血圧、脳溢血、心臓病、神経痛などの症状が減ったという。

それにしても私たちの周囲に朝食抜きは体に悪いという固定観念が蔓延しているのには驚 く。現代医学や栄養学の説くところがそのまま盲信されてしまい、これだけの材料を並べられても、それじゃあ試してみようか、というところまで行かないようだ。試すには、 ちょっとした心の柔軟さがあればよいのだが。ただし、好転反応(効果が上がる前の一時 的なマイナス反応)もありうるから、その点は注意が必要だろう。

次に一日断食の効果をまとめてみる。これも私自身の経験を交えてまとめたい。

(1)一掃し腸をきれいにする
これがもっとも重要な効果だという。腸の壁にへばりついた古い便は、大腸内で腐敗、発酵し有害な化学物質を生む。それが血液中に吸収されて、さまざまな病気を引き起こす。 定期的に断食を行うと、宿便がたまりにくくなる。

(2)排泄能力が高まる
ある程度の周期で定期的に断食を実践すると、からだはかなり変化し、宿便だけでなく、 毒素や老廃物も出ていくという。宿便が出るとともに、血液やリンパに広がっていた老廃物や毒素がすべて流れ出し、体内が浄化される。体の排泄能力が高まるのだ。

(3)血液の流れがよくなる
静脈系の血管は収縮し、血液の流れがよくなる。血液がきれいになると自然治癒力が高ま り、喘息やアトピーなど、アレルギー疾患も改善される。花粉症にも効果があるという。

私自身の体験からも、一日断食を続けていくことがからだの浄化につながっているのはよ く分かる。からだの感じから直感的に分かる面もあるが、排便がスムーズで、あまり腸に たまらなくなったのは、日々実感するところだ。排泄能力がかなり高まっているのだ。も ちろん減量効果は抜群だ。ただし、便は大量に出るようになったが、「これが宿便だ」と 思われるものが大量に出たことは、今までにはない。今後の楽しみにしたい。 (05/11)


臨死体験・気功・瞑想
index(一覧)
日本の気功家たち

臨死体験研究読本

読書の旅・日誌

作者のダイアリー

ネットワーク 掲示版・リンク

精神世界書店(模擬書店)

読書の旅メルマガ
折々の言葉
精神世界と心理学・用語集
HOME