第3話:紫砂津中防衛戦-2-

 はさらに強くなっていた。
校庭には、風で吹き飛ばされた桜の花びらが舞う。

―戦いが、始まる。

 紫砂津中学校は、3学年合計で300人くらいであまり生徒数は多くない学校だ。
しかし、もともと自衛隊の演習場だった土地に学校ができているため、校庭はものすごく広く作られていた。
そこに現在、1000人くらいの人間がいる。
 「ようやく来たな!!死殺中学校!!では、行くぞ!!」
市長思いっきり叫んでくる。

 ここは紫砂津中学校演習場(校庭)、A地点。大きな桜の木が印象的な場所。Rの介とクラスメイトの何人かがここに居た。
「うるせぇなーあのオヤジ。ハンドマイクあるんだからあんな叫ばなくていーのに。」
Rの介があきれた顔で言う。
「Rの介、くるぞ。」
とつぜん金属バットを持った見慣れない男が話しかけてきた。
「あぁ。つーかお前誰?」
「ほら、C組の・・」
「あぁ、生徒A。」
「・・・・。うわぁん(泣」
まぁ、名前のないキャラがいるのは仕方ない。(ぇ
「おしゃべりはそこまでダ!」
とそこへ、いつの間にか鎧を着ている心なしかカタコトの屈強な男が一匹、現れた。
「って、槍長っ!ナイフじゃキツいかな・・」
「っつーかなんでそんな武器持ってきたんだよ!」
「うるさいぞ村人A。ってわけで、このムキムキをぶっ殺してくれ。」
Rの介は桜の木によりかかってあくびをしている。
「村人じゃないぞ。つーか、お前は?」
「名前が無い人同士の戦いを見てるよ。おっと、危ないぞ。」

Rの介の言葉を聞き、生徒Aはすばやく後ろを振り返った
その瞬間、鎧の男が槍を生徒Aに向けて突いてきた。

「なんのこれしき!」
生徒Aは紙一重でその槍の攻撃を横に避け、手に持った金属バットで男を鎧の上から思い切り殴りつけた。

「ヴ・・」
屈強な男はその場にドーンと倒れた。

「よーし。倒したぜ。」
生徒Aは満足感に満ちた顔をした。

「おー。お前名前無い割に強いなぁ。」
「うるせぇ!つーかお前戦えよ!」
「あぁ、あとでな。・・む、この人、ニキビ多いなぁ。」
Rの介は、倒れた鎧の男の素顔をチェックしていた。理由はわからないが。


 ここはB地点。見渡しがよく、校庭のほとんどを見渡せる場所だ。
ここには死神。と、クラスメイトたちが居た。それからユウも居た。
まぁ、逆に言えばとても目立つ場所だ。
なのですぐに鎧の男たちが来た。

「よし、行くか。」

死神は背負っている大剣を勢いよく抜いた。そして、剣を正面に構えて鎧の男たちの来る方向へ、ジリジリと歩いていった。
6人ほどの鎧の男たちも、槍を正面に構えながら走ってくる。走ってくると言っても、鎧を着ているのでゆっくりだが。
だが死神は、その男たちよりももずっと遅い速さで歩いていった。いかにも、剣が重過ぎてまともに動けない、という感じで。

6人の鎧の男たちと死神との距離が、どんどん狭くなっていく。
その距離が、死神の剣の長さ一本分くらいになった。
死神は、グッと足に力を入れ、大きく一歩踏み出し、大剣をバットのようにして構えた。

次の瞬間、ブウンッ・・という大きな風を切る音とともに、校庭の砂が巻き上がり、花びらが舞い上がる。そして鎧の男たちも大きく宙を舞った。
そう。死神は、一瞬で何十キロはあろうという大剣を持ってその場でぐるんと回ったのだ。

―周りのすべてを巻き上げる、竜巻のように。

「ふぅ・・・。おし、みんな行こう。って、あれ?」
死神が振り向くと、クラスメイトはみな口をあけてぽかーんとしていた。
「どうしたんだあいつら・・?・・よし。」
全員のぽかーんとした口を見て、死神はとりあえず、ユウの口に、近くに落ちていたテニスボールをぶちこんでみた。
「ひひはひ、ほはえ、ふほひあ。」
ユウはテニスボールをぶちこまれた口で必死で、「死神、お前すごいな。」と言った。それを聞いた死神は、うんうん、とうなずいた。どうやら理解したようだ。
「そうだな。きっかけはフジ●レビ、だよな。」
・・やっぱりそうでもなかったようだ。
それを聞いていた周りのクラスメイト全員が、「どうしてそうなるんだ?」という顔をしたが、ついさっき見事な技を見せられたあとなので、ちょっと言いにくかった。
そうして、変な空気が次の鎧男たちが来るまで漂っていたのであった。

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