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二子玉川東地区再開発中止要請資料

要請書「二子玉川東地区再開発について」

世田谷区議会議員各位
二子玉川東地区再開発について

2006年12月27日

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

拝啓 師走の候何かと慌ただしい時節でございますが、議員各位には日頃から、区民のため区政にご配慮頂き感謝申し上げます。 さて、本日は、議員のみなさんがご審議されました、二子玉川東地区再開発の現状について説明申し上げ、善処して頂きたく、お願い申し上げるものです。

同封しました資料1によっておわかり頂けるように、再開発組合のスケジュール(案)では、2007年3月には、在住の人達の移転と解体工事が始まる事になっており、事態は緊迫しています。 これは、法律を乱用しての住民を追いたてであり、その為に公金を投入することなどあってはならない事です。 地権者一人ひとりに人権があり、再開発組合の「多数決」方式と、それを容認する行政に、地権者はもとより、広く区民の間にも批判の声があがっています。

私達はこの暴挙を止めるために、2005年10月、東京地裁に再開発組合を相手取り、 「事業差し止め」の訴訟を起こし、現在その審理が進められています。 そして、このたび資料2のように、世田谷区に住民監査請求を申し立て(12月11日付) 当月25日には、陳述も行われました。 監査請求の主な対象事項は「違法もしくは不当な公金の支出」で、私たちはこの監査請求によって、東急グループが主導する再開発計画(資料3)の問題点を世田谷区民の前に明らかにしたいと考えています。 又、私たちは、東京都に対しても、繰り返し要請活動を行いその流れの中で12月27日に資料4の申入れ書を提出しました。これもご参照いただければと思います。

この再開発計画が、世田谷区によって構想されたのは、1985年(昭和60年)で、 21年余も経た今日、この計画に固執すること自体理解できません。 時代は大きく変化しています。 1985年世田谷区人口の中で、高齢者(65歳以上)の占める割合は、9.4%、 2006年の今年、その割合は17.3%となっているにもかかわらず、平成18年度(06年)の予算をみたとき、高齢者、障害者、低所得者対象を削減しながら、二子玉川東地区再開発計画には、44億円も計上することなど、区民の立場に立った行政とはいえません。 区議会議員各位におかれましては、私どもが縷々述べましたことをご賢察の上、ご教示 ご配慮頂きたくお願い申し上げる次第でございます。

敬 具 

資料1
二子玉川東地区市街地再開発組合 事業スケジュール(案)
資料2
「世田谷区職員措置請求(住民監査請求)書」
資料3
「二子玉川東地区第一種市街地再開発事業」
資料4
東京都知事・石原慎太郎宛
東京都都市整備局・民間開発課担当・関係各部局宛
「世田谷区二子玉川東地区再開発計画(特に権利変換)の現況にかかわる件」

要請書「世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件」

東京都知事・石原慎太郎様
東京都都市整備局・民間開発課、担当・関係各部局御中
世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件

2006年12月27日

日々のよりよいまちづくりのための尽力に、敬意を表します。
「都内最大の民間再開発」とされる本件事業のきわめて緊迫した現況について、過日(11月8日、12月15日)、民間開発課において、再開発組合が強行しようとしている権利変換を中心に、憲法以下関係法規に照らして許容されるべきでない不当、不法な実態を、関係当事者から直接お話しし、認可・監督庁である東京都行政担当者として、厳正な対処をされるよう要請いたしました。 なにより本件の権利変換計画は、以下のように、認可申請をするに足る適法な事由と条件を満たしていません。したがって仮に認可申請が提出されても認可されるべきではなく、東京都知事と担当・関係各部局において、法と正義に照らし都市再開発法125条、126条にもとづく厳正な監督責任を果たされるよう、強く要請するものです。

