第1話:紫砂津中学校

うやく紫砂津市にも訪れた、春。
きれいに晴れた青い空に、校庭の満開の桜の木が映える。
ここは紫砂津中学校。
の、2年C組の教室。
窓をあけると、微かに海の匂いがする日当たりのいい教室。
ちなみにここ、紫砂津中学校は、
殺し合いの授業という独特(すぎ)な授業」をするという学校で、(GMSの世界参照)
市民からは学校名にかけて「死殺中学校」と皮肉られている。
余談だが、市民がこの中学校に持っているイメージほど、ふだんの様子は狂ってはいない。
むしろ、普段は素直にトランプに熱中したり、好きな子の話をしたりしているだけで、普通の中学校より中学校らしいといえるかも知れない。
だが、そんな平和は、校庭から響く爆音によって、文字通り「音を立てて」崩れ去るのであった。

―なんだあれ。
ざわついた教室から、校庭をながめていたRの介がつぶやいた。
自分の剣の手入れをしていた死神が、つられて外を見る。
トランプをしていたTOカサとマイとユウも外を見た。
遅れて他のクラスメートも窓の外をちらり。
するとみんな一斉に叫んだ。
「「「「なんだあれはぁっ!!!」」」」
全員は口をぽかーんとあけたまま、校庭を見ていた。

その視線の先にあったもの、つまり爆音の正体は、なんと凄い音を立てながら迫ってくる戦車だった。
そしてその周りには、立派な槍を握りながら歩いてくる屈強な男たちxたくさん。
戦車と屈強な男たち。だがその前には、その二つとは明らかにちょっと違う雰囲気のおっさんがいた。
「・・おい、あの一番前に立ってるおっさん見たことないか?」
ユウがそのおっさんを指差しながら他の4人に聞いた。するとすかさずマイが突っ込んだ。かなり冷たく。
「あれ紫砂津の市長だよユウ知らないの?なんでバカなのにメガネかけてるの?」
「うわっ、ひどっ。深く傷ついたっ。マイ、お前それメガネ差別なのか?」
「そんなところです」
「オマエホント憎たらしい・・グッフォェァ!
ユウが言い終わらないうちにマイは鋭いストレートをくりだした。鮮血とともにユウが吹き飛んだ。
「よーしノックアウトーvvマイ選手のかちっ。」
「ユウ、大丈夫かぁ!?今、すっごいリアルな悶絶でたけど・・」
すぐ手が出るマイの被害にあってしまったユウにTOカサが駆け寄る。すると横で見ていた死神が言った。
「大丈夫。ユウはマイにいつも殴られてるから顔の骨が丈夫だ。なぁR?」
「あぁ今年のワールドカップジーコには期待してるよっ!」
「え?あ、あぁ・・。」

・・・。Rの介は今サッカーに夢中、らしい。普段結構冷静なRの介も、サッカーの話になるとテンションがあがるようだ。って言っても、今は別にサッカーの話をしてたわけじゃないはずだが・・・。
 と、くだらない話をしていると、屈強な男たちと戦車をバックに、マイクを使って市長さんが叫んだ。

「今日こそは、本当にここから立ち退いてもらうために力ずくでいかせてもらうぞぉー!あと、15分で攻撃を始めるからな!」

それを、4人は、教室で聞いていた。
(顔は知ってるけど、あの人の名前、なんていうんだっけ・・?」)←マイ
(大富豪、もういっかいやりたいっ・・)←TOカサ
(頼むぞシュンスケー!)←Rの介
(やっぱり、メガネよりグラサンだよなぁ。)←死神

と思ったら、あまり聞いていなかった。

 とそこへ、「おい、お前ら何やってる。早くしろっ!」
と、和丸先生が教室に飛び込んできた。
「早くしろって、何をするんすか?」
正気に戻った(何)Rの介が聞いた。
「あいつらを追い返すに決まってるだろーが!市長が叫んでたの聞いてなかったのか?攻撃してくるって・・」
「センセ、あんなにたくさん来てるけど、大丈夫?」
「マイよ。俺がいるんだぞ?俺は和丸様だぞ?俺は先生、だぞ?」
タメ口をやめろという含みもあるわけだが、当然マイは気付かない。(苦笑
「そっかー。じゃあ大丈夫だね。」
そんな2人の会話に、Rの介も死神もTOカサも迷っていた。しゃべりたいけど、ヘタに口をはさむと殺されるし・・という感じに、だ。
そんな生徒たちの葛藤をよそに、マイとの話を終えた和丸先生が叫んだ。マイとRの介たちもそれに応える。
「よーしお前ら行くぞーぉ!?」
「よっしゃーっ!」
マイに遅れて3人も、
「「「お、おーう!」」」
そうしてそれぞれは自分の武器を取り出し、教室の外へ出た


それから、しばらく。忘れられていたメガネが目をさました。
「いてて・・いてぇじゃねぇかマイ!・・って、マイどころか誰もいねぇっ!ってうおおぉ!メガネ壊れてる!」
ユウは、たった一人の教室で叫んでいた。

第2話へ