GMS番外編


〜授業の忍術:その2〜


「和丸先生〜」
「ん?なんだ?」

職員室で仕事をしている和丸に、マイが何かの箱を持ってきた。

「頼まれたプリント、持ってきましたよ」
「おぉ、悪いな。サンキュー」
「・・ちょっと一つ聞いていいですか?」
「あ?」
「あの・・・選択科目にあった『忍術』。アレってなんなんですか?ユウとTOカサが選んでたみたいですけど・・・」
「あの二人・・・選んだのか?アレを・・」
「はい。」

和丸はふぅとため息をついた。

「あのバカ二人、それを選んだのか・・・」
「はい。なんか『忍術ってかっこよくね?』って言いながら選んでましたよ」
「ホントのバカなんだな・・・」
「そうなんですよ〜・・・で、忍術ってどーゆーことです?」
「いや、そのままだ。忍術を学べる。」
「へー、じゃあ忍者になれるんですか?」
「そうだが・・・一つ問題があってな・・・」
「問題?」
「あぁ、問題だ」
「その問題って?」

マイが和丸にそう問いかけた。

「その問題ってーのがな・・・」


「じゃー、まず・・・」

NINはドコからか、移動式のホワイトボードを持ち出してきた。

「忍者とは何かを教える。いいかー?覚悟しとけよー」

TOカサとユウはアグラで座っている。
そして、ホワイトボードを見ている。とりあえず、真剣に。

「忍者とはー・・・」

ペンでホワイトボードに何か書き始めるNIN。
そして、書き終わると『バンッ』とホワイトボードを叩いて、こう言った。

「忍ぶ者と書いて忍者だ!!わかるな?」
「・・・・」

二人の一応真剣だったまなざしが冷たい眼差しへ。
そして、立ち上がってその場から去ろうとする。

「待てって待てって!!あと少ししたら実技やるから待ってて!!もう少し辛抱して!!」
「無理デスヨ〜。これ以上辛抱したら大切な何かがこの授業と化学反応を起こしそうで怖いヨ〜」

ユウが語尾をカタカナにしてそう言った。

「大丈夫!!その化学反応は忍者になるために必要な化学反応だ!!」

親指をグッと立ててNINは笑顔でそう言った。
といっても、目だけしかわからないのだが。

「それに、5年ぶりの授業で本調子じゃないんだよ」

そして、NINはホワイトボードに書いた文字を消した。
ユウとTOカサはとりあえず・・といった感じで再び座る。

「じゃー、次。忍者とはどんな人だとおもう?はい、そこのダメガネ。」

ユウを指差し、NINはそう言った。

「ダメガネっつったな?ダメガネっつったな?つか俺、ダメガネじゃないし。ユウだし」
(ダメガネ・・・・)
「いいからとっとと答えろ。ダメガネ。」
「またダメガネっつったなテメェェェェ!!・・・えー、敵に気づかれないように任務を遂行する隠密な人間?」
「違うんだな、だからお前はいつまでたってもダメガネなんだよ」
「ダメガネ言うなァァァァ!!」
「じゃー、次。TOカサ」

NINはTOカサを指差してそう言った。

「あれ?TOカサは普通にTOカサって呼んだよね?何コレ。ここでもメガネ差別?・・・あっ、やべっ。目の前が霞んできやがった・・・」
「んー・・・」

ユウを無視して普通に考え始めるTOカサ。

「暗闇に紛れて敵を暗殺したりスパイみたいなことをしたり忍術が使えたりする人のコトですか?」
「残念。違うんだなぁ・・・」
「え・・じゃあ何・・・」
「『とにかく忍びまくる人』の事を忍者って言うんだ。よーく覚えておけ」
「・・・・」

再び冷ややかな目をNINに向ける二人。

「じゃー、次は実技に入る」
「お、待ってました!!」

ユウが元気になった。
そして、NINは奥にある箱から何か取り出してきた。

「じゃあ、着替えろ」

そういうと、何か黒い衣装を二人に渡した。

「忍者服ですか!?」

ユウが目をキラキラさせながらNINにそう聞いた。

「あぁ、そうだ。わかったらとっとと着替えろ」
「はい!!師匠!!」

ユウはNINにびしっと敬礼すると、そそくさと着替え始めた。
TOカサは、何か嫌な予感を感じながらも、着替え始めた。


「いやぁ、その問題っつーのがな・・・」

和丸はためらいがちにマイの話そうとしている。

「その忍術の教師って言うのがだな・・・・」


TOカサとユウは着替え終わった。
が、二人はなぜか愕然としている。

「よしよし、十分にあってるぞ」


「忍者としての腕は確かなんだが・・・ちょっと忍者を勘違いしている変人でな・・・」
「忍術の教師の癖に忍者を勘違いしてるんですか?」
「あぁ、そうなんだよ」


「あの・・・この衣装は?」
「だから、忍者服だ」

NINはそう問いかけるTOカサに自信満々に答える。


「で、まず何を勘違いしてるかって言うと、忍者服からすでに間違ってるんだよ。忍術の教師、NINは」
「??その忍者服が間違っているって?」


「コレは俗に言う強盗の衣装じゃないんでしょうか?先生」
「いや、違うぞ。忍者服だ」
「忍者服だ・・・忍者服だ・・・!!」

少しあきれているTOカサに、目が輝いているユウ。
ユウは忍者服を見たことがあるのだろうか?


「その・・・忍者服ってのがな・・・」

和丸がためらいがちに話す。

「顔は目の部分だけ穴の開いた黒い覆面に、全身黒タイツが忍者の服装だと思ってるんだ」


「いや、一歩間違えれば逮捕される服装ですって。コレは」

ユウとTOカサはNINと同じ、『目の部分だけ穴の開いた覆面をかぶり、全身黒タイツ』の格好をさせられていた。


「しかも、警察に逮捕されたことが何回かあるらしいぞ」

和丸は最後にそう付け足すと、仕事に戻った。
マイはなんで逮捕された事があるか気になっていたが、和丸が仕事に戻ってしまったため、追求することができなかった。
そして、そのまましぶしぶと職員室を出て行った。


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