  1. まず、本件の権利変換計画(基準)は、11月9日の再開発組合総会で議決されたとされます。しかし、権利者総数66中、賛成43という員数は、平成12年の都市計画決定前に、区から都に対し既に合意済みとして説明された4分の3はおろか、平成15年の事業認可申請時の法定最低要件である3分の2にも達していません。権利変換計画の公告縦覧にあたり提出された11意見書は、全部あるいはほとんどがこの計画に承服できず、重大な問題点を指摘して、計画のやり直しを要求するものであると、私たちは多くの提出者自身から聞いています。
  2. 再開発組合が都市再開発法110条の「全員同意」型でなく、法111条の地上権非設定型を採用した「特別の事情」について、権利者に明確に説明して決めたわけではありません。本来、権利変換では「財産が動くので全員同意が原則」(都民間開発課)であり、「特別の事情」があればこそその実現のための努力が求められるにもかかわらず、再開発組合として誠心誠意努力を尽くしたとは到底言えない事態にあることを、上述の数字が雄弁に物語っています。理事のなかからさえ、強い異論が出ているのが実態です。異常とも言うべき非民主的で違法な再開発組合のやり方の一端については、過日の私たちと都民間開発課との会見で、権利者がお話しした通りです。それは「氷山の一角」であって、「他はおして知るべし」であり、「限りなく全員同意をめざす」どころか、その姿勢にすらなってはいません。
  3. したがって、都としてはこうした現況において、「権利変換計画の合意形成には至っておらず、いわんや権利変換計画の認可申請をなしうる適法的な要件は成立していない」ことを明確に認定することが先決のはずです。
  4. 再開発組合は11月9日の総会で、公告・縦覧にあたり、個人情報をタテに都市再開発法83条と個人情報保護法16条3項1号を侵犯して、公衆への縦覧を妨げ、関係権利者に対しても自己の関係部分のみを見るように限定しようとする「付帯事項」を決議しています。これでは各権利者は、権利変換計画が「衡平」であるか否かを確認することはおろか、意見を述べる判断材料を与えられていません。再開発組合のこうした行為自体が、権利変換計画の合意形成を妨げる違法なふるまいであり、権利変換手続きそのものを違法、無効にするものといわなければなりません。その行為が、区民を守るべき立場にある区の担当部長以下6人の区職員の面前で堂々と行われたことはまことに遺憾であり、驚きを禁じえません。行政の不作為と癒着そのものではないでしょうか。
  5. そもそも、「権利変換計画は、災害を防止し、衛生を向上し、その他居住条件を改善する」「ように定めなければならない」(都市再開発法74条)にもかかわらず、実際はまったく逆になっています。仮にも本件権利変換計画が認可され、事業が進むようなことになれば、多くの関係権利者にとってばかりか、この地域住民全体にとって水害・震災などの災害の危険と自動車交通増などによる渋滞・排ガス等の公害の発生を増幅し、自然・住環境の悪化をもたらすことは明白です。私たちは本件再開発組合を被告に事業差し止めを求めた民事訴訟で、そのことを詳細に立証しています。また、かかる違法な再開発事業に公金投入は認められないため、世田谷区にたいして、すでに支出した平成17年度予算5億円余の返還と、平成18年度予算44億円の支出停止を求める監査請求を提出しています(別紙添付資料をご参照ください)。事業に公共性がないのに、公金を投入された挙句、公害・災害を撒き散らされたのではたまりません。
  6. ことは権利変換計画のやり方にとどまりません。再開発組合は当該法令に反して、事業計画の開示を拒否し、事業の進捗状況にかんする説明を拒否してきました。11月9日の総会に関する説明を求めたのに対しては、「行政に聞いてくれ」(組合事務局)という態度をとっています。こういう態度で事業を進めようとすること自体が、本件事業の覆いがたい問題点を如実に露呈させています。また、組合事務局による権利者の人権侵害に及ぶ「同意」とりつけ手法のさまざまな問題点が、過去から最近に至るまで、権利者からたびたび告発されており、「権利変換計画は、関係権利者間の利害の衡平に十分の考慮を払って定めなければならない」(法74条2項)にもかかわらず、そうはなっていない状況にあります。お求めなら証人=権利者を紹介いたします。民主主義と人間の尊厳にかかわる不当、違法行為で強引に作成された権利変換計画を「軽微な変更」で進行させればよく、それは権利変換計画を認可した後でもできる、ということには断じてなりません。
  7. もともと、本件再開発計画では東急グループが圧倒的な比重の「権利者」であり、再開発スキームを使うにしても、実態に即して「個人施行」にすれば税金投入をしないですむにもかかわらず、全国にも類例のない巨額の税金投入を当て込むという異様な構造が形づくられています。 現に東急グループは、今回権利変換計画を認可に持ち込もうとしている「一期」から切り離した「二期」のIIa街区を、単独事業で行おうとするかのような態度をあからさまにしています。今回の権利変換計画では、「一期」の権利者はIIa街区に権利を変換できません。すなわち、本来「一体的かつ総合的」(法2条の3)におこなうべき再開発事業で「一期」「二期」の「工期分け」自体に違法性が強い上、そのことによって権利者の「権利排除」=人権・財産権の侵害が引き起こされています。そもそもIIa街区は、「一体的」であるべき本件再開発計画の中核部分です。これらの点でも重大な違法性をはらむ本件事業に巨額の税金を投入してもっぱら一企業グループの利潤を増進させようとする一方、都内で他に得がたい多摩川と国分寺崖線に囲まれた良好な自然・住環境を破壊して広範な住民の生存権を侵犯し、多くの不同意の権利者の財産権を侵犯するという憲法違反の人権侵害を重ねることになる今回の権利変換計画を認可できる正当な事由と条件は、どこにも存在しないといわざるをえません。

東京都知事と担当・関係各部局におかれましては、以上の諸点を十分考慮され、「権利変換手続きのやり直し」を含む厳正な対処によって監督責任を果たされるよう重ねて要請いたします。

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

要請書「世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現状について」

東京都議会議員各位
世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現状について

2007年1月12日

議員各位には、都民のための都政にたいするご尽力に感謝申し上げます。 本日は、「都内最大の民間再開発」(都民間開発課)とされる二子玉川東地区再開発の現況についてお知らせし、善処していただきたく、お願いする次第です。

  1. 同封しました資料1にありますように、再開発組合の予定によれば本年3月には、区域内在住の人たちの移転と解体工事が始まることになっており、事態は大変緊迫しています。権利変換計画の認可申請が異常というべき不当、不法なやり方で東京都に提出された(1月5日)この段階にいたって、本件再開発計画に徒に長年累積されてきたさまざまな問題点が、一挙に集中的に表れてまいりました。 本件再開発には、多額の公金が投入される挙句に、多大な各種被害を蒙る私たち周辺住民として、権利変換の認可申請が「適法な事由と条件を満たしていない」ことを看過できず、7項目にまとめて東京都に提示し(資料2をご覧下さい)、本件の認可・監督庁である東京都が、再開発組合に対する厳正な対処によってその責任を果たすよう要請しています。 事態が緊急を要するため、本日は、東京都にたいして、重ねて要請をいたしてまいりました(資料3をご覧下さい)。
  2. 私たちはかねてより、東京地裁に再開発組合を相手取り、本件再開発事業の差し止めを求めて訴訟を起こし(2005年10月)、現在その審理が進められています。また、世田谷区には、本件再開発事業にたいする「違法、不当な公金支出の払い戻しと差し止め」を求めて住民監査請求を申し立てました(2006年12月11日、資料4をご覧下さい)。当月25日には陳述もおこなわれました。

議員各位におかれましては、こうした私たちの思いをくみとられ、東京都行政当局による本件認可申請の審査を都民の代表として具体的にチェックしていただき、再開発計画の問題点を是正できるよう、心からお願い申し上げます。

資料1
「二子玉川東地区第一種市街地再開発事業」と事業スケジュール(案)
資料2
東京都知事・石原慎太郎様
東京都都市整備局・民間開発課、担当・関係各部局御中
世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件
資料3
同じく
ふたたび世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件
資料4
「世田谷区職員措置請求(住民監査請求書)」

