RE:GO MAD SCHOOL

強風がマストを軋ませる。
撓るマスト。
しかしその強風を受ける分、船は加速して行く。

Story.5:死者

雷音が空を轟く。
空には雨雲が広がっていく。

(冗談だろ?嘘だろ?)

死神は人影に向かって走っていく。
全力で。
しかも、かなり早い。

「おい、あいつってあんなに早かったか?」

クラスの人からそう言うくらいだ。

「介さん、あの人・・・」
「あぁ・・・」
「死神くん・・・」

死神は人影に追いつきそうになった。

「ッ・・・おい!!」

死神が手を伸ばすと、人影は笑い、そして遠のいた。

「くそッ!!」

失速した死神は再び速度を上げて、人影を追いかける。
その二人の追いかけっこは、いつのまにかクラスの注目の的になっていた。
人影は死神との追いかけっこを楽しむように、死神との距離を一定に保ったまま校庭をグルグル走り回っている。
死神の速度は変わらない。
クラスの人からは「あいつあんな体力あったか?」との声が。
雨粒が校庭の地面を叩いた。
それと同時に、死神が大声を上げた。

「おい、待てよ!!逃げんな!!」

その時、追いかけっこが終わった。
人影は止まり、死神がその人影を掴む。
掴んだ反動で、人影のフードが取れた。

「なんで逃げるんだよ、マイ・・・!!」

フードが取れて露になった顔は、マイにそっくりだった。
違うとしたら、髪の色が茶色だということ。

「おい、あれマイじゃないか?」
「え、でもマイはここにいるよ?」
「私にソックリ・・・」

死神の掴んでいる彼女の名前も「マイ」。
イチゴとRの介は黙ってその様子を見届ける。

「・・・つら・・」
「なんだよ・・・」

死神の掴んでいるマイが何かを話し始めた。

「あいつらが・・・また来る・・・」
「あいつら・・・・?」

死神が息を切らせながら、その言葉に疑問を抱く。
雨が降ってきた。

「冥界の・・・やつら・・・」
「メイカイ・・・?」

死神の頭が、さらに混乱する。

「あいつらって・・・」
「私達を・・・殺したヤツラ・・・」
「なっ・・・」

死神の目の色が変わった。
そして、話は続く。

「早く・・・扉を壊して・・・あいつらが・・・出てくる前に。・・・私も・・・扉・・通っ・・・」

マイの声が、ノイズがかかったようになってきた。
雨がさらに強くなってくる。
マイは死神に背を向けた。
そして、フードをかぶった。

「お・・・おい!!」

そして、いきなりマイのフードとマントがべしゃっと音を立てて地面に落ちた。
そこにマイの姿は無い。

「マイ・・・?」

死神はマントとフードを拾い上げた。

「どこ・・・行ったんだよ?」

死神はその場に膝をつき、地面を手で掘り始めた。

「いきなり消えたんだ・・・土の中に入ったんだ・・・」
「がみちゃん・・・」

クラスの人が見てるにもかかわらず、イチゴは2階から飛び降りる。
そして、着地すると死神の所へ歩き出す。

「会えたんだ・・・やっと会えたのに・・・」

死神の手は血にまみれる。
しかし、地面を掘るのをやめない。
死神の髪の毛が別の形になっていく。

「ようやく・・・謝れるって思ったのに・・・」

その時、イチゴが死神の手を掴んだ。

「マイちゃんは・・・もうここにはいないよ・・・」
「でも・・・今いたんだぞ?」
「でも、もういない」

死神の目を見て、イチゴはそう言った。

「・・・・・」
「手・・・手当てしよう?」

その場に立ち上がると、イチゴは教室に向かって「保健室に行ってくる」と叫んだ。
そして、二人は保健室に向かう。
それを追うように、マイとRの介も授業をサボり保健室へと向かっていった。

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