
「どうしてだ! どうしてなんだ、父さん!」
「くどい、と言った筈だ。」
「本当に、変わってしまったというのか…ッ!」
「変わるも何もない。私はもとよりこうなのだ。ただ、それをお前が知らなかっただけのこと…」
「ふざけるな! 父さんのやったことは、許されることじゃない!」
「ふん、会社員は接待をしなければならない。そのために、ゴルフの道具は必要なのだ…」
「だからって! 小学生の僕の、貯金箱からお金をとるなんて!」
「その程度の犠牲、しかたあるまい…」
「なくはない! このお金は…僕が、今度出るゲームを買うために集めたお金だったんだ! それを、あなたは踏みにじった!」
「若造が、いいおるわ!」
「なめるな! 僕はもう、あなたを父さんとは呼ばない!」
「ほぅ? ではなんと呼ぶ気だ?」
「…親父! あなたの悪事もこれまでだ!」
「その程度の決意一つ、中間管理職で上と下から挟まれて暮らすこの私に効くものではないわっ!」
「なにをッ!? 受験競争に生きる近代の小学生の底力をあなどるなよっ!」
「…おかーしゃん。おにーしゃんとおとーしゃんは今日もナニやってるの?」
「バカなことよ。」