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

要請書「ふたたび世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件」

東京都知事・石原慎太郎様
東京都都市整備局・民間開発課、担当・関係各部局御中
ふたたび世田谷区二子玉川東地区再開発計画(とくに権利変換)の現況にかかわる件

2007年1月12日

日々のよりよいまちづくりのための尽力に、敬意を表します。
本件再開発組合は、昨年12月26日の総会で権利変換計画の認可申請を決議して、翌日世田谷区に提出し、世田谷区はこれを「形式審査」(担当部局)して本年1月5日、東京都に提出したとしています。東京都においては、認可申請をすでに受け取っていることでありましょう。 なぜかくも異常なやりかたで強引に認可手続きを進めようとしているのか、という一事にも、本件権利変換計画の重大な問題点と再開発計画そのものの適法性を欠く根本的な瑕疵が露呈しているといわざるをえません。 私たちがここにふたたび、「本件の権利変換計画は認可申請をするに足る適法な事由と条件を満たしておらず、仮に認可申請が提出されても認可されるべきではなく、東京都知事と担当・関係各部局において、法と正義に照らし都市再開発法125条、126条にもとづく厳正な監督責任を果たされるよう、強く要請」せざるをえないのは、かかる事態の緊急、重大性のためです。

  1. まず、世田谷区においては、年末の「御用納め」直前に受け取った認可申請を、年始の「御用始め」とともに東京都に回したことになり、この限られた時間での「形式審査」とは、実質上「素通り」でしかありえないでしょう。現に区担当部局は「再開発組合をこれまで指導、助言してきた」からだといって、認可申請が提出されれば事実上自動的に都にあげる態度だったことを表明しています。 私たちが反対権利者5人とともに昨年11月30日、世田谷区担当部・課長らと会見した際、「憲法以下関係法規に照らして許容されるべきでない不当、不法な実態」を具体的に指摘し、その実態を調査、監督、指導する厳正な対処を要請していたことからすれば、こうした行政の対処で問題点が具体的に改善、解決されたとはとうてい考えられません。 なかんずく、昨年11月9日の再開発組合総会において、権利変換計画の縦覧方法を巡り、違法な決議が区の担当部長以下職員の面前であからさまになされた事実をしかと認識させられた区が、「形式審査」で都あてに認可申請を提出するとは、組合員のみならず、区民全体に負っているみずからの責任と職務を放棄するに等しい不節操極まりなく、あきれ果てざるをえません。 かかる区の「指導、助言」のもとであればこそ、権利変換にいたる本件再開発計画の根本的な問題点が是正されていないのではないでしょうか。
  2. 私たちが世田谷区に対して説明、指摘した問題点は、昨年末の東京都民間開発課との会見(11月8日、12月15日)ならびに東京都知事・担当各部局あて要請文書(12月27日付)で詳細に示した、本件権利変換の「法に照らして不当、不法な実態」そのものです。 この実態が改められていないであろうことは、年末、年始の経過からも明らかでありましょう。 なにより、12月26日の再開発組合総会決議の賛成49は、権利者総数66の4分の3にも達しておらず、明確な不同意表明は、依然として総会出席権利者(57)中だけでも8にのぼり、権利変換では「財産が動くので全員同意が原則」(都民間開発課)あるいは「限りなく全員同意をめざす」(同)状態にはとうてい達していないという事実が、そのことの明白な証明です。
  3. 私たちが昨年12月27日付の東京都あて要請文書で指摘した7項目はいずれも、認可申請された権利変換計画が形式的に整っているとか、形式的に「多数決」で決められたとかみなしてすまされることがらではありません。仮にも、本件認可・監督庁たる東京都として、不当・違法行為が一再ならず存在した事実を知らされ認知していながら、世田谷区と同様な安易な感覚をもって、認可申請を「事務的に淡々と処理」して認めるようなことがあれば、憲法と関係法規に反する民主主義・財産権侵犯の人権侵害をもたらし、住民の生存権を侵犯して、とりかえしのつかない禍根を招くことになりかねません。 まして、本件再開発により、恒常的に続く環境被害を確実に被る周辺住民の私たちとしては、かかる違法行為を看過できる立場にあるはずもなく、今回の東京都の行政処分の経過と結果については、重大な関心をもって見守り、国民の権利を行使したあらゆる適法な手段をもって行動せざるをえません。
  4. ここで想起せざるをえないのは、本件再開発計画の事業認可にいたる経過です。 2004年6月に事業認可申請を受けた東京都は、同年夏に提出・陳述された150通近くの意見書の審査を含めて、「事業計画そのもの、周辺への影響、特に交通の流れについて」副知事以下「東京都全体で検討」した、と私たちは直接、民間開発課などから聞いていました。それだけに9ヶ月経って2005年3月、東京都知事が認可申請を認めたと聞いたときには、検討課題がなんら解決されたはずもないのに、どうしたことかと驚き、きわめて遺憾に思ったものです。 私たちは2005年11月に民間開発課と面談したさいにも、この点の説明を求め、そのための場を改めて設けることになっていましたが、今日にいたるまで納得のいく説明はされていません。 このように、本件再開発計画には、20数年前の準備段階から都市計画決定を経て、上述の事業認可の経過をたどり、今日の権利変換の段階にいたるまで、長年にわたって解決されないきわめて重大な問題点が累積してきています。それがここにいたって一挙に集中的に表れてきたといわざるをえません。

東京都知事と担当・関係各部局におかれましては、以上の諸点を十分考慮され、具体的に実態を把握し、「権利変換手続きのやり直し」を含む厳正な対処によって監督責任を果たされ、累積されてきた本件再開発計画の問題点を是正されることを、改めて要請いたします。

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

要請書「二子玉川東地区再開発事業を一旦中止し、計画の見直しを求める申入れ書」

世田谷区長
熊本哲之 殿
二子玉川東地区再開発事業を一旦中止し、
計画の見直しを求める申入れ書

2007年1月22日

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏


世田谷区は二子玉川東地区市街地再開発組合から昨年12月27日に提出された 「権利変換計画認可申請」を自ら審査すること無く本年1月5日東京都に送付した。 担当者によれば「認可庁は東京都なので世田谷区はその内容をいちいち審査しない」とのことであり、その姿勢にはこれからの生活再建がどうなるのかと苦悩を重ねる住民への配慮が見られない。 ことは立退きか、廃業かが迫られる住民にとっては死活にかかわる問題である。 この再開発計画は住民が望んだものではなく、再開発計画には期待のひとかけらも無い。 世田谷区が住民の頭越しに東急電鉄グループと取決めたものである。 本来なら住民の生活を守るべき世田谷区は、大企業の横暴をチェックしなければならないのにそれをせず、むしろ大企業に迎合し、住民の人権を侵害していることはあってはならないことである。 私達は万感の怒りをもって世田谷区に抗議し、猛省を促すものである。

