RE:GO MAD SCHOOL


「とりあえず、ここまで詳しく聞いてるんだけど・・・」

イチゴがそう言い、言葉を濁した。
後ろのベッドでは死神が目を覚ました。
Rの介は「お、死神」と言った。

「そっから先は俺が話すよ。むしろ話させろ」

死神は保健室のベッドから、静かに起き上がった。

「死神・・・大丈夫?」
「あぁ・・・」

「大丈夫」と答えたものの、どこか気配が違う。

「手を真っ二つにしたところからだったよな、確か・・・」
「う・・・うん・・・」

そして、死神はさっきの話の続きを話し始めた。


Story.10:PAST.5 「死殺中神隠し」


視聴覚室のさまざまな物陰から何かが飛んでくる。
そして、飛んでくるたびに死神が斬り、マイが殴って地面に叩きつける。
そして、それら全てが死神を狙っているように飛んでくる。

「クソッ・・・こいつらの狙いは俺か・・・」

次第に飛んでくるモノのは大きくなっていく。
それでも、交わせないサイズではなかった。

「にしても、私達、いまものすごいグロいことしてるんだよね?」
「あー、そうだな」
「なんか実感無いんだけど」
「俺もだ」

グロいのも当たり前だ。
2人が殴ったり斬ったりしているのは全て人の一部。
手、足、胴体・・・

「多分これで終わりッ!!」

最後に、マイが飛んできた頭を殴りつけて人体からの攻撃は終わった。

「にしても、なんなんだろうな。コレ」

死神は斬った人体の一部を足でツンツンしながらそういった。

「んー、わかんない」

マイは腕を組みながらそう答える。
と、その時、マイの近くに落ちている頭が喋りだした。

「アトヒトリアトヒトリアトヒトリアトヒトリ・・・」

ひたすらそうつぶやき始めた。

「うわっ・・・なにこれ・・・」
「頭だけで話してやがる・・・」

死神とマイはその頭から一歩退いた。
しかし、頭はまだしゃべり続ける。

「アトヒトリアトヒトリアトヒトリ・・・」

そして、今まで斬ったり殴りつけたはずの人体の一部達が頭に向かって動き始めた。

「な・・・なッ・・・!!」
「うわああああ!!ガミちゃぁぁぁぁん!!」

死神は驚きながら、マイは泣きながらその様子を見ている。
そして、斬られた部分は綺麗にくっつき、人を一人形成した。
が、頭は相変わらずしゃべり続けている。
二人は攻撃態勢に入る。
だが・・・

「なんなんだよ、コイツ・・・」
「アトヒトリアトヒトリ・・・」

そのまま死神に向かっていった。

「あー、やっぱ狙いは俺か・・・」

それがわかると、自然に死神の刀を持つ手に力が入る。

「マイ、お前はRの介ンとこ行ってろ。あいつ等の様子が心配だ。こいつは俺が請け負った」
「わかった」

マイはそういうと、視聴覚室から出て、Rの介達の所に向かった。

「アトヒトリアトヒトリアトヒトリ・・・」
「さーぁ、楽しくなってきたね・・・」

死神はニヤリと笑い、そう言った。


マイはRの介とイチゴの所に着いた。
イチゴは若干だが落ち着きを取り戻している。
こっちにはなにもいないようだ。

「そうか、視聴覚室に・・・」
「うん・・・」

マイとRの介が座りながらそんな話をしている。
イチゴはとなりで、呟かなくなったがぼーっとしている。

「ガミちゃんだから大丈夫だと思うけど・・・」
「ま、一応行ってみるか」

Rの介はその場に立ち上がった。

「イチゴちゃんはどうするの・・・?」
「だいぶ落ち着いてはきたが・・・まだまだだな・・・」
「じゃあ私先に行ってるね」
「わかった。悪いな」
「いいって」

マイはその場に立ち上がると、再び視聴覚室に向かって走り始めた。


「ハッ・・・はぁッ・・・!!」

その何かと戦い始めて10分、死神の息が切れていた。
相当体力はあるはずなのだが、既に疲れているようだ。

「なんなんだよチクショー、もう疲れてきてやがる・・・・」
「アトヒトリアトヒトリアトヒトリ・・・・」

その何かはこの調子で喋り続けている。
そして、疲れを見せない。
死神は刀を握り、相手との間合いを詰めた。
同時に、何かも死神と間合いを詰めてくる。

「うらあああああ!!」

死神は一気に首に斬りかかる。
何かは死神に噛み付こうとする。

「ぐッ・・・」

しかし、噛み付こうとされたため死神は刀を相手の顔面に押し当てた。
そして、グッと力を込める。
死神の刀が少し、何かの顔に食い込んだ。
刀が顔面に食い込んだのを察したのか、何かは一気に後ろに下がった。

「アトヒトリアトヒトリアトヒトリ・・・・」
「ったく・・・なんなんだよ・・・」

死神は何かを見ながらそう呟いた。

「アアアアアアアアアアアア!!」

突如、何かは叫びだした。

「な・・・なんだ!?」

突然の変わりように、死神は一歩後ずさる。
そして、何かは飛んで死神に噛み付きに来た。
今度は足に。

「ンの野郎・・・!!」

死神は刀をゴルフのスイングをするように振った。
地面をガリガリと削る音が部屋に響き渡る。

「これで終わりだ」

死神の刀と地面の角度が垂直になったとき、ちょうど何かの頭が刀の前に来た。

「アアアアアアアアアア!!!」

それを察してか、なにかは手を使ってその場から後ろに飛び上がる。
あお向けで視聴覚室の戸があったところに飛んでいく。

「くそっ、仕留め損ねたか・・・!!」

何かの額からは、血が流れ出る。
そこへ、マイがやって来た。

「おーい、ガミちゃん・・・」
「アアアアアアアアアア!!」

マイに気がついた何かは体をあお向けからうつ伏せになり、飛んでいく。
そして、口を開ける。

「マイ、危ねェ!!」

死神がそう叫んだときには遅かった。
何かが、マイの肩に噛み付いた。

「アアアア・・・」
「え・・・?」

マイはその場に倒れた。
そして、体が痙攣を始める。

「タリタタリタタリタ・・・」

死神は刀を投げ捨て、マイのところへ向かう。

「マイ!!」

死神はマイを抱きかかえる。

「ガミ・・・ちゃ・・・」

そして数秒で、マイの意識が無くなった。

「マイ・・・マイ!!」

死神はマイに語りかける。
が、反応は無い。

「タリ・・・タリ・・・タリ・・・」

隣では、何かが電池の切れたおもちゃのように喋るのをやめた。
死神はふと、何かを見た。
何かの体が透けていくのが見える。

「な・・・なんだ・・・?」

死神はわが目を疑った。
隣で何かが消えていくのだから。
そして、何かが消えたとき死神の腕が軽くなった。

「え・・・?」

死神は自分の腕を見た。
腕が見えた。
先ほどまで抱えていたマイの姿は見えない。

「マイ・・・?」

死神はその場で呆然とした。
さっきまでいた者が、いきなりいなくなった。
歩いた気配も、形跡もなかった。

「どこに・・・行った?」


俺の思考回路はそこで停止。
気がついたら病院のベッドの上だった。
腕には点滴のチューブが着いてて、いつのまにやら入院患者のよく着てる服に着替えさせられてた。


「この事件が、世界で大量に放送されてた『死殺中神隠し』の真相だ。」

死神は「ふぅ」とため息をつくと、そこで話す事を止めた。


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