
わかる大人のためのカルチャー誌 @
パブバー『船長(キャプテン)』
邪な思いを携えた男女が闊歩し卑猥な乱痴気騒ぎ溢れる日本最後の魔境、言わずとしれた西日本の歌舞伎町こと「なばため」。そんな喧騒の町中でとある路地からちょいと道をはずれるとたちまちそこはサイレントワールド。これまでのドンチャンがまるで嘘のように感じられる異質な空間でぽつんと店を構えるのが、パブバー「船長(キャプテン)」。一見さんお断りの空気漂う中勇気を振り絞って扉をチャリンとくぐれば、不貞腐れた顔の白髪ダンディマスターがちらりと一瞥「ヨーソロー」。愛想もクソもないおまけに酒は超がつく不味さ、にも関わらず値段だけは超一級という駄目店三拍子揃った「船長」は今日も満員御礼の不思議。誰もが首をかしげるこの矛盾。だがしかし常連なれば理由はすべてお見通しのご納得。それはつまりそれはつまり。良いも悪いも酸いも甘いもすべてひっくるめたこの空間が客の心を捉える不思議な魅力に満ちているから。そう、ここで味わえるは言うなれば『クソまずい酒による最上級の心地よき船酔い』といったところか。
(わかる大人のためのカルチャー誌『サボイ』5月号の記事より抜粋)
髭ショップ『Hi−GEntry(ハイ・ジェントリー)』
文明開化の汽笛なる。昨今のいわゆるチョイモテほにゃららのブームで俄然注目度急上昇がそう、ヒゲ。老いも若きも皆負けるものかと言わんばかりに、髭伸ばし競争勃発inジャパン。そんな俄か益荒男な諸君に今回ぜひオススメしたいのが、昼下がりのダンディにはこの街が良く似合う、平成のドリームランドこと「なばため」にある髭ショップ『Hi−GEntry(ハイ・ジェントリー)』その名の通り淑女一切お断りのヒゲ専門ダンディショップ。店名にさり気なく「ヒゲ」という単語を盛り込んだ英国気質溢れるユーモアにまずはニヤリとさせられよう。そして商品はヒゲのみという潔さ。まるでメニューは一品だけ、それしか出ないよ!という決して客に媚びない確固たる自信を持った大衆食堂のような自信と誇りが滲み出るかのようだ。だからこそこちらも全幅の信頼を店に対しておけるというもの。さあこの週末は各自最高の男らしさを演出した上で最後の、そしてもっとも大切な仕上げを求めて『Hi−GEntry(ハイ・ジェントリー)』へ足を運んではいかがだろうか。ただしその結果チョイモテどころかメチャモテ状態で嬉しい悲鳴をあげる羽目になっても当方は一切関知しないのであしからず。
(わかる大人のためのカルチャー誌『サボイ』4月号の記事より抜粋)