  1. そもそもこの再開発計画には、公共性がない。地権者の総意によらず、 事業用地の85%を所有する東急グループが、私的利益を追求する為に地域性にそぐわない、高層ビルを乱立し、客の呼込みを図る経営要請によるものであり住民の為のものではない。世田谷区は繰り返し「にぎわいの核づくり」と称して公金の投入を続けているが、区民はこのような計画を進める為に税金を払っているわけでは無い。この計画に」投入される公金は、世田谷区によれば700億円にものぼるといわれているが、この金額は区民一人当たりほぼ9万円といわれ、地元玉川町民が納める住民税の50年分にも相当する。公金は区民全体のために使うべきであって、僅か60余名の地権者、とりわけ大土地所有者の東急グループに利益をもたらすこの計画に投入する事は許される筈も無い。
  2. 再開発組合の違法的な言動についても、世田谷区はこれを容認加担している。例えば昨年11月9日再開発組合は「権利変換」かかわる決議をなすべき総会を開いたが、公告縦覧にあたって「権利者自身に関する部分のみを閲覧し、他人に関する部分の閲覧は行わない」とする付帯事項を多数決で決議している。公告縦覧とはあまねく万人に開示するものであり、これに制限を加えることは法律違反であり、総会自体が無効となるべきものである。しかもこの総会には、世田谷区の担当職員(複数)が同席しており、これを黙認したことは世田谷区の責任が厳しく問われるものである。
  3. さらに地権者66名中43名という賛成割合は僅か65%にすぎず、平成12年の「都市計画決定」の都市計画審議会に報告した「地権者の75%の賛成がある」という事実にも反するものであり、また平成16年に事業認可申請に必要であったはずの最低要件三分の二の同意をも満たしていない。 世田谷区はこの件について、ただちに調査すべきであるにもかかわらず「再開発組合は立派な法人格を持った団体であり、いちいち問いただすことはない」と放言、ここでも再開発組合に迎合している。
  4. 世田谷区はこれまで「権利変換は一人一人の財産が動くもの、したがって 全員同意が原則、その為に再開発組合を指導してゆく」と繰り返しながら、ここに至って「多数決で決める、決めないは再開発組合の問題、区がとやかく言えない」とその態度を転換させたことは、ここでも住民の利益を守らなければならない行政としての責任を放棄したことは、批判されてしかるべきである。
  5. 公共性が無いばかりか、環境破壊のために公金を投入することに反対の声は日を追ってたかまり、昨年12月11日には世田谷区に対して、再開発事業への公金支出の返還を求める住民監査請求はその結果である。 また平成17年10月には再開発組合を相手どり工事差止め訴訟も提訴され、現在その審理がすすめられている。そのいずれにも広く世田谷区民が参加している。それは再開発地域の住民だけを説得すればことが済むという問題ではないことを示しており、いまや世田谷区民全体にとって、世田谷区民の環境、景観破壊、公金支出の違法など不当性の糾弾の問題となっている。
  6. 世田谷区が真に「公共の利益に資する事業を遂行する」とするなら、現在のような乱暴この上ない計画を一旦中止して、区民の声に耳を傾け計画内容を見直すべきである。                                                  

以上

二子玉川東地区再開発についての要請書

世田谷区議会議員各位
二子玉川東地区再開発についての要請書

2007年01月26日

「にこたまの環境を守る会」
会長・野崎 宏

拝啓 区議会議員各位におかれましては、日頃より区政と区民へのご配慮に敬意を表します。
さて、私たちは過日二子玉川東地区再開発の現状について別紙申し入書を世田谷区熊本区長に提出しました。 私たちは、かねてよりこの再開発に疑問を呈し、世田谷区に再考を促してきました。 この再開発は区民のためのものではなく、東急グループの利益の為のものであり、公共性の無いこの事業には、公金の投入は許されないと主張してきました。 しかし世田谷区は住民の声に耳を傾けることなく、再開発着工へ向けて手続きを進めています。 例えば昨年12月27日に再開発計画に伴う「権利変換計画認可申請」を自ら審査することなく年が明けた1月5日に東京都に提出しました。 本件の認可庁は東京都だから世田谷区がいちいち審査しないというのが、その理由とされていますが、しかし権利変換は地権者の立退き、廃業、転居などが伴う死活問題です。また周辺住民には環境問題など避けてと通れない重大な関わりがあります。 再開発組合のスケジュール(案)によれば、3月には転出の為の補償金の支払いが始まり、立退きを求め解体工事が始まるとされています。 住民にとっては深刻な問題です。 この横暴に世田谷区は住民を守るどころか、再開発組合の方針を容認、迎合しています。 また、世田谷区は権利変換計画が認可された場合、すでに区議会の承認を受けている補助金など44億円を支出すると明言しており、平成19年度予算については現在調整中とも語っています。 これは公共性のひとかけらも無い事業へ、公金投入がとめども無く進むことを意味します。

私たちは世田谷区のこの暴挙を阻止する為に、平成17年10月には再開発組合を相手どり、東京地方裁判所に「工事差止め」を提訴し、平成18年12月には世田谷区に対し「住民監査請求」を申立て、陳述を行いました。この申立てには区内全域から多くの区民が参加し、関心の高さを示しています。

