GMS番外編


〜授業の忍術:その1〜


紫砂津中・2-Cは珍しく静かだ。
時々話し声が聞こえるが、大体が和丸の話す声である。


「・・・っつーわけで、今配った紙にどの教科を選択したいか書いて、で、今提出しろ〜」

どうやら、選択教科の説明をしていたらしい。
中学で選択教科というのも珍しい気がしないでもないが・・・

ちなみに、選択科目は以下の五通り。

・社会
・体育
・国語
・数学
・忍術

「・・・忍術?」

その教科に食いついたのは、ユウだった。

「忍者になれるのかな?」

そして、TOカサも食いついた。
二人は教科の『忍術』に○をつけた。
しかし、二人に悲劇を巻き起こす選択だということに、二人はまだ気がついていなかった・・・


そして、選択教科の授業の日・・・
とても怪しい教室に、ユウとTOカサはいた。
いや、ユウとTOカサしかいない。
忍術をとったのはこの二人だけだったらしい。

「「・・・・」」

無言になる二人。

「何?この怪しい教室・・・」
「もしかして間違っちゃったかなぁ、選択・・・」

そんなコトを話している時だった。
突然、教室の入り口の戸が開いた。
『ガラガラガシャン!!』という豪快な音を立てて。
ビクッと身を震わせた二人は、そっちの方を向いた。

「忍法!!変わり身の術!!!」

さらに突然の大声。
その大声の後に、その開いている戸から黒い服を巻きつけられた丸太が投げ飛ばされてきた。
そして、その丸太は『ゴトン』と音を立てて入り口付近に転がった。

(な・・・なんだなんだ?)
(丸太が突撃してきた・・・)

呆然としてそんなコトを考えている二人に話しかけるようにさらに声が聞こえてきた。

「フハハハハ!!驚いたか、我『忍法変わり身の術』!!」

声は天井のほうから聞こえる。
二人は上を向いた。

「「・・・・・」」

明らかに冷えた眼をした二人。
彼らが見た光景とは、天井に全身黒で装飾した怪しいおっさんがへばりついている。

「あの・・・なにしてるんですか?」

TOカサが問いかける。

「え?何がって?」
「いや、なんで天井にへばりついてるのかなって」
「キミ、それが見えるのかい?」
「いや、見えるもなにも・・・」
「そのキミが見えてるものはね、この教室に住み着いている『シノビモン』という忍者の精霊だ。キミは忍者の素質あるよ〜」
「・・・・」

話がつながっていない。
そして、ユウとTOカサ、二人仲良く入り口に向かって歩き始めた。

「あぁ!!嘘嘘!!行かないで行かないで!!キミ達二人が5年ぶりの生徒なんだから!!」

『ガチャガチャ』という音を鳴らし、必死に二人を止めようとする天井に張り付いている人。
そして、『ガキン!』という何かが外れた音と同時に、『ゴスッ』という何か重いものが落ちたような音が聞こえた。
気になった二人はとりあえず振り返ってみた。

「あの・・・行かないで?逃げないで?」

なぜか今度は天井から吊り下がっている怪しいおっさん。いや、よく見てみると実際おっさんの後ろに?がつく。
で、再び『ガキン!』という音が聞こえたと思ったら、そのおっさんは頭から床に落ちた。
『ゴン!』という鈍い音が教室内に響き渡る。

「・・・・」
「あたたたた・・・」

頭をさすりながら起き上がるおっさん。そして、立ち上がった。

「いやぁ、すまないすまない」

改めて見るとつくづく怪しいおっさんだ。
全身黒タイツ、そして黒の覆面をかぶっている。


「さて、いきなりだが自己紹介。俺はこの忍術教科の担当のNINだ!ヨロシクな!!」
「・・・・・」

二人とも絶句。
なぜ、こんな怪しい人間が教科担当なんだろう?
そんな疑問が拭えないまま、忍術の授業は始まった。


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