議員各位におかれましては、まもなく開かれる区議会において本件を慎重審議され、再開発計画を一旦中止の上、計画の見直しを決議されますよう要請いたします。

敬 具 


意見陳述 原告訴訟代理人 渕脇みどり弁護士

2005年11月21日
原告訴訟代理人   弁護士 渕脇 みどり

 原告代理人の弁護士 渕脇みどりです。ただいまお二人の原告の意見陳述を受け、本件再開発事業、及び本件訴訟の特質を申し述べます。

1.本件再開発事業の特質は大きく言って以下の2点です。

 ひとつには施行者である被告再開発事業組合は組合という形は取っていますが、事業予定地の85%以上を東急電鉄、東急不動産らの東急グループが所有しており、その主導の下、一私企業の利益遂行目的で遂行されてきているため、組合員の中には、設立認可申請にも同意しなかった明確な反対地権者、及び、具体的な権利変換に応じない実質的反対者をふくめると、相当数の反対者がおり、そもそも地権者の真の総意に基づく再開発とはいえないということです。
このことは昭和57年頃から準備されながら、平成12年にようやく都市計画決定され、さらにそれから被告組合の設立認可までに5年いう長期間を要し、その後も本年3月4日に設立認可決定を得ながら、8ヶ月を経過した現在も未だに権利変換手続きに進展がないことからも明らかです。
もう一点はその事業規模が地域にそぐわない、六本木ヒルズの広さに匹敵する11.2ヘクタールという巨大ともいうべき超大規模なものであり、さらに風致地区の周辺環境をまったく顧みず、最高49階建て、地上150mという超高層マンションを含む7棟ものビルを乱立させるという異様な事業内容であるため、まち全体の自然、文化、景観を破壊し、周辺住民の権利を著しく侵害すると共に、総額700億円という莫大な公金が支出されようとしていることです。
これは既に原告の意見陳述で明らかにされたとおり、原告らは到底受忍することはできないものです。

2.次に本件訴訟の特質を申し上げます。

従来、都市計画事業や、再開発事業については様々な理由で、地権者及び、周辺住民が、自らの権利侵害や、事業の違法性を訴えて、訴訟を提起してきました。しかしながら、行政訴訟において、行政処分を争う場合には、そもそもの行政行為の処分性に始まり、原告適格や、出訴期間など要件が厳しく限定された上に行政に、広い裁量の範囲が認められ、取り消し判決がでても、差し止めや、既に遂行した工事の原状回復の効力はないとされ、原告らの権利を守る道は極めて厳しいものでした。
しかしながら、本件事業のようにその事業が都市再開発法に著しく違反し、しかもこれによる周辺住民の権利侵害が受忍限度を超える場合には、その事業の遂行は不法行為として一般の建築行為による不法行為と同じく、民事訴訟により差し止めを命じうるものであります。
このことは、過去の行政行為が取り消されないことと何ら矛盾するものではありません。被告である再開発事業組合は、将来に向かって都市再開発法第38条により事業計画若しくは事業基本方針を変更することができるからです。
本件訴訟の特質はまさにこの点にあります。
第1に原告が全て再開発事業地の地権者ではなく周辺住民であることです。
「まちづくり」にとって住民はまさに主人公なのです。
「まち」とは自然、歴史、文化の総合的な空間かつ社会的システムであります。憲法が定める13条の幸福追求権、25条の健康で文化的な最低限の生活を営む生存権 からも、環境、景観がまもられ、心身共に健康で、防災対策上も安全で住みやすいまちを住民自身が作っていくことはまさに住民の権利であります。このような総合的な概念である「まち」は住民の共有の資産であり、宝なのです。
第2に実質的な権利侵害を阻止する実効性を確保する上でも、違法、かつ有害な再開発事業について住民が直接に差止請求権を有することは必要不可欠であり、当然にみとめられるべきであります。この2点を確認する意味でこの訴訟は重大な意味を持ちます。

3.最後に本件訴訟にあたり、司法に期待することを述べます。

まちづくりの概念も時代と共に移り変わってきました。都市再開発法が制定された昭和44年当時は、土地の高度利用の必要性が叫ばれ、その後、さらに建築規制全体の規制緩和の流れ、バブル経済 などの影響を受け、次々に広い空を切り裂くような超高層ビルが建設されるようになりました。
 しかしながら、昨今世田谷区のまちづくり条例や、平成16年の景観法の制定に見られるように、今やまちづくりにとって実現すべき価値は何かという価値観が大きく変わってきました。
超高層ビルについての、様々な問題点も実証されるようになりました。経済性の追求のみの観点から、高層ビルを乱立する本件再開発は、「まちづくり」ではなく住民が長い歴史の元に築きあげてきた財産である「まち」の破壊に他なりません。
原告66名及びこれを支援する日本中の多くの国民は、司法がかかる時代の趨勢を適格に認知し、本件事業の違法性を断罪し、真に公共の福祉に資する再開発事業が行われるよう、充分に審理を尽くし、将来にわたるまちづくりの理念を実現するためにも、本件再開発事業の差し止めを命ずる判決を言い渡されることを心より切望しています。

以上

意見陳述 原告 飯岡三和子

平成17年11月21日
原告   飯岡 三和子

 私の祖父は、東急大井町線がまだ走っていないときにここ、二子玉川に土地を借りて住み始めました。私は、ここで生まれ、戦争を鋏み、出たり入ったりして、現在も暮らしています。子どものころ、都心に出かけ、頭が痛くなって帰ってきて、二子玉川の駅について深呼吸をすると、頭の痛いのがいつの間にか治っていたという経験を何度もしたことを覚えています。都心のめまぐるしい騒音と排気ガスだらけの中から、玉川に降り立つと、空が広く、多摩川から心地よい風が吹き、人波も少なくほっとしたものです。
 多摩川で水遊びをし、松林で風の音を聞き、二子玉川園ができる前に広い運動場だった時期には、野球もしました。天気の良い日には多摩川に向かって立てば、遠く富士が季節ごとの美しい姿を見せ、日没はうっとりするほどの光景でした。(これは今も変わりません)川の上はさえぎるものがないので、空は広く、空気もきれいでした。私はこういう自然環境に育てられました。
 大きな道路(国道246号線、13間道路といっていました)に車がたくさん走るようになり、多くの人が駅を乗り降りするようになっても、駅の東側と河原は比較的静かで、休みの日には、川ときれいな空気に惹かれて若者や家族連れが集う場所になっています。多摩川に併行して連なる国分寺崖線は、世田谷の誇る緑のベルトです。そこに根付いている大木は、世田谷区の許可がなければ伐採ができないほど大切にされ、世田谷区も国分寺崖線保全の条例を制定して守ろうとしています。もっとも、その国分寺崖線には保全条例ができる前に、マンションが立ち始め、自動車の流入で大気汚染も進んでいますが、それでもまだ、許容の範囲かなと思っています。なぜなら、風致地区のため、マンションはせいぜい5階建て、空も見えるし、河原まで足を伸ばせば、きれいな空気が吸えるからです。東京では、これくらいは、我慢です。
 このような環境の二子玉川に、この再開発計画が明らかになった時の地元のショックは大きく「なんで? ここだけ150メートルなの?」「都心ならいざ知らず、3棟も5棟もの超高層ビルは、異常な光景だ」「この地域には、全然合わない」などの声が聞かれました。私たちの被害は、自分の家の前に超高層ビルができて、空が狭くなり、圧迫感がいやだというだけではなく、この巨大な開発で、街全体が壊されるということが我慢できないのです。
街が壊されるというのは、建物が壊されるだけではありません。昔からの顔見知りの商店が立ち退かざるを得ないことも街壊しです。多くの人達は、ここで商売をしたい、ここに住み続けたいと言いつつも、最終的には立ち退かざるを得ない内容に、怒り、諦めかけています。
 人間の生活を犠牲にし、どこにでもあるような高層を含むコンクリートの街を作ることは見直して欲しいと、これまで東京都、世田谷区、東急に申し入れてきましたが、もう、決まっていることだから、折角ここまできたのだから、と理由にもならない説明でした。なぜ、高層が必要なのか、の説明はありませんでした。
 最後まで反対している地権者の声を無視して、事業組合が認可されるに及んで、やむにやまれぬ思いの周辺住民の皆さんと共に、提訴した次第です。

 私は、保育者として幼い子どもたちの育ちの手助けをしています。子どもたちには、優しくたくましく育ってほしい、自分も相手も大切にするような人になってほしいと思っています。そのためには、想像力を働かせることが大切だと思います。人を叩いたら相手がどんなに痛いか、やられてみなければ判らないではなく、相手の痛みを見て、想像することができる子どもになってほしいと思います。
 人間だけが、現在や過去から予測したり、想像したりできる脳を持っているのに、巨大な構造物を作ってしまったら、50年後、100年後それを維持していけるのか、考えることが何故できないのでしょうか。日本全国で破綻して、後始末に苦慮している経験をどうして生かせないのでしょうか?
 私は、今なら間に合うと思います。どこにでもあるような、駅ビル、高層マンションではなく、国分寺崖線と現在ある多摩川を活かして、関係者の意見を採り入れた街づくりに切り替えることができると思います。
 これは、専門家も言っています。社団法人全国再開発協会が平成13年に発表した「軽装備再開発に関する検討調査報告書」によれば、

「今までの再開発事業の手法だけでは、街づくりができなくなってきている。全国の市街地の状況と再開発事業の経済環境を考えると、今までと違った発想による街づくり手法が必要となってきている」と述べています。これは、当再開発計画にも関わっている(株)アールアイエーの宮原義昭氏の文章です。
 また、社団法人再開発コーディネーター協会による「新たな再開発のあり方に関する提言」によれば、
「再開発の基本目的を「高度利用と都市機能の更新」から「個性的な町並み景観の形成と持続的なコミュニティへの再編」に転換すると共に、高度利用による保留床処分を前提とした制度を抜本的に見直すべきである」と述べています。
 このような専門家の力を生かして、後悔のない街づくりに私たちも関わっていきたいと思います。

以上

意見陳述 原告 野崎 宏

平成17年11月21日
原告   野崎 宏(68歳)

 私の本件への想いと憂慮と訴えを申し上げたいと思います。

1.眺望・景観・環境の素晴らしさと、世間感覚から乖離した再開発等の都市計画について

 最近、私の娘が嫁ぎましたが、嫁入り前の娘の言葉を忘れられません。それは、都が施した二子再開発組合の事業認可をめぐる意見陳述の頃のことです。娘が言いました。
 「パパ、私がお嫁に行くとき、何もいらないわよ。ただ、私が持って行きたいのは、我が家の環境をそのまま持って行かれたら、持っていきたいの。」と。私はその言葉を聞いた時に、娘が豊かな心を持って、健やかに育ってくれたのを、ただ有り難いことだと感謝するとともに、40年前にこの部屋を買うために最初に訪れた時、その景色を見たとたんに、女房に相談することもなく、先方の言い値で決めた私の判断が間違いでなかったと報われた気がしました。
 五島美術館とセントメリー・アメリカン・スクールを巡るあたり一帯の国分寺崖線の豊かな緑、ゆったりと流れる多摩川と対岸の川崎市側緑地帯、南西に丹沢連峰と富士山、西へ高尾山・南アルプスとパノラマのように望んでおり、駒沢通り寄りの北側に廻れば、マンション内の駒沢通り沿いに欅並木が続き、まるで谷底沿いの緑のトンネルのごとき雰囲気です。
 毎年夏には、親しい友人等を呼んで、多摩川花火を見物して旧交を温めています。「花火も富士山もあと数年で終わりだ。」と私が話すと、どの友人もこの地が、都の城南地区の小中学生の遠足の地として果たしてきた歴史的役割をよく承知しており、一様に、例外なく「そんな馬鹿な話が、バブル時ならいざ知らず、今の時代でも、まだそんな話を真面目に考える奴がいるのか、ひどい話だ」と嘆き、次には怒り出します。
 私は、私のマンションが心を和ませる、素晴らしい環境にあるということをまず指摘したいのですが、今や、時代の要請として、
 『美しい景観とか眺望は、成熟した市民社会の象徴である』
という一般社会のコンセプトもあり、また、世田谷風景条例にも、
 『風景は祖先から受け付き、行政と住民が手を携えて守ってきた貴重な財産で、 子孫にも伝えていく義務がある』
との主旨が謳われており、さらに、国交省と東京都が、
 『道路の景色は、正に文化そのもので、美しい道路の景色を保全する事を、本 気で後援してる。』
時代だということを指摘申し上げたいとともに、当該再開発地一帯を、古くから良く知っている人間の共通の感覚として、
 『国分寺崖線の豊かな緑と水と光のこの地に、新宿・池袋・汐留・品川の如 き、超高層ビルの連なりと道路拡幅と、健康をおびやかす排気ガスの充満とか の都心並の光景は、決して馴染まず、周辺住民の望むものではない』
ということを申し上げたいと思います。

2.周辺住民に被害の受忍をただ強いるだけで、説得力の全くないことについて

 二子開発事業と同地域へのアクセス道路として同根一体の駒沢通り拡幅の両都市計画は、手法・内容の両面において、私たちは到底納得できません。以下、いくつかの事実を申し上げたいと思います。

  1. 周辺住民の同意がないという事実について
     住民の了解取付けのためと称して、平成12年都市計画決定時、数回行われた住民説明会では、毎回時間切による質疑打ち切りで、怒号と罵声の中に終了する有様で、住民の理解を得たと報告されるには程遠いものでした。もともと警察・消防の関係団体を始めとして、町会・商店会等の団体で承認が得られたとしても、それはいわば行政に近く継っている団体の出来レースの話に過ぎず、一般住民のそれではありません。
  2. 周辺住民の蒙る被害に対する盟主東急側の配慮の無さについて
     ところで、学校・住まい合わせて約60年、東急の沿線で生活しており、親族も東急系関係会社の役員を勤めていたこともあり、本来祖父以来の東急ファンである立場であるにも拘わらず、敢えて申し上げたいのです。再開発事業組合の85%を占める盟主たる東急は、本質的に自社存立の基盤たる永年の顧客である我々沿線住民との対話を怠り、元風致地区で「国分寺崖線から多摩川までの地域は優良な住宅地」と区が他では認めている地域と同等以上の優良地域で、自らが、地域住民と共に培ってきた環境そのものを破壊する行為をいとわず、画策した超高層ビルの保留床の売り上げのみに専念するのみです。いわば広域鉄道事業者という企業の社会的責任を自ら放棄して、都市計画という錦の御旗を免罪符として、今やほとんど自社マンション事業に近い組合事業に700億円以上の公金を投入せしめて、専ら自社グループの利益の追求のみに急で、その結果として、一方で周辺住民が蒙る被害に対しては、一切配慮の姿勢すら見せないということは驚くべきことです。
     本来、沿線長年の顧客の信頼を失わぬように、高層は駅前ビルにとどめる等の環境に穏やかな内容に修正して、長期的に利益の回収を図るべきところ、同社の最近の有価証券報告書に記載されているようなイチかバチかの勝負の如き表現は世間一般の常識を超えた異常な姿勢だと思います。
  3. 行政の対応について
     ここ2〜3年の間に、個人として、多くの住民が再開発・駒沢通り沿道用途変更・同じく同優先整備路線指定・国分寺崖線保全条例、区の整備方針等の案件絡みで、区・都の行政に対して、幾多のアンケート・意見書の提出・陳述を行い、区長を囲むタウン・ミーティングにも出席・質問すると共に、再開発反対団体の会長・マンション管理組合の理事長から、再開発準備組合とその盟主たる東急電鉄株式会社・区長・都知事等行政の首長宛、各々見直し要請の公翰を出状していますが、
    1. 事務レベルからは全てガス抜き扱いにされ、
    2. 「二子再開発は交通渋滞の解消に役立つ」等の根拠のない、見当違いの返事が、区の街作り部長から来たり、
    3. あるいは、首長からは、一切無視・黙殺・無回答で、(東急も全く同様で)
     凡そ、民主主義国家内における行政のあるべき姿、並びに、住民との望ましい関係ではなく、さながら後進国家政権並の住民と対話の無い、不毛の関係だったので、提訴に及びました。
     区長は二言目には、「区民の意見の汲み上げが熊本区政の原点」とか、「街作りは住民の意向が基本」とか格好の良いことを発言しますが、本件も含め、環境絡みでは、区民の意見が汲み上げられた試しがありません。また、区長は、第IIA街区破綻をめぐって、東急と対峙する振りを一時示したものの、今年3月末日まで、再開発組合を指導する立場であった区の街作り部長が4月1日に、その組合に天下りするのを放置するくらいですから、今から思うと猿芝居だったとしか思えません。
  4. 「広大な都市計画公園付帯公約」の目途が無いことについて
     平成12年都計審時、超高層ビル許可の付帯状況の説明として、緑の補充は広大な都市計画公園の併設で行うとされているにも拘わらず、現在では、超高層ビル群を先行させて、公園の具体的目途は、区議会にも明示されず、行政にこれを問うと「100年先でも出来上がれば良いとして許されるのが都市計画というものだ」との暴論まで明言する一方で、最近の都議会都市整備委員会においては、民間開発局参事が、何の裏付けの根拠も示さずに、ただ「平成22年には出来上がる」と堂々お役所仕事風の答弁で済ませています。
  5. IIA街区ホテル・事務所棟の破綻は
    再開発事業そのものの破綻であることについて

     本事業象徴たる中心施設とされていた当初棟は、需要の見込みの破綻から、白紙に戻り、その用途・内容・採算等は、事実上具体的な目途は立っていません。
     区長がタウン・ミーティングで、「東急の本件、撤回は認められない」と公言した所以です。便宜第一、第二組合への分割とかは、地域一帯の総合的開発を宗とする都市計画法に背く欺瞞の方策ゆえ、この破綻した抜け殻の如き事業骨子を以てしては、我々周辺住民に被害と受忍を納得させられるものではありません。しかも、区は、この崖線から多摩川の水辺までを、他の地域では自然環境保全ゾーンと指定しているゆえ、もともと、当該地区のように、超高層ビル特区の如き扱いは本来倫理上許される筈もない場所なのです。
  6. 駒沢通り拡幅データについて
    二子再開発へのアクセス道路であることを優先整備路線の第一の理由としているが、前項のとおり第II街区破綻により、開発交通量自体の根拠が定かではない上、現交通量の予測は実に平成3年のものが使われているのです。すなわち「不合理な現状認識と将来の明確な見通しなく決定された都市計画は、違法である」との最近の東京高裁での伊東市における都市計画に係る行政側逆転敗訴時の判決文に正に当てはまります。
  7. 駒沢通りの拡幅方法について
     区は、前項のデータ不足に加えて、都の拡幅時の左右沿道の公平感のための、昭和の初めからの大原則と言われている。「原道中心線から、左右均一拡幅の原則」を曲げて、上野毛ハイム並びに下手上野毛町側に厚い拡幅を志しています。平成13年からその原因が、向かい側に都水道局のずい道の存在にある由行政から説明された時から、なぜそれがいじれないのか、4年たった今でも何の回答も得られていません。その結果、排ガスの健康被害を押しつけられた上に、マンションの生命線たる駐車場、ゴミ置き場が買収されるのですから、たまったものではありません。要するに、再開発組合と行政が主役で主権がそこにあり、周辺住民には主権不在という姿勢です。
  8. 本都市計画決定までの諸手続の不当性について
    要するに、ただそこに広大な空き地があるからとの理由だけで、住民不参加で東急・行政が昔の発想で高層ビル群を計画したものゆえ、環境自体とか環境行政とか、電車・車の交通とかの負荷が過重となり、方々でヒッチを来しているというのが現実です。
    だから、この再開発が、いわば治外法権的扱いとなり、世田谷区風景条例・国分寺崖線保全条例・世田谷区整備方針等の、平成11年から最近にかけての区の環境行政の埒外に常にあり、事実上当該諸法令のザル化の見本とならざるを得ない状態を現出させる訳です。
    このような事業に至った原点は、議会・住民不在・不参加のまま、密かに締結された区と東急の諸協定とそれに基づく、用途地域・換地・都議会への「地権者の4分の3が再開発計画に賛成」との虚偽報告にあり、環境被害を被る周辺住民としてはこの過程を到底容認できません。

石原慎太郎・東京都知事宛て抗議文(2010年6月28日)

二子玉川東第二地区再開発事業計画案にたいする住民ならびに専門家の意見をすべて「不採択」にしたやり方に抗議し、どのように「審査」したのかについて明確な説明責任を果たすこと、ならびに区と連携し再開発(準備)組合と住民との話し合いの場を設けることを求める
一、二子玉川東第二地区再開発事業計画案にたいする、私たち住民ならびに専門家の意見書と口頭陳述にたいして、過日、東京都知事名による「不採択」の通知とあわせ、民間開発課長名による「ご意見について」という文書が送られてきました。
本件では、199人の意見書中、191人が事業計画案に反対の意見を記しました。また、住民131人と専門家の補佐人9人が反対の口頭陳述をしました。それらは、この事業計画がもたらすさまざまな権利侵害を具体的に述べ、実質的な公共性の欠如を指摘し、住民と専門家の知見をとりいれた事業の進め方と現行制度の中で可能な解決策・代替案も示し、豊富な証拠物件も提出して、論証したものです。
都民間開発課によると、審査のために意見を整理した文書は、400ページを超えています。
ところが、意見書と口頭陳述のすべてにたいして、都知事名通知も、民間開発課長名文書も、すべて同一の文章が送られてきました。しかも、民間開発課長名文書で「審査結果」について記載してあるのはすべて、意見書提出と口頭意見陳述よりも以前に取られていた手続きに関することだけです。都知事が今の段階で、ひとりひとりの意見をどのように考え、どのように対処するという「審査」をしたのかについては、いっさい示されていません。
二子玉川再開発一期事業による住民被害が拡大し、それが二期事業計画で増幅することは明白であるにもかかわらず、このような都知事名通知と課長名文書だけで、私たちの意見がすべて「不採択」とされたことはまったく理解、納得できず、強く抗議します。記載されている限りの不採択理由は、とうてい受け入れられません。
二、なぜこのようなことになったのか。
(1)まず、私たちひとりひとりの意見をどのように審査したのか、具体的に説明されたい。
(2)また、数多く提出した質問にたいして、その一部についてだけ、民間開発課長名の「回答」が送られてきました。「回答」されていない質問にたいして、ただちに回答されたい。できないなら、その理由を説明されたい。
(3)すでに送られてきた「回答」もほとんど、都がどのように考え、対処するかではなく、第二地区再開発準備組合や世田谷区に「問合わせください」というものです。これはどういうことか、明確に説明されたい。
(4)都知事名通知には、「都市再開発法第16条第3項の規定により内容を審査した」と当然の記載があります。しかし、上述のようなことになっている以上、どういう基準で審査したのかについて、具体的に説明されたい。
(5)一方、質問への「回答」のなかには、「意見書を採択すべきであると認める場合は、都市再開発法第17条の認可基準に該当する場合となります」というものがあります。これはどういうことか、具体的に説明されたい。
三、(1)都知事(民間開発担当部長)は、本件再開発事業にあたって、住民の意見を十分に聞くとの態度を表明してきました。たとえば本年2月22日の都議会都市整備委員会で、その旨をくりかえし表明していました。
今回の意見書提出と口頭陳述は、住民が意見を表明する決定的ともいえるきわめて重要な機会です。都知事が「審査庁」として、その意見をどのように聞き、どのように判断、対処するかについて、はっきりさせないままで、本件事業計画案を「認可」することは認められません。
この点について、どう考え、どうしようとしているのか、はっきり説明されたい。
(2)同時に、上記2月22日の都議会都市整備委員会での都担当部長の発言(今後も都が世田谷区と連携し、組合が周辺住民等と話し合いを行うよう調整してまいります)を具体的に実行されたい。
質問への「回答」のなかには、「再開発組合及び再開発準備組合は、今後とも地元の要請に応じて話合いを行っていくこととしており、都は世田谷区と連携し話合いを行うよう指導していきます」というものもあります。
東京都はこれらの公式態度表明を実行し、世田谷区と連携して、再開発組合及び再開発準備組合と住民が同席して話し合う場を設けられたい。その場に都、区の担当者が同席して責任を果たすことは当然です。
以上について、東京都知事として7月5日までに、明確かつ具体的な説明責任を果たし、回答されることを求めます。